ニュース

2021年の「タムロン鉄道風景Instagramコンテスト」結果発表。大賞は115系を独特な視点で撮影した作品に

株式会社タムロンは8月25日、「第3回 タムロン鉄道風景Instagramコンテスト 2021」の審査結果を発表した。

「タムロン鉄道風景Instagramコンテスト」は、Instagramを通じて鉄道写真の楽しさを広げる同社活動の一環として、2019年から始まったフォトコンテスト。鉄道を含む風景やスナップ作品が審査の対象となっていた。

第3回となる今回は7月1日~8月1日にかけて作品を募集。このほど、約9,000点の応募作の中から大賞1点、準大賞3点、入選15点、タムロン賞1点が選出。大賞は村田諒馬氏の115系を捉えた作品が獲得した。

審査にあたった鉄道写真家の遠藤真人氏は「昨年から誰にとっても思うようにならない出来事が増えました。いま葛藤を抱えている方も多いと思います。そのような時こそ誰かと心がふれあう、希望を感じる作品に出会いたいと願うものです。今回は膨大な作品の中から、心が通じあう瞬間を捉えた作品を中心に選出させていただきました」とコメント。集まった作品はハイレベルなものばかりだったとして、特に高い完成度の作品を選出していったと、審査を振り返っている。

大賞受賞作

審査員コメント(引用)

大賞は希少となった115系を面白い視点で捉えた作品です。数ある投稿の中でも、この作品は心に残る一枚でした。

最新の撮影機材は高性能化が進みました。いまの時代は誰でも気軽にシャッターを押せば、それなりに綺麗に写ります。ですが、このような写真は簡単に撮れません。なぜならば、画面一杯に被写体を捉えるには、それなりの経験と覚悟が必要だからです。

こちらの作品は寒さをテーマとして、電車をフレームアウトかつアウトフォーカスで表現しています。車両は停車中のようですが、作者は「瞬間」を意識してシャッターを押しています。緊張感と迫力を感じます。作者の意図が明確であり計算されています。たまたま撮れた作品とは対局のじっくりと狙いを定めるスナイパーのような強かさを感じる迫真の作品です。作者も寒い中でよくこの瞬間を捉えました。写真を仕上げるときに安直に寒色系を使っていない点も高評価です。大賞おめでとうございます。

本誌:宮澤孝周