山岸伸の「写真のキモチ」
第93回:第2回 山岸伸×KOMEHYO 2025.撮影会 in 名古屋 大須商店街
撮影会のパワーアップと改善
2025年9月30日 11:21
昨年に続き、KOMEHYOとのコラボで第2回となる名古屋 大須商店街での撮影会が開催された。今回の撮影会はどのようにパワーアップし改善されたのでしょうか。(聞き手・文:近井沙妃)
きちん撮影してもらえることを念頭に
文章をそう長く書かなくても写真の楽しさは伝わると思う。第2回となる「山岸伸×KOMEHYO 2025.撮影会 in 名古屋 大須商店街」は参加募集開始早々に定員オーバーとなり嬉しい悲鳴。前回は1時間半の撮影の後にお昼休憩を挟み講評会という流れだったが、今回は撮影を2部制にしており、よりしっかり撮影できる構成に。
2部通しで参加された人は1部と2部の間の小休憩で自分の撮影した写真を見返す時間があるし、衣装も変わるので撮影の幅が広がる。
撮影会当日、私とアシスタントの近井は車で東京から名古屋のKOMEHYO本店へ向かう。午前3時に出発し、迂闊にも私は寝てしまって起きたら名古屋だった。朝食にサービスエリアのマクドナルドで食べ、少し時間を潰してから時間通り指定された駐車場に入った。
迎えに出て来てくれたKOMEHYOのスタッフと周辺をぐるりとロケハン。事前に許可を取ってくださった場所を見たり、街中にある神社へ撮影会の成功も兼ねて立ち寄って赤い鳥居の下で雰囲気を見たり。今度来るときはこの銭湯も許可を貰って撮影ができたらいいなと思いながら、KOMEHYOのカメラ売り場へ。
同時に名古屋を拠点とし若きリーダーになっている写真家のHASEOさんが私の大好きな桃を差し入れてくれた。お互い忙しくゆっくり話す時間は無く帰られたが、いつも気を遣ってくれる優しい後輩に感謝。
カメラ売り場でモデルの加藤凪海さんとの顔合わせと撮影会の説明をし、午前の部スタート。若干天気が悪くいつ雨が降ってくるかわからない。その辺のことをしっかりと話してKOMEHYOのスタッフの案内で撮影許可が取れているところを中心に撮影へ。歩いていていい場所が見つかればその場で撮影交渉をする。
金曜の午前中なので人通りは少なめ。そこを狙って撮影会を企画しているわけだが、そういう部分も含め大人数を集めるというよりも参加者にきちんと撮影してもらえることを念頭に置いている。
スタッフはKOMEHYOの法被を着て日本語だけでなく英語と中国語で表記してあるプラカードを持ち、周囲や通行人の方に撮影会を実施していることや、イベント参加者以外は撮影禁止であることがわかるように進行してくれている。事故の防止や参加者が道路を占領し通行の妨げにならないように適宜声かけも。
どんな天気でも
小休憩を挟み、午後はなんと雨が降ってきた。流石にこの雨では外に出れない、だがKOMEHYOの店内がある。商品を綺麗に陳列し見せているお店なだけあってモデルさんを立たせてもなかなか綺麗なライティングになり、探せばいくらでも撮影ポイントがあった。
午後からは人通りも少し増え撮りづらい場面もあったが参加者も自分たちが置かれている撮影状況を把握し、私の言ったことをきちんと守ってくれて和気藹々といい撮影会ができた。
モデルを交えての講評会
各部定員は12名だが今回は7名もの方が通し参加。撮影が終わりKOMEHYOの会議室で今回はモデルの凪海ちゃんを含めて講評会をすることができた。その場で彼女が写真を一緒に見てSNSなどに写真を掲載していいかを彼女に判断してもらいながら私が講評をする形に。撮影会の中でここまで完結できるといいよね。
講評と言っても皆さん本当に約束事をちゃんと守り、今日はモデル撮影会であるということを頭の中に入れて自分が何を撮るかを明確に撮ってくれているので本当に素晴らしい上がりだった。天気が悪くても撮れていることを私が撮った写真を少し参考までに何点かお見せする。
参加者の1人である清水さん。昔から名古屋と言えば清水さんというくらい私がカメラ誌で審査をしていた頃にポートレート部門でいつも上位に入っていた彼が来てくれて、「年を取って今はたくさんの人と撮影会をする機会も少ないのでちょっとどう撮ったらいいかわからない」と言いつつ、いい写真を講評会で何枚か見せてくれたのでちょっと紹介させていただこう。清水さん、ごめんね。雨の中とてもいい写真が撮れていると思う。またちょっと動きがあって若い頃の清水さんを思わせるような作品もあり私は本当に嬉しい。
私も楽しく記念写真を撮って名古屋を後にしたが帰りはさらに大雨で車を運転するのが怖いくらいだった。力いっぱいハンドルを握り続けていたせいか、翌日は体がボロボロ。だけど2回目の撮影会は前回よりもパワーアップと同時にスタッフの皆さんも初回の反省を踏まえて改善をしてくださりとても撮影会がやりやすくなった。
第3回に望む展開
冒頭で多くを語らないと言ったのは写真を見ていただければ楽しかった、上手くいったということが伝わると思うから。来年また第3回を開催できれば嬉しいが、次回からは選んだ皆さんの力作をKOMEHYOのカメラ売り場に飾っていただけるような展開ができたらいいなと思う。