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AIで撮影機能が強化された「Xperia 1 VI」…製品体験会で新機能をチェック

αの技術をスマートフォンに搭載

ソニーは5月17日(金)、スマートフォン「Xperia 1 VI」の製品体験会を都内で実施した。このページでは、新たに搭載された撮影機能を中心に紹介していく。

冒頭、同社モバイルコミュニケーションズ事業部 事業部長の大島正照氏が登壇。今回のXperia 1 VIについて、更にクリエイティブの幅を広げるために望遠レンズを搭載したとコメント。さらに、ボケ感が向上したことで、より作品を良いものにしていくだろう話した。

製品開発はクリエイターとともに取り込んでいるという。カメラ機能に限らずディスプレイやオーディオなど、各機能で素晴らしい体験価値を届けるという点を目指していくという。

モバイルコミュニケーションズ事業部 事業部長 大島正照氏

Xperia 1 VIは5月15日(水)に発表された同社スマートフォンのフラッグシップモデル。16-170mm相当(35mm判換算、以下同)の最大7倍光学ズームに対応し、αシリーズにも搭載する姿勢推定AFなども搭載する。

16-170mmの焦点域をシームレスにズーム

大きな変更点の1つとして、85〜170mmの望遠レンズが新たに搭載された。従来モデル「Xperia 1 V」では望遠端が125mmだったため、望遠域が45mm延長されたことになる。

Xperia 1 VI/85mm/(F2.3・1/125秒)/ISO 32
Xperia 1 VI/170mm/(F3.5・1/100秒)/ISO 40

メインカメラには、16mm超広角(F2.2)、24mm/48mm広角(F1.9)、85-170mm望遠(F2.3~3.5)の3つのレンズを搭載。一部焦点距離ではクロップを使用することで、シームレスなズームミングに対応する。撮像素子は従来機「Xperia 1 V」から継承。広角カメラには、1/1.35型の2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for mobile」を搭載する。

カメラ部分

新設計の望遠レンズを搭載するにあたり、画像の処理面でも調整を行い、Xperia 1 Vと比較して鮮明さが向上しているという。

カットモデルも展示

ぼけモードにおいても、輪郭など不自然になりがちな部分が自然に処理され、一眼レフカメラのような大きなボケ味が楽しめるとのこと。

ワーキングディスタンス4cmのテレマクロ

最大撮影倍率は約2倍。ワーキングディスタンスは4cmで、本格的なマクロ撮影も可能だ。

フォーカスはMF限定となり、ピントのあっている範囲を示す「ピーキング機能」を設ける。

実際の撮影の様子 ピントが合う部分にはピーキング機能で黄色くマーキングされる。

MFのみのため、構図などを追い込むのが中々難しい。撮影モードはオートのみのため、手ブレにも気をつける必要がある。ケースバイケースではあるが、三脚が必要となるケースが多いだろう。

Xperia 1 VI/テレマクロモード/(F2.8・1/30秒)/ISO 125
最短撮影距離にカメラを置いた様子

全方向から人物を認識するAI姿勢想定技術

ミラーレスカメラ「α」シリーズにも搭載される「AI姿勢想定技術」が追加された。被写体の骨格情報で人物を認識するもので、障害物などで被写体が遮られてもトラッキングを行う。

動画では、目元を隠してもらったり、横顔になったりとしてみたが、ピントは顔を追従することがわかる。

スポーツなどの激しい動きにも対応し、従来モデルではトラッキングが外れやすかったケースでも、より高精度に追従するという。

3つのカメラアプリがひとつに統合

従来のXperiaに搭載する「Photo Pro」「Video Pro」「Cinema Pro」が1つのアプリ「Camera」に集約。静止画においてはプロモードを備えるが、ビデオ撮影のプロモードに関しては次回のアップデートで搭載を予定している。

右下のカメラマークが新たに搭載された「Camera」アプリ

シンプルでどのような人が使ってもわかりやすいUIだという。ひとつのアプリに集約されたことで、静止画中に動画が撮りたいなどといった急な切替えにも対応できるようになった。

シンプルで誰でも使いやすいように設定しているという
プロモードでは従来の「Photo Pro」と同等の機能を持つ
左がXperia 1 V(従来のPhoto Pro)/右がXperia 1 VI(新アプリ)

暗所撮影性能の高さはXperia 1 Vを継承

今回の体験会では、暗所でポートレート撮影できるコーナーが用意されていた。

ミラーレスカメラでは高感度にしないと写らないレベルの暗所

そんな中でもAFは迷うことなく、モデルの瞳を追い続ける。

暗所では潰れやすいまつげなども、しっかりとディティールが残っている。

Xperia 1 VI/28mm/(F1.9・1/8秒)/ISO 2000
Xperia 1 VI/48mm/(F1.9・1/6秒)/ISO 1600
Xperia 1 VI/28mm/(F1.9・1/13秒)/ISO 1600

操作面も向上 バッテリーは約38時間の動画視聴に

シャッターがより切りやすくなるよう、筐体側面にあるシャッターボタンが大型化された。ほどよい半押し感がある。ストロークはスマートフォンにしては深めに感じた。

筐体側面のシャッターボタンが大型化した

バッテリーも5,000mAhを搭載し、Xperia 1シリーズにおいて最も持続時間が長いバッテリーとしている。状況や環境にもよるが、約38時間の連続動画視聴の実績があるという。従来機の約2倍の持続時間となる。

持続時間については、ディスプレイ解像度をFHD+に変更したなど様々な変更によって実現したという。

朝4時から動画を連続再生している様子が展示されていた。左がXperia 1 Vで右がXperia 1 VI。撮影時間は11時30分頃

そのほか実機写真

本誌:佐藤拓