岡嶋和幸の「あとで買う」

649点目:アナログ写真技法で使用するデジタルネガ

イルフォード「プラチナクローム デジタルフィルム140」

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

イルフォード「プラチナクローム デジタルフィルム140」

279点目でサイアノタイプのペーパーキットを取り上げたとき、ダイヤミックの「ピクトリコプロ・デジタルネガフィルムTPS100」も一緒に紹介しましたが、今回も同様の製品です。

イルフォードブランドのアナログモノクロ製品の日本での取り扱いは、これまではサイバーグラフィックスが行っていましたが、今年3月からデジタルインクジェット製品を取り扱うジェットグラフに統合されます。そのニュースがきっかけでウェブサイトを見ていたところ、イルフォードの「プラチナクローム」シリーズの存在を知りました。

「プラチナクローム」シリーズには人間国宝の岩野市兵衛さんによる越前和紙のほか、プラチナプリント制作に必要な薬品や道具などがラインアップされています。ちなみに2011年発売の書籍『旅とカメラと私 -RICOH GR/GXRと旅する写真家たちのフォトエッセイ-』(インプレス刊)には、岩野市兵衛さんを取材させていただいたときの写真と文章が掲載されています。

デジタルカメラで撮影した画像などを、インクジェットプリンターを使って大きなネガフィルムを作成します。プラチナプリントはちょっとハードルが高いので、私はゼラチンシルバープリントを使用しています。「プラチナクローム デジタルフィルム140」の8×10インチ(25枚入)の販売価格は5,300円前後です。

ほかに10×12インチ、11×14インチ、16×20インチ、A4、A3ノビがラインアップと、ダイヤミックの「ピクトリコプロ・デジタルネガフィルムTPS100」よりもサイズが豊富です。「シルバークローム」シリーズの印画紙はまだ使ったことがないので、機会があれば「プラチナクローム デジタルフィルム140」との組み合わせで作品を作ってみたいと思います。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。