ソニー、トランスルーセントミラー採用のAマウント中級機「α77」
ソニーは、Aマウント採用の中級レンズ交換式デジタルカメラ「α77」を10月14日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は、ボディのみ15万円前後、レンズキット21万円前後。レンズキットには同時発表の新レンズ「DT 16-50mm F2.8 SSM」が付属する。
製品名 | 付属レンズ | 価格 | 店頭予想価格 | 発売日 |
α77ボディ (SLT-A77V) | - | オープン | 150,000円前後 | 10月14日 |
α77ズームレンズキット (SLT-A77VQ) | DT 16-50mm F2.8 SSM | 210,000円前後 |
α77(レンズキットのDT 16-50mm F2.8 SSMを装着) | α77(ボディのみ) |
α77とAマウントレンズ群 |
「α55」と同様、独自のトランスルーセントミラーテクノロジーを採用。ただし撮像素子を一新、さらに2ダイヤル、防塵防滴ボディの上位機種となっている。ソニーでは35mm判サイズの撮像素子を搭載するフラッグシップモデル「α900」の下位に位置する中級機としている。「CP+2011」などで参考出品されていた製品の正式版。
撮像素子は、新開発の約2,430万画素“Exmor” APS HD CMOSセンサー。APS-Cサイズ相当の撮像素子としては、同時発表の「NEX-7」とともに最多画素数となる。画像処理エンジン「BIONZ」も新型になり、大容量化した情報を高速・高画質、低ノイズに処理するという。
感度はISO100-16000。引き続きイメージセンサーシフト式のボディ内手ブレ補正を採用する。補正効果は約2.5〜4.5段。
EVFには「XGA OLED Tru-Finder」を採用した。0.5型有機ELで、総ドット数は235万9,296ドット。倍率は約1.09倍(50mmレンズ装着時)。アイポイントは、最終光学面から約27mm、接眼枠から約22mm。α55のEVFより約10倍の高コントラスト化が可能になったという。アイセンサーも装備している。ちなみにα55のEVFは、液晶0.45型で総ドット数は約144万ドット相当、倍率1.10倍。
液晶モニターは3型ワイド約92万ドット。新機軸として、世界初の3軸チルト式を採用。α55は上下と左右の2軸だったが、さらに前後方向への動作(撮影者側に引き出せる)が可能になったことで、三脚や縦位置グリップ使用時の縦位置撮影でも利用しやすくなった。常にレンズの光軸付近で可動するため、ヒンジが左手側にあるタイプよりも「違和感なく構図確認・調整が可能」としている。
世界初の3軸チルト式液晶モニターを採用 |
トランスルーセントミラーテクノロジーの利点でもある、位相差AFでのフルタイムコンティニュアスAFが可能。連写性能は、連続撮影優先AEモードで約12コマ/秒。AF追随での数字であり、ソニーでは「APS-Cサイズセンサー搭載レンズ交換式デジタルカメラで世界最速」としている。
新開発の11点クロス19点AFセンサーを採用。被写体を追尾する追尾フォーカス機能を新たに備えた。
最高シャッター速度は1/8,000秒。先幕を電子シャッターとした新タイプで、クラス最小のレリーズタイムラグ0.05秒を実現したという。シャッター耐久は15万回。
動画機能のトピックとしては、フルHD60p記録のAVCHD Ver.2.0に対応。同時発表のNEX-7と同様、24p記録もαとして初めて可能になった。また、マニュアルフォーカス時のP、A、S、Mの各露出モードで、マニュアル設定が行なえるようになった。
そのほか新機能として、装着レンズの収差・シェーディング補正が可能になった。周辺光量低下、倍率色収差、歪曲収差を撮影時に自動で補正する。ただし対応レンズは、DT 16-50mm F2.8 SSM、DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM、DT 55-200mm F4-5.6 SAM、DT 18-250mm F3.5-6.3に限られる。その他のレンズは順次ファームウェアアップデートで対応するという。
αとして珍しく上面表示パネルも装備(デジタル化後はα900のみ)。ボタン配置はデジタル一眼レフカメラの中級機「α700」(2007年11月発売)を思わせるもので、中級機らしく豊富な操作ボタン類を備えている。押し込み可能なマルチセレクターも復活した。グリップもα900やα700を思わせる重厚なもの。ただしCボタンは省略され、代わりにMOVIEボタンが新設されている。
AEロックボタン、ISOボタン、AF/MFボタンに別機能の割当も可能。最大3セットのカメラセッティングも登録できる。
上面表示パネルを搭載 | 撮影モードダイヤル |
ストロボも内蔵している |
そのほか、ピクチャーエフェクトも標準で搭載。NEX-C3やα55に対して、「絵画調HDR」、「ソフトフォーカス」、「ミニチュア」、「リッチトーンモノクロ」、「ソフトハイキー」が追加されている。
ボディはマグネシウム製。α55に引き続き、本体にGPS機能を搭載。ガイドナンバー12の内蔵ストロボも採用する。
DT 16-50mm F2.8 SSM装着例 | DT 16-50mm F2.8 SSM装着例 |
DT 16-50mm F2.8 SSM装着例 | DT 16-50mm F2.8 SSM装着例 |
DT 16-50mm F2.8 SSM装着例 |
Vario-Sonnar T* DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA装着例 | Distagon T* 24mm F2 ZA SSM装着例 |
Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM装着例 | Planar T* 85mm F1.4 ZA装着例 |
70-200mm F2.8 G装着例 | 70-400mm F4-5.6 G SSM装着例 |
300m F2.8 G装着例 |
縦位置グリップ「VG-C77AM」も用意。価格は3万1,500円。発売は10月14日。本体同様、防塵防滴構造となっている。
縦位置グリップVG-C77AM | 縦位置グリップVG-C77AM |
縦位置グリップVG-C77AM | 縦位置グリップVG-C77AM |
縦位置グリップVG-C77AM | クリップオンストロボHVL-F43AM(10月14日発売)装着例 |
クリップオンストロボHVL-F43AM(10月14日発売)装着例 | クリップオンストロボHVL-F43AM(10月14日発売)装着例 |
α77用液晶保護セミハードシートPCK-LM3AM。10月14日発売。1,785円 | α77用アイピースカップFDA-EP12。2012年1月中旬発売。1,050円 |
なお、同時発表の「α65」との機能的な違いは、操作系(α65はシングルダイヤル)、3軸チルト式可動液晶モニター(α65は従来と同じバリアングルチルト式)、連写性能など。
左が同時発表のα65。右がα77 |
製品名 | α77 | α65 | α55 |
発売年月 | 2011年10月 | 2010年9月 | |
撮像素子 | APS-Cサイズ(23.5×15.6mm) | ||
有効画素数 | 約2,430万 | 約1,620万 | |
ISO感度 | ISO100-16000 | ISO100-12800 | |
動画記録方式 | AVCHD(Ver.2.0)/MP4 | AVCHD/MP4 | |
記録メディア | メモリースティックPRO-HGデュオ/PROデュオ、SDXC/SDHC/SDメモリーカード | ||
UHS-I | 対応 | 非対応 | |
EVF | 0.5型XGA OLED | 0.45型約144万ドット相当 | |
背面モニター | 3型ワイド約92万ドット | ||
背面モニター角度調整 | 3軸チルト可動式 | バリアングルチルト可動式 | |
最高シャッター速度 | 1/8,000秒 | 1/4,000秒 | |
連写性能 | 約12コマ/秒 | 約10コマ/秒 | |
バッテリー | NP-FM500H | NP-FW50 | |
撮影可能枚数 | 約530枚 | 約569枚 | 約380枚 |
幅 | 約142.6mm | 約132.1mm | 約124.4mm |
高さ | 約104.0mm | 約97.5mm | 約92mm |
奥行き | 約80.9mm | 約80.7mm | 約84.7mm |
質量 | 約732g | 約622g | 約500g |
※撮影可能枚数は液晶モニター使用時
※連写性能は速度優先連続撮影速度
2011/8/24 14:22