岡嶋和幸の「あとで買う」

1,053点目:日本の写真の歴史をもっと知りたい

平凡社『日本写真史 写真雑誌 1874‐1985』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

平凡社『日本写真史 写真雑誌 1874‐1985』

写真家400名以上、雑誌80冊以上を網羅した日本写真史の決定版で、金子隆一、戸田昌子、アイヴァン・ヴァルタニアンが編著という1冊。A4で500ページというボリュームで、販売価格は2万2,000円です。

日本の写真雑誌文化を中心に、黎明期の1874年から1985年までの作品がたっぷり掲載されています。見応え、読み応えがありそうです。基本的に時系列で章立てされていますが、私がリアルタイムで目にしていた作品群は最後の第8章だけ。海外の写真史に比べて知識が乏しいので、本書は貴重な教科書になりそうです。

第2章で登場する安井仲治(1903〜1942)の回顧展『生誕120年 安井仲治』が4月14日まで東京ステーションギャラリーで開催されていますが、これまであまり関心がなかった戦前の写真家についても知るきっかけとなるでしょう。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。