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ニコン、「NIKKOR」レンズ発売90周年を記念したロゴを制定

株式会社ニコンは11月16日、NIKKOR(ニッコール)レンズの発売が今年で90周年を迎えたことを告知。あわせて記念ロゴを制作したことを発表した。

このロゴ制作は、90周年を記念する施策のひとつ。NIKKOR誕生から歴史的に名を残したレンズや象徴的なレンズのシルエットを配置している。

また、記載したテキスト「A Story in Every Lens」には、「NIKKORレンズ1本1本にユニークな特長や想いがあること、それぞれに大切な瞬間を記録したストーリーがあることを表現した」という。

今後はNIKKORレンズが提供してきた価値や品質、功績などに焦点を当てた動画を展開する予定。

NIKKORの歴史は、ニコン(当時:日本光学工業)が1932年に「NIKKOR」の商標登録を行い、1933年に航空写真用レンズを「Aero-Nikkor(エアロニッコール)」と名付けて販売したことから始まる。光学ガラスの段階から自社製造する世界的にも限られたメーカーであり、以後も最先端のテクノロジーを常に採用。高性能レンズの代表ブランドへの道を歩んだ。

Nikkor P・C 8.5cm F2 (1948年発売)
撮影された写真が世界的な写真雑誌「LIFE」に掲載。それをきっかけにNIKKORブランドのクオリティが認知された。その後は「ニューヨーク・タイムズ」でニコンと「NIKKOR」レンズの特集記事が掲載されるなど、当時のメイド・イン・ジャパンの概念の一変に一役買う製品に。

Zoom-NIKKOR Auto 43-86mm F3.5 (1963年発売)
実用的な性能を実現した日本初の標準ズームレンズ。

NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct (2019年発売)
NIKKOR Zレンズのフラッグシップとして高性能を誇り、ニコン史上最も明るい開放F値0.95を実現。

初めて販売した航空写真用レンズ「Aero-Nikkor50cm F4.8」
Zoom-NIKKOR Auto 43-86mm F3.5
NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct

NIKKORレンズはNASAに提供されたことで知られる。アポロ15号(1971年)でNASA仕様のカメラ「Nikon Photomic FTN」とNIKKORレンズが採用。2009年にはISS(国際宇宙ステーション)内の記録撮影用として、「ニコン D3S」(2009年発売)と「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」(2007年発売)を納入している。NASAとの協力関係は光学技術の進化および宇宙における撮影と研究に寄与しているという。

2018年にはミラーレスカメラ用のNIKKOR Z レンズを発表。新規に採用されたZ マウントは、内径55mmという余裕を持ったサイズが話題になった。現在もZ マウント用のレンズが投入され続けている。

本誌:折本幸治