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BenQ、ハードウェアキャリブレーション対応の32型4Kモニター

Adobe RGBを99%カバー シリーズ最上位機「SW321C」

ベンキュージャパン株式会社は、32型4K表示対応のカラーマネージメントモニター「SW321C」を6月上旬に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は税込25万円前後の見込み。

ハードウェアキャリブレーションに対応するカラーマネージメントモニター「SW」シリーズの最上位に位置づけられるモデル。正確な色表示を可能にするという同社独自の色再現技術AQCOLORが採用されている。同技術対応製品では、正確な色の再現に注力されており、画面全体の色や輝度の均一性などが確保・調整されているという。

測色器は別売となるが、X-Riteと共同で開発したキャリブレーションソフトウェア「Palette Master Element」(無償)が用意されている。これにより、簡単な操作でハードウェアキャリブレーションを完了できるとしている。

さらに、従来機では15~20分かかっていたキャリブレーション時間が、同モデルでは10分程度に短縮されているという。

液晶パネルの解像度は3,840×2,160ピクセル。10ビットに対応しており、約10億7,000万色の表示が可能となっている。

表示色域はAdobe RGBを99%カバーするほか、sRGBやHDTV向けのスタジオ規格「Rec.709」(色域はsRGBと同一、ガンマ値は異なる)のカバー率は100%となっている。このほか、デジタルシネマ規格「DCI-P3」やAppleのカラースペース「Display P3」は、最大95%をカバーするとしている。さらに製造時に1台1台調整がおこなわれており、製品には工場の校正レポートが付属する。

また、広ダイナミックレンジ、高輝度、高色域再現を特徴とする「HDR」においては、Blu-rayなどのパッケージメディアや動画配信などで使われる「HDR10」(PQ方式)と、4K・8K放送やデジタル一眼レフカメラなどが対応する「HLG」の両方式に対応する。

加えて、24Hzの出力に対応するグラフィックカードと組み合わせることで、1,080/24p再生にも対応する。PC側で表示解像度を1,080に設定するとリフレッシュレートで24Hzが選択でき、通常の60Hzリフレッシュレートによって生じるソース映像の歪みがなく、24pの映像を正しいフレームで表示可能。

この他、SWシリーズで搭載される「ムラ補正技術」や入力映像をモノクロでプレビューできる「モノクロモード」、Picture by Pictureで表示した2つの画像にそれぞれ別のカラーモード(Adobe RGBとsRGBなど)をを設定できる「GamutDuo」(ガンマデュオ)機能にも対応している。これによりAdobe RGBの編集中でもsRGBの表示状態をシミュレーションできるとしている。

またUIでは、Adobe RGB、sRGB、モノクロの各モードを簡単に切り替えられる「ホットキーパック G2」(OSDコントローラー)のデザインを一新した。

印刷結果をシミュレートできるPaper Color Syncも搭載。色域、プリンターモデル、および用紙の種類を選択するだけで、出力結果をディスプレイ上で確認できるとしている。

取り外し可能な遮光フードを同梱。VESAマウントに対応する。

主な仕様

パネル

32型 IPS

解像度

3,840×2,160(4K UHD)

視野角

178度(左右上下)

表示色

約10億7,000万色

輝度

250cd/平方m

応答速度

5ms

コントラスト比

1,000:1

入出力端子

HDMI(2.0)×2、DisplayPort(1.4)×1、USB 3.1 Hub(ダウン×2、アップ×1)、USB Type-C×1(PD 60W対応)、ヘッドフォンジャック×1

外形寸法(遮光フード除く)

747.2×502.25~652.25×223.61mm

重量(本体のみ)

11.8kg

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。