ズームレンズで効果線遊び

ズームリングを回しながら撮影してみましょう

今回は、マンガの集中線のような流れる光と像を写真に入れてみましょう。ズームリングを回しながら撮影すると、そうした効果が得られます。

必要な機材はシャッタースピードを調節できるボディとズームリングを回せるズームレンズです。私はニコンのD600とキットレンズの「AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR」を使用しました。

ズームリングをクイッと回しながら撮影するとこんな風に光が流れて面白い画を撮ることができます

まずはカメラ側の設定です。

昼間の屋外でしたら感度はISO100〜200程度となるべく低くします。夜間は普通に撮影してブレない程度まで上げてください。

そして、シャッタースピード優先モードに。シャッタースピードは1/2秒くらいにして撮ってみて、もっと像を流したいときは遅く、逆に全体の画をシャキッとさせたいときは速くしてみてください。

1/3秒で撮影。上の写真は1/1.6秒とシャッタースピードを遅くしたのでこちらの写真よりも光芒が長くなっています

ズームリングの回し方ですが、「ズームイン」でも「ズームアウト」のどちらでも構いません。私のオススメは、望遠側でピントを合わせてからピントリングを回してレンズを引く「ズームアウト」です。

なぜかというと、ズームリングを回している途中で、シャッターが切れるためです(シャッタースピードが遅いので)。先に望遠側で構図を決めるズームアウトの方が、画面いっぱいの迫力ある画が撮りやすいのです。

ズームリングを一気に回しきると真っ直ぐな像の流れが得られます

ズームリングはできる限り一気に回しきりましょう。何段階にも分けて回したり引っ掛かったりしてしまうと、シャープな効果線が得られません。

引っ掛かりがあるとこのようにナミナミの光芒になってしまいます

ライブビューで撮影するよりも、ファインダーを覗きながら、カメラボディをオデコで押さえるように撮影するとカメラ自体の揺れをかなり押さえられます。

三脚があればもちろん使用しても構いませんが、私としてはこの撮影法はズームレンズでお散歩撮影している時にひょいっと試してもらいたいお遊び撮影なので、そんなにシビアな撮影をすることもないかな〜なんて思います(笑)。

でも、まっすぐな光芒を得るために躍起になってレンズを回し続ける……そんなチャレンジ要素満載の遊びを、ぜひ楽しんでみてください!

光の看板は一番試しやすい被写体です。シャッタースピードを変えて何パターンも撮ってみてください!
街中の静物もリングを回して撮ればなんだかドラマティックに(笑)
ミラーボールなんて効果線遊びにもってこいの被写体です
壁に埋め込まれている球体……に、吸い込まれそう!
イルミネーションがキレイなこれからの時期にオススメの遊びです!

撮影機材:ニコンD600、AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

(2013/11/9)
(みさき なな)東京都出身。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWebでのカメラレビュー、写真講座の講師として活動中。「Pentax+」でも記事を連載。 Twitter:@cosaruruブログ:http://misakinana.com