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動画の生成が可能な「Adobe Firefly」パブリックベータ版が公開
写真やテキストから1080pで制作 音声翻訳も
2025年2月13日 00:00
アドビは2月13日(木)、生成AIサービスのAdobe Fireflyにおいて、動画の生成に対応した「Adobe Firefly Video Model」をリリースした。パブリックベータ版としてのリリースで、今後正式版のリリースに向けて開発が続けられる。誰でも利用できる。
2種類の料金プランが用意され、いずれも画像やベクターの生成は無制限。Adobe Firefly Standardでは、1カ月あたり2,000クレジットが利用でき、最大20本の1080p・5秒までの動画を生成できる。月額料金は9.99ドルから。Adobe Firefly Proでは、月7,000クレジットが利用でき、最大70本の1080p・5秒までの動画を生成できる。価格は月額29.99ドル。さらに生成が可能なPremiumプランも提供予定だとしている。
Adobe Fireflyは、同社の生成AIサービスとして、特にユーザーの商用利用が可能なように権利関係のはっきりしたコンテンツで学習しており、ユーザーのコンテンツは学習に利用されないという特徴がある。登場以来、約2年で180億以上のコンテンツが生成されているという。
これまではWeb版としてテキストから静止画を生成するなどの機能を提供。さらにPhotoshopやPremiere Proなどに統合されており、直接生成AIを利用できるようになっている。
今回新たに生成ビデオを作成する「Firefly Video Model」がベータ版としてリリースされ、静止画と同様に、商用利用可能な動画を生成することができる。
静止画と同様にテキストを使って任意のプロンプトを入力することで動画を生成できる。生成されるのは1080pのフルHD動画で、アスペクト比は16:9または9:16。フレームレートは24fpsのみで、生成可能な長さは5秒間の動画まで。
カメラの寄りや引き、空撮や下から見上げるかなどのアングルも指定できる。ズームイン、ズームアウトといった動きの設定も可能だ。
テキストだけでなく画像からの動画生成も可能。テキストから画像を生成して、その画像をそのまま動画の始点として生成することもできる。始点と終点の画像をアップロードすれば、それに合わせた動画も生成可能。
通常の動画だけでなく、例えばエフェクト動画を生成して素材を作るといった用途にも使える。パーティクルやアブストラクトといったアニメーションを生成して素材として自分の作品に活用することも可能。
ユースケースとしては他にも、参照画像からBロールを生成する、2Dや3Dアニメーションを生成する、テキストグラフィックを生成するといった様々な使い方が想定されている。
動画の生成だけでなく、音声と動画の翻訳機能も提供される。アップロードされた動画や音声について、5分から10分までのファイルであれば翻訳をしてくれる。
日本語や英語など14カ国語を自動検出し、日本語を含む20カ国語に翻訳する。字幕の生成ではなく、オリジナル音声に対して機械音声を被せた動画が生成される。男性の声なら男性、女性の声なら女性の声を生成する。使い方もファイルをアップロードして、翻訳したい言語を選ぶだけ。複数の言語に対して同時に設定も可能だ。
Adobe Fireflyは、画像、ベクター、音声、そして動画とマルチモーダルな生成を可能にしており、さらに安心して商用利用できる点をメリットとして訴求。クリエイターのアイデア出しから制作までをカバーする生成AIサービスとしてアピールしている。