日中シンクロで花写真

元気なヒマワリには青空がお似合い!

今回は、カメラの内蔵ストロボを使って日中シンクロに挑戦してみましょう。日中シンクロで撮影した花は、天気のいい日は青空をバックにした生き生きとした鮮やかなイメージに、天気の悪い日はぬめっとしたダークなイメージにと、通常撮影とは違う印象的な表情を見せてくれます。

使用するカメラはストロボが使用できればどんな機種でも構いません。私はコンパクトデジタルカメラの「OLYMPUS STYLUS XZ-10」を使いました。その訳は……もう少し後でお話しましょう!

日中シンクロで撮影するときは逆光、もしくは斜光の状態で、花の下から太陽を見上げるようにして撮影しましょう。そうすることで、空の青さはそのままに、陰になってしまった花もストロボの光が鮮やかに描き出してくれます。

ISO感度は最低感度でOKです。画角は広角側で被写体の花に近寄れば広がりを感じられるスケールの大きな画になりますし、望遠側で近寄れば背景が大きくボケて遠近感のある画になります。画作りのモードはビビッドモードか風景モードでちょっとカラフルにしたほうがおもしろくなります。

広角側で被写体に寄ると空間の広がりが描写されます
画作りはビビッドか風景モードにして見た目よりもちょっとカラフルにしましょう!

ストロボは強制発光で

最大のポイントのストロボですが、強制発光にしましょう。オートモードでは明るい被写体を撮影しているとカメラに判断されて光らないことがあります(※ストロボの光は思っているよりも強いものです。周りで撮影している人の迷惑にならないようにしましょう)。

また、ここからは少し応用編になるのですが、ストロボの光が強すぎて被写体が白トビしてしまうことがあります。そんなときは、絞り優先モードに設定して、絞りを絞ってみてください。F8くらいまで絞ればそれほど激しい白トビは起こさないでしょう。

ストロボの光が強すぎて肝心の花が白トビしてしまいました
絞りを絞って光量を抑えれば白トビを回避できます

ここで、今回私が「OLYMPUS STYLUS XZ-10」を使用した理由なのですが、この機種はストロボの光量の調節ができるのです。フル光量では白トビしてしまう場合は、1/16か1/64にするとちょうどいい光量になりました。

OLYMPUS STYLUS XZ-10
ストロボの光量の調節ができる機種なら白トビ回避も簡単です!

このような機能が付いていればもちろん便利なのですが、どの機種にも付いている訳ではありませんので、通常は絞りで光量の調節をしてみてください。

これからの季節、バラやコスモスなど背の高い花が咲いてきますので、ぜひ挑戦してみてください!

望遠側を使えばコンパクトデジタルカメラでも背景を大きくぼかせることができます
わざと太陽の少し画面内に入れると臨場感が出ます
ストロボの生の光を当てることによって花の艶かしさが強調されました
日中シンクロは青空も白い雲も鮮やかに描き出してくれます
撮影機材:OLYMPUS STYLUS XZ-10
(2013/9/30)
(みさき なな)東京都出身。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWebでのカメラレビュー、写真講座の講師として活動中。「Pentax+」でも記事を連載。 Twitter:@cosaruruブログ:http://misakinana.com