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スマホやタブレット端末で天体観測する“デジタル展望鏡”「Vespera」。専用アプリで観測が容易に

株式会社サイトロンジャパンは、仏・Vaonis(ヴァオニス)社のスマート天体観測ステーション「Vespera(ヴェスペラ)」の予約受け付けを2月23日に開始した。直販価格は税込36万9,800円。製品は4月に出荷予定。アクセサリーとして専用のバックパック、三脚も用意する(いずれも税込2万2,800円)。直販価格は為替レートにより変動する場合がある。

スマートフォンやタブレット端末とWi-Fi接続して使用する、接眼レンズを持たない“デジタル展望鏡”。専用アプリ「Singularity(シンギュラリティ)」(Android/iOS。日本語対応)を利用して、誰でも簡単に天体の観測や撮影が可能としている。CP+2023の同社ブースでも実機が展示されていた。

アプリには、観測する天体についてのさまざまな情報が表示される。そのため、観測するだけにとどまらず、その天体の最新知識も得られるという。アプリ内の機能やコンテンツは定期的にアップデートされる(新規コンテンツの日本語対応は数カ月遅れる場合がある)。

また、アプリが場所や日時から観測に適した天体を提案してくれるため、それをもとに観測スケジュールを立てることも可能。アプリで決めたスケジュールにしたがって、Vesperaが自動で天体導入・追尾して観測をするといったことにも対応する。

本体には接眼レンズがないため、観測している映像はVesperaと接続したスマートフォンおよびタブレット端末の画面上で確認する。観測した天体は、画像データ(JPEG、TIFF、FITS)で保存可能。Vesperaと接続できる端末の台数は1度に5台まで。

Vespera本体は電源ボタンを備えるのみで、その他の操作は基本的にアプリを介して行う。始動時は電源ボタンを押すだけで自動的にイニシャライズを行い、位置、方向、姿勢を認識。利用者によるアライメントやピント調節は不要としている。

口径は50mm。焦点距離は200mm。実視界は1.6×0.9度、3.2×1.8度(モザイクモード時)。倍率は30倍相当。1/2.8型のソニーIMX464センサーを搭載。解像度は1,920×1,080。保護等級はIP43。

電源は内蔵バッテリー。動作時間は約8時間だが、モバイルバッテリーにも対応する。

外形寸法は40×20×9cm(本体のみ)。本体質量は5kgで、世界最軽量のスマート天体観測ステーションを謳う。

「Vespera バックパック」は、Vespera本体と三脚、付属品などの収納に対応する。内部のコンパートメントは取り外しも可能。外形寸法は30×17×45cm。質量は1,050g。

Vespera バックパック

「Vespera 三脚」は、各脚が独立して伸縮するため起伏のある地形に設置する際に活用できる。脚を伸ばした状態での高さが最大30cm。同最大幅が最大30cm。脚を収納した状態での高さが18.5cm。質量は620g。3/8インチネジを備える。

Vespera 三脚。

サイトロンジャパンは、Vesperaの国内での取り扱いに先立ち、各種法規制へのアドバイスやアプリの日本語化などに関して、Vaonis社と共同でプロジェクトを進めてきたという。今後は、Vaonis社の日本総代理店およびアジア・オセアニア地区代理店として製品の供給、市場対応、アフターサービスなどに対応する。

本誌:宮本義朗