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Adobe、Premiere Proなどに最新版。マスキングツール改善、REDカメラから8K RAWファイルのクラウド送信など

アドビは、Adobe Creative Cloudの「Premiere Pro」「After Effects」「Frame.i.o.」の最新版を公開した。

本稿では、動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro」(デスクトップ版)とクラウド型ビデオコラボレーションプラットフォーム「Frame.i.o.」の追加機能についてお伝えする。

バージョン番号や更新内容は以下の通り。

Adobe Premiere Pro(バージョン 23.1。引用)

キャプションからグラフィックへのアップグレード

キャプションをグラフィックに変換して画面上のテキストを向上させ、クリエイティブなコントロールを強化します。Premiere Pro の音声テキスト変換で作成されたキャプションからでも、スタイライズされ、アニメーション化されたグラフィックを作成します。

Team Projects を使用した共同編集

ヘッダーバーから Team Projects に共同作業者を追加します。 プロジェクトで現在作業しているユーザーを表示します。Premiere Pro を使用して、リモート編集ワークフローを簡単に追跡および管理します。

Team Projects のシーケンスロック

Premiere Pro では、他のユーザーがシーケンスで作業していることが表示され、競合や重複を避けるために自動的にロックします。ロックされたシーケンスを表示して、その中から内容をコピーすることもできます。

共同作業者との変更点の簡単な共有

準備が整ったら、「公開」ボタンを使用して編集内容を共同作業者と共有します。Premiere Pro の新しい「変更」列に、チームプロジェクトシーケンスが編集されたことが示されている場合、共同作業者は更新できます。

マスキングツールの改善

パスに複数のポイントを追加することで、オブジェクトを簡単にマスクできます。回転やスケールのオプションが邪魔になることはありません。800%と 1600%のズームレベルオプションを追加して、プログラムモニターでズームインおよびズームアウトします。

複数のトラックでの切り替えスイッチの選択

トラックのターゲティングを簡素化するには、Ctrl キー(Windows)または Command キー(macOS)を押しながら複数のトラックを選択して、可視性やロックなどのトラックヘッダースイッチの状態を有効化、無効化または反転します。

GPU デベイヤー処理による ARRIRAW のサポートの改善

拡張されたソース設定と GPU デベイヤー処理を使用して ARRIRAW フッテージからより多くの価値を引き出し、リアルタイムで最高画質の再生を実現します。

RED V-Raptor XL カメラのサポート

Apple シリコンマシンでの改善された Metal GPU デベイヤー処理と Windows での OpenCL により、RED V-Raptor XL フッテージの読み込みをサポートします。

拡張された XAVC HDR のサポート

XAVC を Rec に書き出します。2100 PQ HDR では、intra エンコードと Long GOP エンコードの両方に対応しています。

Frame.i.o.(ベータ版)

10月に開催されたAdobe MAXにて発表したRED V-RAPTORおよびV-RAPTOR XLカメラとの統合に関するベータ版のファームウェアを公開。追加のハードウェアを必要とせず、8K RAW R3Dファイル、CDL、ProResプロキシファイル、WAV、そして各テイクに関連するカスタムLUTに関して、カメラ本体からクラウドに自動送信できるようになるという。

データ転送にあたり、800Mbpsのインターネット環境が必要となるが、ProRes プロキシワークフローを使うことで80Mbpsほどの速度でデータの転送が可能だとしている。

なお、同機能はFUJIFILM X-H2SおよびファイルトランスミッターFT-XHに対しても10月に発表済みで、2023年春にファームウェアをリリース予定としている。

本誌:佐藤拓