クルマとカメラ、車中泊

夏! といえばバイクじゃないですか!

今回の1枚
ここは千葉県旭市。東総広域農道です。千葉県は結構な稲作地帯なんですがなかでもここは、ひろ〜い圃場が広がっていて抜けのいい景色が楽しめるんです。まるで北海道のような。どこまでもまっすぐな道が田んぼの緑を貫くような風景に出会えます。緑の絨毯の中をゆったり泳ぐように車が行き交うさまは、ひととき現実と日差しの熱さを忘れさせてくれます。星も綺麗に見えるところですが、夏は天の川ですね。そして未明に霧が発生することも多いのですが、視界を埋め尽くす濃い夜霧の上に天の川が揺蕩う姿は、それはもう幻想的。僕は何度もそんな天の川を楽しみましたが、なかなか写真じゃ伝わらないんですよねえ。ぜひ、1度見に来てみてください

夏になるとバイクが欲しくなりません? 吹き抜ける風、広い視界、どこまでも続く道。僕は昨夏バイクを買い替えました。中古ですけどね、走行1万kmほどの良い個体があったのでポチッと。写真の通りビッグスクーターです。

スズキ ジェンマ250。ロー&ロングで着座位置が低く、独特な走行感が心地いい

それまでは600ccのスポーツバイクだったんですが、キックスターターのみだったんでちょっと乗る機会が減ってたんです。膝を痛めてしまいましてね。ならお気楽スクーターがいいかと。かつてのビッグスクーターブームはとうの昔で、昨今は125ccクラスのスクーターが人気のようですが、やはり高速に乗れた方がいいよね。125ccを超えるオートバイであれば高速に乗れますから。そして250cc未満であれば車検はありません。

ということで、250ccクラスのバイクって自由を手に入れつつ維持費も安いお得なクラスだと思うんです。燃費もいいですよ〜。リッター30km近く走ってくれます。ということで購入したのはスズキ ジェンマ250。知らない人も多いんじゃないかな、2008年から2012年までの販売期間で、4,000台ほどしか売れなかった立派な不人気車種です

不人気だったのはビッグスクーターブームが終焉しつつあったこと、ビッグスクーターでありながら収納が少なかったこと、当時も賛否両論分かれた個性的なデザイン。そんな理由ではないかと僕は思うわけです。ですが、このデザイン好きなんですよ。

実はですね、このバイク、ジェンマ250を買うの2回目なんです(笑)。1回目は2009年だったかな。この時もデザインだけ見て買いました。 賛成派にはアキラバイクなどと呼ばれていましたねえ。否定派というか、バイク仲間には走るお⚪︎などと言われましたけどね。でも、走行性能も素晴らしいんですよ。フラットな乗り心地と高い直進性を持ちながら、コーナリング性能も高いのです。まあ、サーキットは無理にしても峠道では楽しいバイクなのです。

アシンメトリックなフロントマスクで個性的なデザインは好みが分かれた
リア周りはマッシブでありながらフロント周りから綺麗に流れるようなデザイン。リア周りも左右非対称なデザイン
車名のGemmaとはイタリア語で宝石の意。デザイナーの思いが車名になったのかな
メーターはアナログ4連。70~80年代の4輪車のようだ。
夜になるとさらに魅力的。薄紫色の透過照明と赤く光る針が華やかだ
アーバンコミューターと分類されているが自然の中でもよく映える。バイクが持つ自由さというイメージがそう感じさせるのだろう
ロー&ロングなフォルムがよくわかるカット。三脚をリアシートにくくり付けているのだが、デザイン優先で収納が少ないのが玉にキズ

ところで、二輪・四輪界隈には恐ろしい感染症があるんだそうです。その名も鈴菌感染症。鈴菌に感染するとスズキのバイクや車しか買えなくなってしまうそうです。しかも他人にうつすまで治らないとか! 恐ろしいですね〜(笑)

僕は全く自覚症状がなかったんですが、ふと気づいてみれば重度の鈴菌感染者のようです。車はエブリイ、バイクはジェンマだもんなあ。自覚症状がないっていうのはさらにヤバイですね。思い起こしてみればこれまで買ったスズキのバイクは5台。スズキの車は3台。ああ、もう末期と言えますね。

2輪も4輪も作っているメーカーといえば、ホンダ、スズキ、BMWが主なところですが、バイクも車もBMWだった時期があります。鈴菌に倣えばそれはBM菌といえるでしょうか。BM菌も幸せではあったけれど、鈴菌の方がリーズナブルでより幸せですってのが個人的感想であります。どちらも個性的で高性能というイメージです。スズキの名車を挙げてみると2輪ではカタナ、隼。4輪ではジムニー、スイフトスポーツ。こんなところがよく知られているのではないでしょうか。ああ、やっぱりスズキ、いいですよね!

さて、まとめに入りますけどね、バイクや車に乗ることって場所の束縛から離れ、自由を1つ手に入れることだと思うんです。浪漫的に言えば、いつでもどこかに旅立っていけるという思いでしょうか。バイクは車以上にそんな夢を感じさせてくれるし、実用面で言えば車では入りにくい狭い道にも入っていけます。そしてそこで気持ちのいい風景と出会えるわけです。まず免許が必要ではありますが、いかがでしょう、バイク生活を始めてみませんか? そうそうバイクにもETCが存在します。思い立ったらすぐ高速に乗って海へ、山へ、なんて魅力的じゃないですか?

1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社マガジンハウス入社。社員カメラマンを経て2010年にフリーランスとなる。主に風景・星景を撮影し、星空の撮影は中学校で天文部に入部した頃からのライフワーク。ニコンカレッジで、星景写真講座を担当。星空に興味ある方は「こちら」へ