オリンパスZUIKOレンズ 写真家インタビュー
被写体は歩くほどに見つかる。だからなるべく身軽なスタイルで…中村貴史さん
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
2019年5月27日 14:32
オリンパスのZUIKOレンズを使う写真家に、作品表現でのポイントや使い勝手をお聞きしていく本企画。
今回は夜景や星景写真で知られる写真家の中村貴史さんに、写真を撮るとき気をつけていることや、撮影機材に重視することなどを聞きました。オリンパスの大口径ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」で撮影された作品も紹介します。
中村貴史
なかむら たかし
埼玉県生まれ。専門学校を卒業後フリーランスに。風景写真を中心に人物や料理など幅広く撮影。写真教室やセミナー講師、書籍の執筆などでも活動中。
現在、どのような写真のお仕事をされていますか?
各種セミナーや専門学校での写真講師やポートレートやファッションの撮影から料理、夕景・夜景などの風景写真と幅広い撮影の仕事をしています。個人作品としては星景写真、特に街中で撮る都市星景を中心に活動しています。
作品を撮り始めたきっかけは?
写真の世界は自分の目では見ることのできない情景・空間を見る事ができることに感動しました。そしてその情景を自分で探して自分の見てみたい瞬間に表現したいという思いからカメラを持って写真を撮り始めました。高校生の頃に天体望遠鏡で見た星空を自分の心情として表現できる事も撮る楽しみになっています。
デザイナーとして就職後に専門学校に入学されました。そこで得られた知見のうち、どんなところが役立っていますか?
同じ空間で学びあったクラスの仲間は同じテーマを撮影しても、同じ写真には出来上がらず写真に個性がにじみ出ていた。写真というものに正解を探すのではなくて、自分の個性を探す事が面白いという事。その事は今でも自分の表現を広げていく為の力であり感謝もしています。でも、今でも彼らの写真に負けたくないと思うライバル心が燃えてます。
よく撮影に行く地域・場所は?
埼玉県内や東京都内に撮影に行く事が多いです。日中に街を歩きながらスナップ撮影をしています。その時に夜に都市星景を撮影できそうな自分好みの風景の場所がないかを探しながら歩いているので、スナップを撮りながらロケハンをして撮影地の目星を付けてます。
スナップ撮影時はどんな服装・装備なのでしょうか。
スナップ撮影をする際に注意するのは、身軽である事です。歩いた分だけ被写体が見つけられると思っているので、カメラを手に持ったまま歩き続けてます。なので、カメラボディは1台、レンズは使うと決めた1本だけをボディに付けて交換レンズは持っていかないことも多いです。カメラバックも小さくして動き回れる事を重視しています。
被写体を探すときはどんなところに気をつけていますか?
被写体探しをする時には、テーマを決めて撮影をする事もありますが、基本的に「まずは自分の目が向いたものを撮る」ようにしています。具体的にこういうのを撮るって決めてしまうと、その他にいい被写体がもしあったとしても目に入らない可能性があるので決めすぎないようにしています。
交換レンズに求める性能とは?
撮りたいと思うものが撮れる事。当然の事なのかもしれませんが、撮影場面によってこの要求の内容が変わる気がします。
交換レンズは単焦点よりもズームレンズを普段は使用する事が多いですが、ズームレンズでは広角域と中間域・望遠域のどの部分を使っても高解像感であることが大事です。ズーム全域で高解像感を得る事ができるからこそ、撮影時に好きな焦点距離を選べると思います。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROの魅力について。
防塵防滴性能を持った標準ズームレンズになりますが、開放絞りがF2.8だが、開放からとてもシャープな写りをするので、スナップから夜景等の自然風景までどんな被写体にも対応できる。星景写真を撮る時にも、F2.8の明るい絞りを使えるのはとても便利です。
カメラボディに求める性能とは?
僕の撮影スタイルの場合スナップでは、カメラをバックに入れずに片手に持ったまま長時間歩く事が多いので、手に収まる大きさで常に持っていることのできる重さが欲しいです。また日中といえども室内や日陰など少し暗い場所での撮影もあるので、場所を気にしないで撮影のできるように手ぶれ補正は強く効く事が重要だと思っています。
OM-D E-M1 Mark IIで気に入っている機能は何ですか?
スナップ撮影や夕景・夜景撮影の際には、強力な手ブレ補正がとても便利です。毎回しっかりとカメラを構えて撮るだけの時間があればいいのですが、スナップになると一瞬の出来事の場合があります。その時には慌ててカメラを向けてとにかくシャッターを押す事を優先させる事もあるので、少しでも手ブレを防いでくれるという安心感が強いです。
また、背面液晶モニターを引き出してウエストレベルで撮影したり、地面スレスレでの撮影では、ホールディングも不安定になりがちです。そんなとき、カメラの手ブレ補正に頼って撮影をしています。
告知があればぜひ!
星空を撮影しに行くツアーなどでも講師を務めています。ぜひご参加ください。
デジタルカメラマガジンにも中村貴史さんが登場!
デジタルカメラマガジン2019年6月号の連載「日本列島 ZUIKO LENSの旅」で、中村貴史さんによるM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROの解説が掲載されています。
本連載は47人の写真家が47の都道府県を巡るというもの。今回、中村さんは埼玉県の秩父地域を巡っています。ぜひ、あわせてご覧ください。
制作協力:オリンパス株式会社