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天体撮影を始めたい人に…軽量2.5kgのビクセン「SDE72SS鏡筒」

株式会社ビクセンは、初めての天体撮影向けとする「SDE72SS鏡筒」を5月23日(金)に発売する。

同時発売の天体望遠鏡「ポルタII-SDE72SS」に採用された鏡筒の単体モデル。

色収差を極めて高いレベルで抑えられるという、SDガラスを採用したアポクロマート鏡筒。

レンズの光学面全面には、フレアやゴースト対策としてマルチコートを施している。これにより、星や月の周辺が青紫色ににじむ色収差を防ぎ、鮮明に写し出すことが可能とする。また、意図しない光の散乱を防ぐことで、コントラストの低下が防げるという。

本体重量は比較的軽い2.5kg。伸縮式フードを採用したことで、コンパクトに収納・携行できる。

ビクセン規格と薄型アタッチメント規格に対応したアリミゾプレートを採用したほか、粗動と微動の組み合わせでピントを調節する専用のデュアルスピードフォーカサーを搭載。微動時の減速比は約10:1となっており、天体写真撮影や高倍率観測などで、精密なピント合わせが行えるという。

専用のデュアルスピードフォーカサーを搭載
標準装備のファインダー脚台座に加えて、別売のアリミゾ式台座も装着可能
専用アルミケース

鏡筒部

  • 対物レンズ(主鏡)有効径:72mm
  • 焦点距離:432mm
  • 口径比:F6
  • 分解能:1.61秒
  • 極限等力:11.1等
  • 集光力:肉眼の106倍
  • ファインダー:5倍30mm(実視界8度)
  • 焦点調節方式:ラックアンドピニオン(専用デュアルスピードフォーカサー付)
  • パーツ取付:ネジ込み(63mm)、差し込み(31.7mm、50.8mm)
  • 接眼レンズ(31.7mm径):別売
  • 外形寸法:307~365×82mm
  • 重量:2.5kg(本体2.2kg)
  • 付属品:専用アルミケース、正立天頂プリズム、ファインダー5×30(脚付)

SDEレデューサー

SDE72SS鏡筒に、別売のSDEレデューサー(0.8倍)を装着することで、焦点距離346mm(F4.8)の撮影鏡筒としても運用可能。イメージサークル30mm、APS-Cサイズ以下のセンサーをカバーする。

キヤノンEFマウント用のアダプターを同梱する「レデューサー SDE for Canon EF」と、ニコンFマウント用アダプターを同梱する「レデューサー SDE for Nikon F」を用意。価格は、どちらも5万3,900円。

焦点距離が短く扱いやすいため、直焦点撮影の初心者に最適だという。

キヤノンRFマウントおよび、ニコンZマウントへは、それぞれ市販の変換アダプターを利用することで対応。

SDEレデューサーとカメラを装着した例
スポットダイアグラム
天体写真撮影時の画角調整用となるカメラの回転装置
M31(アンドロメダ銀河) SDE72SS+SDEレデューサー、APS-Cカメラ、露出時間20分(30秒×40回) メーカー提供

レデューサーSDE

  • 対応鏡筒:SDE72SS鏡筒
  • 倍率:0.8倍
  • 焦点距離の変化:432mm→346mm
  • F値の変化:F6→F4.8
  • イメージサークル:30mm
  • コーティング:マルチコート
  • 鏡筒側取付ネジ:54mm(0.75mmピッチ)
  • カメラ側取付ネジ:48mm(0.75mmピッチ)
  • 外形寸法:58×61mm
  • 重量:272g

回転装置

  • 鏡筒側取付ネジ:63mm(1mmピッチ)
  • カメラ側取付ネジ:54mm(0.75mmピッチ)
  • 外形寸法:78×46mm
  • 重量:208g

カメラアダプター

  • 鏡筒側取付ネジ:48mm(0.75mmピッチ)
  • カメラ取付:各マウントに直接取り付ける
  • 外形寸法:64×16mm
  • 重量:46g
飯塚直

パソコン誌&カメラ誌を中心に編集者として活動後、2008年からフリーに転向したフリーランスエディター。商業の大判プリンターから家庭用のインクジェット複合機、スキャナー、デジタルカメラなどのイメージング機器が得意。現在、1児の父。子供を撮影する望遠レンズと、高倍率コンパクトデジタルカメラの可能性を探っている。