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PIXTA、ストックフォトから写真表現の2020年トレンドを予測

ネオシニアや脱・東京など 「フィルム調の写真」も定着

ピクスタ株式会社は12月18日、同社が運営する写真・イラスト・動画・音楽素材のマーケットプレイス「PIXTA」において、サイト内で検索されたキーワードと販売された写真・イラストを分析し、2020年の写真・イラストのトレンドを考察した「Creative Trend 2020」を発表した。

同社によると「Creative Trend」は、社会背景と写真・イラストのビジュアルトレンドをかけ合わせて分析・考察した「次年に求められるテーマとビジュアル表現」を指しているという。

具体的には、日本の社会トレンドとPIXTAを通じて日本で購入された写真・イラストの傾向、検索キーワードを分析。3年間の検索キーワードの変化上昇率、ビジュアル表現の移り変わりを元に、今後日本でより求められるであろうテーマとそのビジュアル表現について考察している。

2020年のクリエイティブトレンドとして選ばれたのは、「脱・東京」「ネオシニア」「グラデーション」「躍動する肉体」という4つのテーマ。そして、これらテーマに共通するのは「新時代」と「可能性」だという。

選出理由については、「超高齢化社会を迎えた日本において、高齢者の存在も、固定観念や既成概念にとらわれない自分らしさを貫いていける新時代。働き方改革や2025年の大阪万博などを背景に、テレワーク、リモートワーク、地方移住など、働き方も生き方もより自由度を増していく可能性。デジタル時代のネオン感を表しながら、移ろいゆく新時代の可能性の幅を広げていく色彩表現。そして2020年の象徴たる東京オリンピック・パラリンピック開催という時代背景を元に、人々の健康志向も踏まえて新しい時代を切り開いていく躍動的な人間の姿を描くもの」とした。

さらに、新たに「表現トレンド」として、人物表現(大胆な構図とコントラストを活かした奥行きある色彩)・静物表現(人の気配を感じる日常のひとコマを切り取るストーリー性)・風景表現(ドラマチックな演出と、絵画のような一枚絵としての完成度)の各分野の移り変わりも考察。

その他、近年非デジタルへの憧憬と懐古からフィルム表現が人気となっているが、一過性のブームではなく「フィルム調の写真」として、ジャンルが確立したことを示した。

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。