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キヤノン、長崎県五島市と8K映像を制作。YouTubeでも公開
広ダイナミックレンジと高い色再現性を活用 使用機材リストも掲載
2020年10月23日 05:00
キヤノン株式会社は10月9日、長崎県五島市との協働により超高精細8K映像を制作したと発表した。10月10日に五島市役所で8Kディスプレイを用いた完成お披露目会を実施。YouTubeのキヤノン公式チャンネルでも視聴できる。
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する12の資産のうち、五島市に所在する「久賀島(ひさかじま)の集落」と「奈留島(なるしま)の江上集落(江上天主堂とその周辺)」を紹介する内容。撮影に使用したキヤノン8Kカメラのダイナミックレンジの広さと色再現性の高さを生かした映像としている。
2019年1月に長崎県庁で実施した「キヤノン技術展」の中にあった8Kソリューションの展示をきっかけに、世界遺産の映像制作を予定していた五島市とキヤノンによる8K映像の共同制作が実現したという。同社がこうして自治体と連携した映像を制作するのは、宮崎県と横浜市に続く3回目。
映像はそれぞれ日本語版・英語版を用意し、ダイジェスト版を含む計6本をYouTubeで公開。また、長崎県庁、長崎港、長崎空港、奈留ターミナル、久賀島観光交流拠点センター、日本橋長崎館などでフルHD/4Kの映像を当面の間放映するとしている。
撮影機材について(以下、キヤノン提供の情報)
8Kカメラ
8Kカメラは、扱うデータ量が増大し、従来の映像エンジンで処理することができないため、最先端のプログラマブルICを駆使し、膨大なデータを高速に処理するシステムを開発し、低ノイズで広いダイナミックレンジを持つ高精細な映像の撮影を可能にしています。
主な特徴は以下の通りです。なお、受注生産しています。
・自社開発のスーパー35mm相当サイズの8K CMOSセンサーを搭載
・8K解像度とHDR技術により、緻密で立体感のある映像の撮影が可能
・小型/軽量なカメラヘッドを実現したことで、機動性を活かした撮影が可能
8Kレンズ
8Kレンズは、4Kレンズの半分に収差を補正する必要があります。キヤノンの強みである光学技術を駆使して設計を全面的に見直した結果、極限までの収差補正を実現し、ズーム全域においてコントラストと解像力が高く、画面の中心から周辺に至るまでシャープな8K映像が得られるレンズを開発しました。
撮影に使用した主なレンズは以下の通りです。
・8Kレンズ「7×19.7N」
・EFシネマレンズ「CN-E30-300mm T2.95-3.7 L S」(2012年3月28日発売)
・EFシネマレンズ「CN-E14.5-60mm T2.6 L S」(2012年1月31日発売)、
・EFプライムレンズ群(市販)
視聴機材について
業務用55型8K/HDRリファレンスディスプレイ
8Kディスプレイは、人間の目の解像限界を超える超高精細な映像表現処理と独自の
バックライト制御により、黒の美しさを維持しつつ、明るい所までもしっかりと表現し、まるで本物を見ているような立体感や質感まで表示できるように開発しました。
主な特徴は以下の通りです。なお、受注生産しています。
・SMPTE ST2084やHybrid Log Gamma(HLG)に対応
・高輝度、高コントラスト、ITU-R BT.2020などの広色域表示を実現
・映像入力端子は、12G-SDI端子を4本備え、8K/60P映像の入力に対応
*2SI(2-Sample Interleave)とSQD(Square Division)双方に対応