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動画撮影と航行アシスト機能が充実した199gの小型ドローン「DJI Mini 2」

4K/30p記録に対応 静止画RAW撮影も

DJI JAPANは、小型ドローンの新製品「DJI Mini 2」(日本モデル)を11月12日に発売する。販売価格は税込5万9,400円。また、インテリジェント フライトバッテリーや予備のプロペラ1組が増量され、プロペラホルダーや2WAY充電ハブ、DJI 18W USB充電器、ショルダーバッグなどが追加された「DJI Mini 2 Fly More コンボ」が税込7万9,200円となっている。

本製品は、3軸(チルト、ロール、パン)ジンバルを搭載した小型ドローン「Mavic Mini」の後継機種。従来機と同様に、機体の標準重量(離陸重量)が199gと軽量であるほか、折りたたみ設計によって、コンパクトに持ち運べるのが特徴。

有効画素数12MPの1/2.3インチCMOSセンサーを搭載し、静止画/動画の撮影が可能。静止画の最大サイズは、4:3時に4,000×3,000ピクセル、16:9時に4,000×2,250ピクセルと、従来モデルとの変更はないが、動画解像度は2.7K/30fps(最大ビットレート:40Mbps)から4K/30fps(最大ビットレート:100Mbps)と引き上げられている。

また、静止画フォーマットとしてRAW(DNG)による記録が可能となり、JPEGとDNGの2種対応となった。動画フォーマットは、MP4(H.264/MPEG-4 AVC)で変更はない。このほか、4倍のズーム機能(2倍時はロスレスズーム)を新たに搭載している。

撮影モードとして、事前にプログラムされた飛行動作をしながら撮影する「クイックショット」(ドローニー、ヘリックス、ロケット、サークル、ブーメラン)、選択したパノラマモードで広い視野を撮影する「パノラマ」(スフィア、180°、広角)、異なる撮影シーンに合わせてさまざまな撮影が行える「写真モード」(AEB 3段階撮影、タイマー撮影)を備えている。

本体性能においては、従来モデルから簡便な操作性を引き継ぎつつも、モーターを強化したことで最大風圧抵抗が8m/s(スケール4)から10.5m/s(スケール5)に向上。風速29〜38km/hの風にも耐えられるとしている。さらに、伝送技術「OcuSync 2.0」を搭載したことで、最大伝送距離は従来モデルの2kmから3倍の6kmに大幅に改善されている。

最大飛行時間は18分(無風で4.6m/sの速度で飛行時に測定)と変更はない。ただし、計測条件は異なる(従来モデルでは、無風で12km/hの速度で飛行時に測定)。

本製品では、送信機を使わずスマートフォンとドローンを直接接続することが可能だとしている。本機がスマートフォンに近づくと、DJI Flyアプリが自動的に機体を認識して接続する。最大6MB/sの速度で写真や映像の同期が可能だという(海外モデルは20MB/s。国内では5.8GHz帯の周波数を使用できないため)。

また、同アプリの専用編集ツールでの編集に対応。自動的に画質が最適化されるという「最適化フォト」機能や、動画の一部分を切り出して編集やダウンロードを可能にするという「トリムダウンロード機能」も新たに搭載している。

さらに、GPSがドローンの位置を認識し、機体下部のビジョンセンサーが機体下の地面をマッピングして自動着陸をアシストするほか、空港など飛行が規制されているエリアにドローンが入らないようにするジオフェンス機能、自動でホームポイントまで帰還するRTH (Return-to-Home)機能、飛行できる最大飛行高度や距離を調整する飛行保護機能などを搭載している。

なお、航空法(平成27年9月に一部改正)において、ドローンやラジコン機等の無人航空機の飛行ルールが新たに導入されているが、本体重量とバッテリー重量の合計が200g未満であればその対象外となっている。従って、199g以下の機体に関しては運用の自由度が高く、より手軽に利用できるというメリットがある。ただし、空港や国の重要施設などでの飛行は認められていないほか、飛行自粛要請(オリンピック・パラリンピックの競技時など)により飛行できないこともあるので注意したい。

加えて、日本モデルと海外モデルに分かれているが、バッテリー容量(インテリジェント フライトバッテリー)が日本モデルは1,065mAhであるのに対し、海外モデルは2,250mAhと約2倍(最大飛行時間は31分:無風状態で4.7m/sで飛行中に測定)の差があるなど、細かな違いもある。安易に、パーツやバッテリーを取り寄せて装着することで重量オーバーとなる可能性もあるので、こちらも合わせて気を付けたい。

主な仕様

離陸重量

199g

外形寸法

折りたたんだ状態:138×81×58mm
展開時:159×203×56mm
展開時(プロペラあり):245×289×56mm

運用限界高度(海抜)

3,000m(プロペラガード装着で離陸時は1500m)

最大飛行時間

18分(無風で4.6m/sの速度で飛行時に測定)

最大風圧抵抗

8.5-10.5m/s(スケール5)

全球測位衛星システム(GNSS)

GPS+GLONASS+GALILEO

ホバリング精度範囲

垂直:±0.1m(ビジョンポジショニングあり)、±0.5m(GPSポジショニングあり)
水平:±0.3m(ビジョンポジショニングあり)、±1.5m(GPSポジショニングあり)

ジンバルの機械的可動範囲

チルト:-110度~35度
ロール:-35度~35度
パン:-20度~20度

ジンバルの操作可能範囲

チルト:-90度~0(デフォルト設定)、-90度~+20度(拡張)

最大制御速度(チルト)

100度/秒

撮像素子

有効画素数12MP 1/2.3インチCMOSセンサー

焦点距離

24mm(35mm判換算時)

絞り

F2.8

シャッター速度(電子シャッター)

4-1/8,000秒

最大静止画サイズ

4:3:4,000×3,000
16:9:4,000×2,250

動画解像度

4K:3,840×2,160 24/25/30fps
2.7K:2,720×1,530 24/25/30fps
FHD:1,920×1,080 24/25/30/48/50/60fps

最大動画ビットレート

100Mbps

ズーム範囲

4K:2倍
2.7K:3倍
FHD:4倍

静止画記録フォーマット

JPEG/DNG(RAW)

動画記録フォーマット

MP4(H.264/MPEG-4 AVC)

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。