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ショールーム&ギャラリーの「エプソンスクエア丸の内」がリニューアル。赤坂に大判プリンターの新拠点も

新拠点「エプソンクリエイティブスクエア赤坂」でテープカットを行った。左からセイコーエプソン株式会社 執行役員/プリンティングソリューションズ事業本部 副事業本部長 P商業・産業事業部長 五十嵐人志氏、エプソン販売株式会社 代表取締役社長 鈴村文徳氏、セイコーエプソン株式会社 代表取締役社長 小川恭範氏、セイコーエプソン株式会社 執行役員/プリンティングソリューションズ事業本部長 𠮷田潤吉氏、エプソン販売株式会社 取締役/特販営業本部長 吉崎宏典氏

エプソンは3月24日、同社製品のショールーム「EPSON SQUARE MARUNOUCHI(エプソンスクエア丸の内)」をリニューアルオープン。新たに商業・産業向け大判プリンターを扱う「EPSON CREATIVE SQUARE AKASAKA(エプソンクリエイティブスクエア赤坂)」もオープンした。

セイコーエプソン株式会社 代表取締役社長の小川恭範氏は、2022年5月に同社が創業80周年を迎えることに触れ、エプソンのDNAである「省・小・精の技術」を商品紹介と共に伝えていく拠点であると説明。丸の内と赤坂の2つのショールームを通じ、持続可能で心豊かな生活への取り組みを続けていくと話した。

セイコーエプソン株式会社 代表取締役社長の小川恭範氏

リニューアルした「エプソンスクエア丸の内」

エプソンスクエア丸の内(東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1階)。開館時間は11時〜17時。個人向けは日曜休館、法人向けは土・日・祝日休館

エプソン製品やサービスを体験できる施設として、2019年5月に新宿から丸の内に移転。当初は多くのプロダクトを並べた「総合カタログのような見え方」(エプソン販売 鈴村社長)だったというが、コロナ禍での環境変化への対応や、どのように未来に貢献できるかを伝える場としてリニューアルを決めた。

エプソン販売株式会社 代表取締役社長の鈴村文徳氏

テーマとして「環境」「DX」「共創」を掲げ、1階の入口付近にはエプソンが持つ様々な新技術を展示。エプソン単独ではない新たな共創の流れを作るために、館内でも特に来場者の目に留まりやすい場所でアピールする。

技術展示の一例、立体曲面印刷のデモ

また、エプソン販売の鈴村社長は、DXの新しい取り組みとして「エプサイトプレミアム」を挙げた。2月に始まったサブスクリプション形式の写真愛好家向けコンテンツで、商品を扱うだけでなく、体験価値を提供することを目指した取り組みだという。同施設内には引き続きギャラリー「エプサイト」があり、2階にはオンライン配信スタジオも設けた。

1階に設けられたフォトプリントコーナー。エプソン プロセレクションを中心に、写真高画質をアピールする製品が並ぶ
1階のエプサイトギャラリー。場所は以前と同じ
4月26日まで、ナショナル ジオグラフィック日本版の協力による「熱で揺らぐ地球 -気候変動と未来-」を開催
2階にはセミナールームやプライベートラボを設置
完全予約制で作品づくりができる「プライベートラボ」は2部屋
大判プリンターSC-P2005PS、インクジェットプリンターSC-PX1V/L、スキャナーGT-X980などを使える
オンライン配信向けのスタジオも2階に常設
1階にあるオフィス向け製品のコーナー。各種製品を実使用に近いスタイルで展示している
展示の一例。サーマルカメラで、インクジェット(中央左)とレーザー(中央右)方式のプリンターをそれぞれ観察。インクジェットが熱を使わずシンプルな工程であることをアピールする
レーザーとインクジェットの工程の違い
環境負荷を低減する製品の一例。乾式オフィス製紙機「PaperLab」
使用済み用紙から、ほぼ水を使わずに新たな紙を作る「ドライファイバーテクノロジー」を利用
紙を繊維になるまで分解するため、機密保持の点でもメリット。銀行などに導入されているという
1時間あたりA4サイズ720枚の紙を生産可能。A4/A3プリント用紙のほか、断裁機で加工してメモ用紙や名刺への利用も提案する

新拠点「エプソンクリエイティブスクエア赤坂」

エプソンクリエイティブスクエア赤坂(東京都港区赤坂2丁目5-1 S-GATE赤坂山王 1階)。営業時間は11時〜17時。土・日・祝日は休館

商業・産業向けの大判プリンターを紹介する施設。製品とともに様々な成果物(プリントしたもの)も展示し、来場者のクリエイティブを喚起することを目指して「クリエイティブスクエア」と名づけた。予約制で、製品デモンストレーションやプリンターの時間貸しなどを行う。

これまではエプソンスクエア丸の内の2階に大判プリンターのコーナーを設けていたが、スペースの都合で全てを紹介できていなかったため、今後のラインナップ強化も見据えて新たな拠点を用意したという。

レジンインク採用のサイン&ディスプレイ用大判プリンター「SC-R5050L」。用紙幅は64インチ
様々なアイテムのプリント例を展示している

基本コンセプトとして「環境配慮型」を強調する同施設の特徴として紹介されていたのは、内装材などに環境素材を多く使用している点と、壁紙をはじめ布やガラス、金属にもインクジェットプリントを施したものを使用している点。

天井のルーバーを木目調のプリントとするなど、アイデアを盛り込んだ空間
壁紙もプリントしたもの

また、デジタル技術の活用提案として、遠隔コミュニケーションを用いた遠隔コラボのデモも行われていた。赤坂から300km離れた長野県塩尻市にある同社のソリューションセンターとオンラインで繋ぎ、ひとつの空間で共同作業しているような共創の環境を提案する。

遠隔でのコミュニケーションや、デバイス監視も可能

エプソン販売株式会社 取締役/特販営業本部長の吉崎宏典氏は、この場所を通じて個人や学生、クリエイターに「デジタルデータを物に変える体験」を得て、プリンティングの楽しさ、価値、将来性を感じてほしいと話す。

エプソン販売株式会社 取締役/特販営業本部長の吉崎宏典氏
同社初のUVインク搭載プリンター「SureColor V7000」。対応サイズは2,500×1,250mm
店舗内のサイン用として、アクリルに印刷した例。80mmまでの厚さにプリントできるため、多用途だという
より大きく厚みのあるアクリル板にプリントした例
スケートボードのデッキテープに印刷した例
本誌:鈴木誠