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ニコン、デジタル天体望遠鏡の共同開発で仏ユニステラと契約。“光学技術と知見を生かす”

ユニステラ社のデジタル天体望遠鏡で観測しているイメージ

株式会社ニコンは7月8日、デジタル天体望遠鏡の開発・製造・販売を手がける仏Unistellar SAS(以下ユニステラ社)とデジタル天体望遠鏡に関する共同開発基本契約を締結したと発表した。

ニコンの光学技術と知見を生かし、著しい成長を遂げつつあるユニステラ社とともに、コンシューマー向け天体観測の分野で革新的なソリューションを提供していくという。

ユニステラ社は2015年設立。同社のデジタル天体望遠鏡はGPSで自らの位置を把握し、視野にある天体と内蔵の座標データベースを比較することでターゲットの天体を自動捕捉する「自律フィールド検出技術」を搭載。天体を探す手間を省くこの技術と、スマートデバイス上の専用アプリにより、専門知識を持たない人でも直感的かつ簡単に望遠鏡を操作でき、容易に天体観察が行えるという。アプリから観測データを共有することで、市民科学者として最先端の研究に貢献することも可能としている。

また、ユニステラ社のデジタル天体望遠鏡は、観測中に「エンハンストビジョン技術」に基づく処理を常に施し、夜空が明るく光害の大きい都市部などでも、銀河や星雲、彗星などを図鑑と同等の色彩で鮮やかに写し出すという。

ニコンは1920年に初めての天体望遠鏡を発売。小口径機種から天文台用の大型機、人工衛星に搭載する光学系などを手がけた。現在は天体望遠鏡の製造・販売は行っていないが、超広視野角の天体望遠鏡アイピース「NAV-HW」シリーズや、天体観測に最適という双眼鏡「WX」シリーズを販売している。

本誌:鈴木誠