岡嶋和幸の「あとで買う」

542点目:若いころに通ったあの国の今を考える

野町和嘉『シベリア収容所1992』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムが沢山あります。この連載では、フォトライフに関連するアイテムを中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

野町和嘉『シベリア収容所1992』

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本日発売の写真集です。写真家の野町和嘉さんは土門拳賞、日本写真協会年度賞、講談社出版文化賞、東川賞国内作家賞、紫綬褒章など多数受賞されていて、現在は日本写真家協会の会長でもあります。

この作品はソ連崩壊直後の1992年に撮影された、シベリア収容所のドキュメンタリーです。販売価格は3,300円です。私も1993年から毎年、作品制作のためにモスクワを訪れていたので、同じ時期に同じロシアで撮影された作品ということでとても興味があります。取材許可を取るのはもちろん、撮影のほうもすごく大変だったのではないでしょうか。

本日が最終日(15時まで)なのですが、同名の写真展が東京・西新宿のOM SYSTEM GALLERY(旧オリンパスギャラリー)で開催されています。ところがずっと自宅に缶詰で仕事に追われていたので、オリジナルプリントで鑑賞することは残念ながら叶いません。でもこの写真集が手元にあれば、パソコン作業の合間などで1点1点じっくり味わいながら刺激を受けることができるでしょう。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。