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「FUJIFILM X-E3」発表会レポート
レンズロードマップが更新 プロフォトやコメットのストロボ対応も
2017年9月7日 20:17
富士フイルムは9月7日、ミラーレスカメラの新製品「FUJIFILM X-E3」などの発表会を都内で開催した。各製品の詳細は記事末のリンクを参照されたい。
発表は、同社が1月に京都・二条城で開催した「FUJIKINA」の名前を冠した「FUJIKINA 2017 東京」として行われ、会場も100年以上の歴史がある洋館の「綱町三井倶楽部」を選ぶなど力の入ったものとなっていた。
冒頭では富士フイルム 代表取締役会長兼CEOの古森重隆氏が登壇。京都のFUJIKINAでも述べた「写真文化を守るのが当社の責務」との理念を改めて強調した。また、カメラ事業の売上は2016年比40%増と好調なことを明かし、「利益を開発費に回してさらに良いカメラを目指す」との意気込みを述べた。
ミニマリズムを追求したX-E3
発表会ではX-E3を「ミニマリズムを追求したカメラ」と説明。シンプルな操作性やしっかり握れるグリップ性などによりミニマルな撮影スタイルを実現するとした。
外観では背面から十字キーを無くしたことで、ボタンの無い広い空間を確保。グリップの形状も見直すことで、しっかり握れるようにした。また今回、使われることが少ないとの理由で内蔵ストロボが省略された。これも小形軽量化に寄与している。これに伴い、小型の外付けストロボが同梱されることになった。
今回、十字キーの代わりにタッチパネルで設定メニューを呼び出せる機能を新たに搭載した。タッチパネルを上下左右のいずれかにフリックすると、すぐにホワイトバランスやフィルムシミュレーションといった設定を呼び出せる。現れた設定項目はドラッグして選択可能。なお、フリックによる設定項目はカスタマイズすることも可能となっている。
十字キーは無くなったが、8方位のジョイスティックが搭載されており、こちらをタッチ操作と併用することもできる。物理ボタンに慣れているユーザーへの配慮とのことだ。
動体撮影時のAF性能も向上しており、追尾速度が従来の2倍になったほか、被写体サイズが従来の半分でも追えるようになった。加えて、追尾中の被写体が一時的に遮られても再度現れた際に捕捉しやすくなったとしている。
また、AF-Cトラッキングでは、これまで合焦精度の観点からコントラストAFを使っていたが、新たに、画像認識を併用する位相差AF方式となり、AF速度と合焦率が上がっているという。
なお、一部現行機種のAF性能をX-E3同等にできるファームウェアの予告もあった。
また、カメラをパソコンに繋いで高速に現像できるソフト「FUJIFILM X RAW STUDIO」も予告した。
新レンズ2本が加わる
レンズでは、GFX用の広角単焦点レンズ「GF45mmF2.8 R WR」とXシリーズ用の等倍マクロレンズ「XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro」を発表した。
GF45mmF2.8 R WRは、その画角から「中判カメラの価値をスナップにも活かしていくという想いで投入する」とスナップ撮影を強く意識したプレゼンテーションが行われていたが、コマーシャル分野などでも活躍するだろうと付け加えていた。「将来の1億画素を見越した設計」になっているとのこと。
XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroは、等倍のマクロ撮影が可能な。また、像面AFでの正確なピント合わせやミラーショックが無いことなど、ミラーレスカメラはマクロ撮影での優位性があるとした。
レンズのロードマップを更新
Xシリーズ用では2本のレンズが開発発表された。いずれも2018年の発売を予定している。
1つは「XF8-16mmF2.8 R LM WR」で、35mm判換算12-24mm相当の大口径超広角ズームレンズ。同社では「驚くような小形軽量レンズ」になるとアナウンスした。
もう1つは「XF200mmF2 R LM OIS WR」。35mm判換算305mm相当ながら開放F2と明るい大口径望遠レンズとなっている。Xシリーズがスポーツや報道で使われるケースが多くなり、そうした写真家から要望が多かったスペックという。飛行機や野鳥といった分野も想定している。
また、GFX用としては「GF250mmF4 R LM OIS WR」を2018年にリリースする。35mm判換算での焦点距離198mm相当の単焦点望遠レンズとなっている。また、同時期に1.4倍のテレコンバーター「GF1.4X TC WR」も投入する。