岡嶋和幸の「あとで買う」

941点目:良い写真とは何かを考えるきっかけになる本

幡野広志『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

幡野広志『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』

「上手い写真」と「良い写真」は違うなどと言われたりしますが、私もそう思います。どちらが良いのか、目指すのかの判断は人それぞれですし、それを決めるのは撮影者ではなく鑑賞者だったりします。そのあたりが写真の難しいところでもあり、面白いところでもあると考えます。

本書は良い写真について考えるきっかけ、自分なりの答えを見つけるヒントになる1冊です。第2章の「写真を撮る理由」、第3章の「写真の勉強」、第5章の「写真の誤解」は特に興味深い内容となっています。

ヘタだけれど良い写真があること、良い写真とは何かを知り、良い写真を撮るためのいろいろな提案などが盛り込まれています。

販売価格は1,650円で、Kindle版もあります。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。