写真家の引き出し

機内持ち込み最軽量級ながら安心の筐体感

マンフロット「PL ローラーバッグ SWITCH55」(井上六郎)

一見してカメラバッグに見えない「PL ローラーバッグ SWITCH55」。背負い時の肩掛けストラップが内蔵されているようにも見えないスマートなシルエット。

スナップや風景、ポートレート、スポーツ、鉄道、航空機など各分野で活躍されている写真家に普段の撮影で活躍しているアイテムや便利グッズをご紹介いただきました。写真家たちは撮影機材のほかにどのようなアイテムを駆使して撮影を進めているのでしょうか。便利ポイントや具体的な活用方法も教えていただきました。(編集部)

愛用品

デジタル一眼ブームは周辺用品も拡充させ、バッグ類は以前に増して数多くのモデルから時々の状況に合せたものを選べるようになった。これまでに数十種のバッグを使ってきたが、今現在はいわゆるキャリーバッグであるローラータイプでありながらも時にリュックになるマンフロットの「PL ローラーバッグ SWITCH55」がお気に入りだ。

サイドハンドル、TSAロック、赤のマンフロットアクセントが外観の特徴であり、有効な機能になっている「PL ローラーバッグ SWITCH55」。

愛用している理由

カメラ2~3台、レンズ3~4本、ストロボ1~2個、それにPCといった撮影アイテムをひとつのバッグにまとめ、それらの機材を安全確実に、そして身体に極力負担の出ない方法で運びたい、との欲求にはそこそこの大きさのローラータイプ一択になる。そして出張族には航空機内にも持ち込みできる大きさであることも必須。しかも、その出先で長い階段や悪路に出くわすことを想像すると一時的にもリュックとして背負えるバッグが欲しくなる。

出張時の基本形である、付属のパーティションを整理してミラーレスαを3台(バッテリーグリップ付き)、16-35mmF2.8、24-70mmF2.8、70-200mmF2.8、200-600mmF5.6-6.3、×1.4テレコンバーター、バッテリー充電器2個を格納させた状態。

便利ポイント

いくつかのブランドでこの背負えるローラータイプはラインナップされているが、機内持ち込みサイズで一番軽量なのが、この「PL ローラーバッグ SWITCH55」。例えば、時に機材を満載した「SWITCH55」をやむを得ず預け荷物とした場合に、超過料金につながる総重量を考えると、バッグ自体が少しでも軽い方が良い、とうことも選んだ理由になっている。

「軽い」とはいえ、一般的なキャリーバッグと違って安心してカメラ機材を入れられる「筐体」感もあり、カメラバッグでは常識的なクッション材のパーティションはメインの赤2本が横方向への型崩れを防ぎ、安定した収納ができている。

「PL ローラーバッグ SWITCH55」の肩掛けストラップを出して背負ったところ。機内持ち込みサイズとあって、身長171cmの私の場合は腰上で収まる全長だ。

活用例

マジックテープで着く付属のパーティションをすべて取り外し、ケースに入れたDJIのジンバルRS2、ドローンAir2Sと付属品(透明ケース)を格納させた状態。通常のキャリーバッグ仕様となるが、外側部の造りがしっかりしているために安心感がある。

メイン室の蓋にあるPC用ポケットは17インチまで対応。さらにその外側ポケットに収納される肩掛けストラップを取り出した。側面には三脚を括りつけるベルトも装備されている。

井上六郎

(いのうえろくろう)1971年東京生まれ。写真家アシスタント、出版社のカメラマンを経てフリーランスに。自転車レース、ツール・ド・フランスの写真集「マイヨ・ジョーヌ」を講談社から、航空機・ボーイング747型機の写真集「747 ジャンボジェット 最後の日々」を文林堂から上梓。「今すぐ使えるかんたん 飛行機撮影ハンドブック」を技術評論社より刊行中。日本写真家協会、日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。