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「第15回 タムロン鉄道風景コンテスト」の審査結果が発表。入賞作品展はそごう大宮で11月8日から

株式会社タムロンは10月18日、「第15回 タムロン鉄道風景コンテスト 私の好きな鉄道風景ベストショット」の審査結果を発表した。

鉄道風景写真、鉄道のあるスナップ写真など、鉄道とその周辺を入れ込んだ写真であれば風景・スナップ問わず広く応募可能な写真コンテスト。第15回となる今回は、応募総作品数4,331点、応募のべ人数1,027人の中から、各部門の大賞を含む全92点の入賞作品が選出された。

なお、「入賞作品写真展」をそごう大宮店 3階特設会場にて開催する。開催期間は11月8日(火)~11月22日(火)。時間は10時00分~20時00分。入場料は無料。

一般の部 大賞(さいたま市長賞)

「ありがとう」木綱武雄氏(愛媛県・75歳)

選評(広田尚敬氏)
華やかで若々しい写真ですね。しかも大ベテランの作品とお見受けしました。シャッターチャンスと切り取り方、その両方が良いですね。作品として必要な部分だけを的確に選んでフレーミングしたうまさに感心します。列車のアテンダント(接客係)さんたち8人それぞれの動きの決定的瞬間をぴたりと押さえたシャッタータイミングが見事です。本当に珍しく楽しいシーンをよくぞ撮られたなあ、と思います。
この場に出会えたという運の良さもあると思いますが、写真も人生と同じで「運」も大切な要素なのです。運を拾えるか拾えないか、運に突き放されるか味方にできるか。それが分かれ道になりますが、この方は見事に運を掴まえて自分だけの作品に仕上げたところが素晴らしいと思いました。実力があるから幸運を活かせたということでしょうね。車両の色も鮮やかで、思わず「この列車に乗ってみたいなあ」と、そんな楽しい気持ちにさせてくれる写真です。

小・中・高校生の部 大賞(さいたま市教育委員会 教育長賞)

「一日の終わり」平岩和久氏(埼玉県・17歳)

選評(矢野直美氏)
今まで見てきた江の島を舞台にした応募写真の中で、とても新鮮なアングルです。しかも夕方の温かみのある美しい光で捉えられていて、まるで地中海の島でもあるかのような日本離れした風景をよくぞ切り取られたと思います。斜光で立体的に描写された街並みの中に、おなじみの江ノ電が通過する瞬間がしっかり写し止められていて感心します。シーズンオフなのか、穏やかな波打ち際にパラパラと点在する人々も良い添景になっていて、小さいけれどそれぞれがとても存在感があり重要な役割を果たしていると思います。
江ノ島側から250mmのレンズで狙い、望遠ならではの圧縮効果をとてもうまく活用した作品ですね。フレーミングについても、海をどのくらい入れれば良いか、江ノ電の車両をどこに入れるかなど、いろいろ迷われたことと思いますが、最終的に自分の感性で決定をされた結果が素晴らしい評価につながりました。

ユーモアフォト賞(さいたま商工会議所 会頭賞)

「父51歳」斎藤優吾氏(千葉県・13歳)

選評(矢野直美氏)
ユーモアフォトにまったく相応しい、見ただけで笑みがこぼれてしまう写真ですね。撮影テクニックについていえば、ピントはお父さんの顔でなく「D51」というロウソクに来ていますし、お父さんの頭のてっぺんは画面から切れています。部屋のドアも開けっ放しだったりして、いろんなところにスキがある写真です。でも、そんなことはどうでも良くなるほど、とにかく見る人を笑顔にしてシアワセにする写真であることは確かです。
お父さんの51歳にかけてD51という機関車の形をした誕生日のケーキなのでしょう。コメントには「僕作ったよ」とあり、このケーキを作者の優吾君が作ってプレゼントしたのか、お父さんが自ら作ったのかはわかりませんが、それを想像するのもとても楽しいことでした。またこんなケーキを作るほどなので、お二人ともきっと熱心な鉄道ファンに違いないでしょう。いずれにしても、この最上の笑顔がすべてを物語っているようです。

鉄道開業150年賞(タムロンとJR東日本大宮支社、JR東日本クロスステーションとのコラボレーション企画)

「迫力のかぼちゃ電車」智野拓海氏(新潟県・17歳)

「夕刻の輝き」高田真之介氏(神奈川県・24歳)

「厳冬の朝」小野寺智之氏(岩手県・47歳)

「覚醒」太田周作氏(長野県・56歳)

「春爛漫」土井貴憲氏(宮城県・34歳)

本誌:宮本義朗