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キヤノン、天体観測や夜間モニタリングを想定した超高感度フルサイズCMOS
モノクロ用とカラー・近赤外線用 撮影例の動画も
2020年10月19日 16:01
キヤノンは10月19日、感度を大幅に向上させた35mmフルサイズセンサー「LI3030SAM」(モノクロ)、「LI3030SAI」(カラー・近赤外線)を10月下旬に発売すると発表した。実際に同センサーで撮影した映像も公開されている。
いずれも一辺が19マイクロメートルの画素を採用し、肉眼では被写体の識別が困難な低照度環境下での撮像が可能という、35mmフルサイズ相当(約41.04×24.32mm)の超高感度CMOSセンサー。有効画素数は2,160×1,280。
モノクロ対応のLI3030SAMは、0.0005luxの環境でもモノクロ動画を撮像可能。近赤外線域において従来比約3倍の感度向上があるため、近赤外線域の光を含む天体観測や、夜間の動画撮影の視認性が向上するという。近赤外光は大気中のチリの影響を受けづらいため、可視光域では見られなかった銀河の中心部の星の輝きや、近赤外線光を中心の発する星の天体観測などへの活用が期待されるという。
カラーフィルターの一画素を近赤外線域用の画素として割り当てたLI3030SAIは、0.001luxの低照度環境下でも、1つのセンサーでカラー動画と近赤外線動画を同時に取得可能。近赤外域で約2.3倍の感度向上を実現しているという。このセンサーの活用で、撮像システムや検査装置などにおいてカメラの台数を抑えることができ、システム全体の小型化に貢献するという。また、夜間のモニタリング、食品工場の異物混入検査、生体内組織の可視化といった産業・医療分野に応用できるとしている。