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キヤノンEOSシリーズの累計生産台数が1億台を達成

16年連続で世界シェアNo.1

キヤノン株式会社は10月9日、同社のレンズ交換式カメラ「EOS」シリーズのフィルム(銀塩)カメラとデジタルカメラを合わせた累計生産台数が、2019年9月20日に1億台を達成したと発表した。なお、1億台を達成した機種は、ミラーレスカメラ「EOS R」(2018年10月発売)だったという。

EOSとは、「Electro Optical System」の略称で、ギリシャ神話に登場する「曙の女神」の名でもある。同社では、多様なニーズに応える魅力的な製品ラインナップと表現の幅を広げるEFレンズの拡充に務めたことが、EOSシリーズの支持につながったとしている。

その結果、2003年から2018年までに16年連続でレンズ交換式デジタルカメラで世界シェアNo.1(台数シェア)を獲得したという。

EOSの初号機「EOS 650」は、世界初の電子マウント方式を採用した、新世代のAF一眼レフカメラとして1987年3月に誕生した。EOSは福島工場(当時)で生産を開始して以来、現在に至るまで大分キヤノンを中心に、台湾・宮崎・長崎などの生産拠点で生産を行っている。

その後、最高級機「EOS-1」(1989年)や、小型・軽量を実現した「EOS Kiss」(1993年)を発売するなど、快速・快適を実現する革新的な技術を搭載した製品を展開。プロからアマチュアまで、ユーザー層の裾野を広げてきたという。

デジタル一眼レフカメラの普及が本格化した2000年以降は、自社製のCMOSセンサーや映像エンジン「DIGIC」などの技術により、新たに「高画質」を基本コンセプトに加え、魅力ある製品を追求しているとしている。

小型・軽量性と低廉な価格によりレンズ交換式デジタルカメラの普及に大きく貢献したという「EOS Kiss Digital」(2003年)や、レンズ交換式デジタルカメラによる動画撮影の普及につながった「EOS 5D」シリーズの展開、2012年には映像技術をB to Bの分野にまで広げた映像制作機器「CINEMA EOS SYSTEM」の立ち上げによる映像制作業界への参入。さらに2018年の「EOS R システム」の発表など、新しい提案を続けているという。

なお、2011年には5,000万台、2014年には7,000万台、2015年には8,000万台、2017年には9,000万台の累計生産台数を達成していた。

EOS 累計生産台数の推移

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。