クルマとカメラ、車中泊
マジックアーム活用術! 車内タブレット環境から天体撮影までサポート
2025年5月24日 12:00
Amazonを開いてみたらおすすめ商品にリアシートでモニターを保持するホルダーが出てきたんだけど、確かに車内でモニターやタブレットを使う機会は増えてきたよね。撮影画像の確認やら動画の視聴に始まり、タブレットのアプリでコントロールする機材も増えてきたし、オンライン会議にも便利だ。と、いろいろ使う機会が多いし、僕的にはすでに車内必須アクセサリーなんだよなあ、と改めて思いました。
さて、僕が使っているのはカーアクセサリーとしてのホルダーじゃなくて、マジックアームなどと呼ばれる代物。本来はスタンドや三脚などに動画撮影用の小型モニターを設置するものなのだけれど、それとタブレットホルダーを組み合わせて使ってます。
まずはホルダー部分ですが、タブレットを対角線で支えるもの。多くの製品は短辺方向で咥え込むのが多いんだけど、ちょっと力がかかるとタブレットがずれたり外れたりしちゃう。いろいろ買って見てたどり着いたのがこれって感じです。裏側に1/4インチのネジ穴があるので、三脚につけるのも簡単。またタブレットにカバーが付いていても安定して保持してくれます。ちょっと大きめかなあ、と思うことはあるんだけど、保持の安定性は抜群です。
そして今回の本題、アームの部分はこれ。Cineroid CA30という製品です。元々はこのアームは動画撮影用のビューファインダーや小型モニターを三脚やカメラにつけるためのものなんですよね。なので、車内で使うだけでなく使い回しが効いて便利なんです。10年ほど前に購入して使ってますが壊れる部分もなく、ひとつふたつ持っておくと車中泊にも撮影にも便利なものです。ですが例によって残念ながら本製品はディスコン。
そこで代替えはこの2つ。SmallRigとNeewerで同様の製品を販売していました。どちらも今や信頼に足るブランドですね。後述するクランプもセットになってるのでお得です。
もう1つ必要になるのがクランプですが、僕はSmallRigのものを使っています。本来はバラ売りでしょうけど、上述のとおりアームとセットで買うのが面倒がなくて良いでしょう。このクランプのおかげでどこにでも取り付けができるようになるわけですが、取り付ける部分の強度を確認してくださいね。アーム先端にはタブレットなど1kgくらいの重量はかかりますから、根本になる取り付け部には10kg、20kgの力がかかってくることになりますからね。
そして組み合わせるとこんな感じになります。このクランプ側を車内のどこかに取り付ければよいわけです。
アームの方もいくつあっても困るものではないので、SmallRigを買ってみました。外観のちょっとした違いはあるものの、基本は一緒。固定のキモとなるのは真ん中の関節部分なので、バラしてみたらちょっとした違いがありました。
Cineroidは関節を止めるのに緩みどめワッシャを使ってますが、SmallRigではローゼットっていうのかな、放射状に溝が刻まれていて噛み合わさるタイプです。無段階にはならないけどこの方が固定力アップ!ってことですね。実用上も特に不便は感じませんでした。固定するノブの方の構造は同じ。だけど、ボールベアリングの大きさがSmallRigでは若干大きくなってるようです。ただコピーしたのではなくてよく改良されてるんですね。
ところでウェブやAmazonでマジックアームと検索するとこれと類似のSmallRigやNeewerが出てくるわけですが、写真業界的にマジックアームというと、マンフロットなんですが、これの商品名がマジックアームなんですよね。セロテープみたいに一般名称化しちゃったパターンでしょうか。その辺詳しい方がいたら教えてくださいませ。
ともあれ、マンフロットのマジックアームもいくつか使っています。こちらはより大型で本来はスタジオ用の大型ストロボをポールなどに設置するときに使うものです。超ローアングルの雲台としても便利につかえますよ。タブレットホルダーとしてはオーバースペックですが、これもひとつ持っているとさまざま役立つ機材だったりします。
前置きが長くなっちゃいましたけど、僕の使い方は前席のヘッドレストの根元にクランプを噛ませています。これで、後席でくつろぎながらiPadの画面を見られるわけです。位置の調整も自由自在なので、情報収集、オンライン会議など用途に合わせて簡単に画面の位置と傾きを調整できます。
さて、以上のように便利に使っているんですが、気になる点もあります。ヘッドレストのバーにクランプをつけるわけですが、クランプを締めるバーは突起物になるんですよね。これが首の近くにあるのは、ちょっと危ないかな、と思っています。事故などのとき、こうした突起物がどんな振る舞いをするかは予想できません。なので、運転中は外しておきましょう。
そのほか、GoProをつけたりしています。動画やタイムラプスで撮影しっぱなしにしておけば、旅の記録やロケハンにもなって良いですよ。当然、前述の突起部が気になるので、1名乗車時に限り、助手席に取り付けてます。まあ、ほとんど1名乗車ですけどねw
タブレットをどこにでも取り付けられるようになったところでおまけを1つ。星空シミュレーションアプリとデジタルカメラで天体観測してみませんか? まずはこちらをダウンロードしてみてください。無料です。
Stellarium Mobileは世界中のプロ・アマ天文家が共同で作ったオープンソースの星空シミュレーションソフトウェア、Stellariumのモバイル版です。基本機能は無料、撮影画角表示など一部の機能は有償です。まずは基本の無料版で十分です。
Stellarium Mobileをインストールしたら、写真のように三脚にカメラとタブレットを取り付けます。タブレットは雲台側につけてください。レンズはなるべく明るい単焦点。F2より明るいレンズが望ましいです。
焦点距離は24〜35mmがおすすめです。慣れてきたら、85mmや135mmをつけてみると、より楽しめます。
カメラもなるべく新しいものを使ってください。最新のミラーレスカメラなら、本当によく見えます。ISO感度を最高感度にしたら、適度に明るくなるようにシャッター速度を遅くしてゆきます。1/15秒から1/4秒くらいが良いでしょう。見え方が暗いようなら動画モードも試してみてください。動画モードの方がライブビューがよく見える場合があります。
カメラの設定ができたら、Stellarium Mobileを起動し、夜空に向けるとStellarium Mobileの表示もカメラの動きに追随してゆきます。まずはカメラのライブビューとStellarium Mobileの表示が一致するように明るい星を見ながらタブレットの向きを調整してください。それができたらあとは好きな方向にカメラを向ければ、今見えている星や星座が何なのか知ることができるってわけです。手軽で楽しい天体観測なんですね〜。
実際にどう見えてるか、ライブビューモニターを写した写真が2点。使ったカメラはニコンZ8、レンズはLAOWA Argus FF II 35mm F0.95をF1.4に絞って使っています。
本来天体観測の初歩には7〜8倍くらいの双眼鏡がおすすめです。
ですが、写真、カメラ好きが今持ってる機材で簡単に実現できる天体観測なのですよ。もちろんこのまま撮影もできますから、ひとしきり星空を楽しんだら、星景撮影に移行すればいいんです。
それから特定の天文現象を撮影する際には位置を割り出すのにも重宝します。
あ、ここまでタブレット前提で話進めてきちゃったけど、この天体観測ならスマホでもOKです。こういうスマホ取付用のホルダーがあるとよいです。
動画でもまとめてみましたが、冬の星空案内なので今夜見える星と違っているでしょう。使い方だけ見てくださいね。こちらはiPhoneでやってます。