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ミラーレス機と一眼レフ機の支持状況が二極化

国内およびアジア地域はミラーレスを支持 CIPAの4月統計より

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)が2020年4月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開している。

公開された統計のうち、「デジタルカメラ生産出荷実績」によれば、4月のデジタルカメラの総出荷台数は、レンズ交換式とレンズ一体型を合わせて計55万1,377台(前月比92.3%)。同じく総出荷台数の金額では207億5,544万6,000円(前月比95.4%)を記録。3月実績(総出荷台数:59万7,513台、金額:217億6,336万8,000円)から後退した。2020年1月からの実績でみると、3カ月連続で台数・金額ともに下降する結果となった。

このうち国内向けの出荷台数は、ミラーレスカメラが1万4,118台(金額:10億858万3,000円)、一眼レフカメラでは5,484台(金額:3億1,759万3,000円)を記録。レンズ一体型デジタルカメラでは、5万7,537台(金額:9億3,699万9,000円)となった。

機種別の台数でみていくと、国内向けの製品ではミラーレス機が一眼レフ機に対して2倍強の差をつけているのに対して、国外市場では一眼レフ機がミラーレス機に対して優位する状況となっている(ミラーレス機:11万2,501台、一眼レフ機:16万7,376台)。

国外市場における一眼レフ機の状況に目を移していくと、日本および中国以外のアジア地域向けではミラーレス機とほぼ同数(ミラーレス機:1万5,668台、一眼レフ機:1万5,491台)となっているものの、欧州およびアメリカでは、2倍またはそれに近似する数で差が開く結果となっている。両地域の内訳をみると、欧州向けはミラーレス機3万688台に対して一眼レフ機6万8,267台を記録し、アメリカではミラーレス機2万8,518台に対して一眼レフ機は4万8,573台となっている。

また、これ以外の地域でもミラーレス機2,747台に対して、一眼レフ機は6,986台と、一眼レフ機優勢の状況となっている。

以上の実績から、4月の状況は日本および中国、またこれ以外のアジア地域ではミラーレス機を支持する傾向がうかがわれる一方で、欧州・アメリカ、またそれ以外の地域における一眼レフ機への強い支持があることがうかがい知れる結果となっていることがわかる。

しかし一方で、台数・金額ともに引き続き下降線をたどる状況が続いている。欧州およびアメリカでは台数でこそ大きな差が見受けられるものの、金額でみた一眼レフ機とミラーレス機の差は、台数ほどの大きなひらきはない。この結果から4月は、日本および中国ではより単価の高いカメラを購入する動きがある一方で、欧州やアメリカでは、低廉なカメラを求める動きがあった、と考えることができそうだ。

本誌:宮澤孝周