カメラバカにつける薬 in デジカメ Watch

本心から来る叫びを聞き分けているか?

これまでのお話

かつて初心者だった私はキヤノン EOS Kiss X2を使っていたとき、ニッパチ通しというズームがよいと聞きました。どうもタムロンのA09(SP AF28-75mm F/2.8 XR Di)がよいとの噂でしたがAPS-C用で同じタムロンのA16(SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II)を買いました。当時は5万円ほどだったと思います。カメラを始め、もうちょっと何かいい写真が撮りたいと思ったとき、5万円はまだ勇気があれば出せる金額です。タムロンはそういうニーズを捉えたメーカーです。

ここで「単焦点がいいよ、20万円だよ」と言われたら「じゃあ新しいスマホとノートPCでも買うか……」と思っていたかも知れません。安さもまた、重要なスペックです。

タムロンさんが「うちのは安いが弱くはない!」と思われたのかは分かりませんが強烈な1本をお借りすることができました。A058(35-150mm F/2-2.8 Di III VXD)です。

少し使ってみて、80mmから130mmくらいの卓越した素晴らしい描写に驚きました。レンズを替えずに35mmまで行き来できるのは大変便利。35mmも素晴らしい描写です。35mmと85mmと135mmを1本ずつ持つことや、レンズ交換を待ってもらえることができるのなら、それでもいいでしょう。シャッターチャンスの代わりに異次元の写りが得られます。

このレンズは欲しいなと思ってすぐに価格を調べましたがちょっとお高い。まあでもスペックを考えると安い……ただ全く弱くない、とても強いレンズでした。反省しております。

買うか買わないかというと、正直いろいろあって「買えない」のが事実なのですが、心に残っているレンズです。と、患者の言うようにお借りしたレンズをべた褒めすることになってしまいましたが確かに不満はないのですから仕方ありません。これでたとえば花とか飛行機を撮ると不満が残ったりするでしょう。私はそんなことしませんけど。

2010年に漫画サークル「ていこくらんち」をはじめる。2015年に出した同人誌「カメラバカにつける薬」が、あれやこれやでデジカメ Watchで連載させていただくまでになりました。カメラだけじゃなく、その向こう側にいる人たちの想いを伝えていければいいなと思っています。