ニコン、防塵防滴・視野率約100%のデジタル一眼レフ「D7000」
ニコンは、デジタル一眼レフカメラの中級機「D7000」を10月29日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は14万円前後の見込み。
D7000。装着レンズは「AF-S DX NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR」 |
また、本体と「AF-S DX NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR」をセットにした「D7000 18-105VRレンズキット」と、本体と「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II」をセットにした「D7000 18-200VRIIレンズキット」も用意する、価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格はD7000 18-105VRレンズキットが18万円前後、D7000 18-200VRIIレンズキットが23万円前後の見込み。
D90並のボディサイズを実現した |
同社ラインナップ中で“ハイミドル”という位置づけのデジタル一眼レフカメラ。「D300S」(2009年8月発売)と「D90」(2008年9月発売)の中間に位置する。D300SとD90はいずれも併売する。従来通り、D300SがニコンDXフォーマットのフラッグシップ機というポジションに変更はない。
新たに画素数や最高感度を引上げたほか、ニコンのデジタル一眼レフカメラで初めてフルHDの動画撮影に対応した。上面と背面にはマグネシウム合金製カバーを採用。またD300Sと同等の防塵防滴性能を備える。
D7000(左)とD90(右) |
D7000 18-105VRレンズキット | D7000 18-200VRIIレンズキット |
■有効1,620万画素CMOSセンサーを搭載
撮像素子はAPS-Cサイズ相当(DXフォーマット)の有効1,620万画素CMOSセンサー。最大記録解像度は4,928×3,264ピクセル。ニコンのデジタル一眼レフカメラでは、プロ向けの35mmフルサイズ機「D3X」を除けば最多画素数のモデルとなる。超音波振動によるゴミ対策機構も装備する。
感度はISO100~6400を常用とし、拡張設定で最高ISO25600相当まで増感可能になった。画像処理エンジンは「D3100」と同じ「EXPEED 2」を搭載。ノイズ低減時の処理を高速化したほか、画質も向上したという。AFセンサーは新開発の「マルチCAM 4800DX」を搭載。被写体追従性能を向上させた。AFポイントは39点となっている。測光センサーも新たに2,016分割RGBセンサーを搭載した。
ホワイトバランスでは、照明光の色味を残し雰囲気のある撮影が可能なモードも新採用した。また、シーン認識では小さな被写体への対応を図ったことで、認識精度が向上したとしている。
従来から搭載していた「アクティブD-ライティング」も改良した。従来は暗い部分を持ち上げた場合、一部の色に色相の回転があったが、今回アルゴリズムを見直すことで色の変化を低減させた。
動画撮影機能「Dムービー」は新たに最高1,920×1,080ピクセル、24fpsでの撮影が可能になった。これまで、Dムービーは1,280×720ピクセル、24fpsまでの記録だった。D7000では1,280×720ピクセル、30fpsの撮影も可能。記録形式はMOV(H.264/MPEG-4 AVC)。音声はリニアPCMで記録する。本体にモノラルマイクを備えるほか、外付けステレオマイク用の端子も装備する。動画撮影はプログラムAEとマニュアル露出が可能。
モードダイヤルとドライブダイヤルが2段構成になった | 内蔵ストロボをポップアップさせたところ |
上面と背面はマグネシウム合金製 |
HDMI、GPSユニット、ステレオマイクなどの端子も備える |
■SDXC対応のダブルスロットを採用
ファインダーはペンタプリズム式。視野率約100%、倍率約0.94倍、アイポイント約19.5mmとD300Sといずれも同じ。ニコンの一眼レフカメラで、フラッグシップ機以外で視野率約100%を謳うのは初めて。
シャッター速度は30~1/8,000秒とバルブおよびタイム。ストロボ同調速度は1/250秒以下。シャッター耐久回数は15万回。最高連写速度は6コマ/秒。RAWの14bit記録時でも6コマ/秒での連写ができるとしている。
撮像素子ユニット(左)とクリーニングユニット(右) |
EXPEED 2を積んだメイン基板 | 2,016分割の測光センサー |
AFセンサー「マルチCAM 4800DX」 | シャッターユニット |
ペンタプリズム |
起動時間は約0.13秒、レリーズタイムラグは約0.052秒。「D90」はそれぞれ約0.15秒、約0.065秒だった。高速化のためにミラー駆動機構を新たに設け、ミラー動作を独立して行なっている。
液晶モニターは約92.1万ドットの3型TFTで、固定式。パネルは強化ガラス製。従来からのライブビュー撮影も使用可能。電子水準器も備え、ライブビュー映像に重ねて表示できる。HDMI端子も装備し、テレビのリモコンで撮影画像の再生操作が可能になる「CEC」にも対応する。 別売のGPSユニット「GP-1」も使用可能となっている。
別売のマルチパワーバッテリーパック「MB-D11」 |
MB-D11には防塵防滴のシールド(黄色部分)を施した |
MB-D11の装着例 |
MB-D11も外装にマグネシウムを採用 |
記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカード。高速転送規格UHS-Iに対応したダブルスロットを備える。2枚のカードを挿入して、順次記録、同時記録、RAWとJPEGの振り分け記録が可能。カード間のファイルコピーもできる。
SDXC/SDHC/SDメモリーカード対応のダブルスロットを搭載 |
電源は新型リチウムイオン充電池「EN-EL15」。CIPA準拠の撮影可能枚数は約1,050コマ。EN-EL15は、2011年11月から施行となる電気用品安全法のリチウムイオン充電池に対する安全基準の強化に対応している。
本体サイズは、132×105×77mm。重量は約690g(本体のみ)、約780g(バッテリーと記録メディアを含む)。大きさはD90に比べて高さが2mm高いが、幅と奥行は同じ。本体のみの重量はD90から70g増えているが、D300からは120g軽くなっている。
新型バッテリー「EN-EL15」 | 同梱の充電器 |
同梱のストラップ(左)と液晶モニターカバー(右) |
ストロボの装着例。左は「SB-400」、右は「SB-900」 |
■主な仕様
D7000 | D300s | D90 | ||
発売時期 | 2010年10月29日 | 2009年8月28日 | 2008年9月 | |
発売時の実勢価格(ボディ) | 14万円前後(予想) | 22万円前後 | 12万円前後 | |
撮像素子 | タイプ | CMOSセンサー | ||
フォーマット | APS-Cサイズ相当 | |||
サイズ | 23.6×15.6 | 23.6×15.8 | ||
有効画素数 | 約1,620万画素 | 約1,230万画素 | ||
画像処理エンジン | EXPEED 2 | EXPEED | ||
イメージセンサークリーニング | ○ | |||
手ブレ補正方式 | レンズシフト式 | |||
最高感度範囲 | ISO100~25600 | ISO100~6400 | ||
ライブビュー | ○ | |||
防塵防滴 | ○ | ― | ||
Dムービー(最高解像度) | 1,920×1,080ピクセル(24fps) | 1,280×720ピクセル(24fps) | ||
ファインダー | 視野率 | 約100% | 約96% | |
倍率 | 約0.94倍 | |||
アイポイント | 19.5mm | |||
AFポイント | 39点 | 51点 | 11点 | |
シャッター | 最高速度 | 1/8,000秒 | 1/4,000秒 | |
ストロボ同調速度 | 1/250秒 | 1/200秒 | ||
最高連写速度 | 約6コマ/秒 | 7コマ/秒 | 4.5コマ/秒 | |
記録メディア | SDXC/SDHC/SD(ダブルスロット) | CF、SDHC/SD | SDHC/SD | |
液晶モニター | サイズ | 3型 | ||
ドット数 | 約92.1万ドット | |||
内蔵ストロボ | ガイドナンバー(ISO100) | 約12 | ||
コマンダー機能 | ○ | |||
電子水準器 | ○ | ― | ||
HDMI端子 | ○ | |||
電源 | EN-EL15 | EN-EL3e | ||
撮影可能枚数(CIPA準拠) | 1,050枚 | 約950枚 | 約850枚 | |
バッテリーグリップ | MB-D11 | MB-D10 | MB-D80 | |
本体サイズ | 幅 | 132mm | 147mm | 132mm |
奥行 | 77mm | 74mm | 77mm | |
高さ | 105mm | 114mm | 103mm | |
重量(本体のみ) | 約690g | 約810g | 約620 |
【2011年11月1日】記事初出時、マルチパワーバッテリーパックを「MB-11」と記載しておりましたが、正しくは「MB-D11」です。
【2010年9月15日】記事末の比較表中、D300sの記録メディアを「CF、xDピクチャーカード」あるいは「CF」としていましたが、正しくは「CFとSDHC/SDのダブルスロット」です。お詫びして訂正いたします。
【2010年9月16日】D7000のポジショニングに関して、ラインナップ中の表記を「ローミドル」から「ハイミドル」に訂正いたしました。
2010/9/15 13:00