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画像処理ソフト「Adobe Photoshop」モバイル版がリリース
スマホでレイヤーが扱える 生成AIも利用可能に
2025年2月26日 00:00
アドビは2月25日(米国時間)、画像編集ソフト「Adobe Photoshop」スマートフォン版の提供を開始した。まずはiPhone版がリリースされ、App Storeからダウンロードして利用可能。年内にはAndroid版も提供予定としている。
アプリ単体では無料でも利用可能だが、Web版との連携や追加のプレミアム機能を利用できる有料版も用意される。価格は月額1,300円。
手のひらにPhotoshop
Photoshopは、画像編集・デザインアプリとして長年支持されてきた。もともとはWindowsやMac向けだが、モバイル版としてはこれまでiPad版や簡易版のPhotoshop Expressが提供されている。Webブラウザだけで利用できるWeb版も登場し、今回はさらにモバイル向けにiPhone版が登場した。
同社では、これまでPhotoshopを活用してきたプロフェッショナルユーザーが、出先でも気軽に編集できる点をアピール。加えて、特に最近は若い人がスマートフォンだけで全てをこなしている例も多いという点を踏まえて、新世代のクリエイターにも最適としている。また、基本機能は無料のため、これからPhotoshopを始めるという人にも適しているという。
モバイルに最適化されたユーザーインタフェースを搭載しており、狭い画面で、しかも指での操作で快適に利用できるように設計しているという。モバイルということで、「カメラロールから新規作成」を用意したり、「新しいカンバスを作成」ではSNSに適したサイズのプリセットを搭載したりしている。
さらにAdobe Fireflyを使って画像を生成することもできるし、無料のAdobe Stock素材から編集を開始することもできる。LightroomのカタログやFrescoの編集データとも連携できる。
編集画面では、下部に編集ツールが並び、右下にはレイヤーが最小化されて表示されている。塗りつぶし、テキスト、調整といったレイヤーとして画像を追加していくことが可能。
画像編集では、「タップ選択」機能を新搭載。これは画像の領域を選択する機能で、従来のクイック選択ブラシ、なげなわツール、オブジェクト選択などに加えて追加されており、「タップ選択」を選ぶと、画像を自動解析して空、地面、人物、建築物といったパーツを認識してくれるため、ワンタップで選択が可能。
レタッチ機能では、スポット修復、コピースタンプ、削除ツールなどを搭載。削除ツールはAI機能を搭載し、デスクトップ版と同様に画面内の不要な場所をなぞるだけで削除できる。
Adobe Fontsを利用したテキストレイヤー、描画モードを使ったレイヤーの重ね合わせ、生成AIを使った生成拡張、複数のレイヤーを組み合わせ、マスクを使った画像編集などもでき、同社ではPhotoshopの基本機能を網羅した、としている。扱えるレイヤー数も端末のスペックに依存して無制限に使えるという。
編集した画像はクラウド上に保存され、Photoshop Web版を使って大画面での編集もそのままできる。Web版はSafariへの対応も拡大され、Adobe Stockの無料素材も扱えるようになる。
有料機能は主にWeb版との連携部分のようで、Photoshopアプリの機能としてはAdobe Fontsの数が異なること以外、大きな違いはないという。また、既存のAdobe Creative Cloudコンプリートプランなど、有料プランのユーザーもそのまま利用できるとのこと。