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ケンコー「ヌオヴァ・アオスタ」

~サテン素材が目新しい大型ショルダーバッグ

 ケンコーのバッグブランドとして、比較的カジュアルな位置付けで知られるのが「アオスタ」(aosta)だ。そのアオスタが今秋からリニューアルし、中上級ユーザー向けラインの「ヌオヴァ・アオスタ」(Nuova aosta)という高級シリーズが加わった。

 リュックタイプ(AOC-NU1-RK06)、ショルダータイプ(AOC-NU1-SH06)、メッセンジャータイプ(AOC-NU1-ME04)、ズームバッグ(AOC-NU1-ZB04)の4製品から選択可能。今回はそのうちのひとつ、ショルダータイプを試してみた。価格は3万5,490円。

 アオスタといえばコットン地のバッグをはじめ、どちらかといえばカジュアルな製品のイメージが強い。しかし、本製品はワンフラップで横手が長く、前面と側面には大きなポケット……と、どこかトラディショナルなフォルムを特徴とする。横幅は520mmあり、ショルダータイプとしては最大クラスの製品といえる。

 特徴は、艶のあるポリエステルサテンを表地のメインマテリアルに採用したことだろう。コットンともバリスティックナイロンとも違う、カメラバックらしかぬサラサラとした触感が新鮮だ。高級感はなかなかのもので、ラフなアウトファッションだけでなく、トラディショナルだったりフォーマルな方向のファッションでも、大きな違和感がないのではと感じる。

 サテン生地は見た目だけでなく、実用性も高い。というのも(服にもよるが)滑りが良いので、バッグを体の前後に回しやすい。機材を取り出しやすいのはもちろん、人通りが多いところでの取り回しの良さにつながるのがわかった。実際にイベントなど施設内での取材で疲れが少なかったのは、このバッグの滑りの良さからくるものだと思う。

 ただしサテン生地はキズが目立ちやすいのと、防水処理が施されていないことに注意。雨がキツいときは、底面から防水カバーを引き出して使うことになる。ちなみに、ショルダーベルトの表地もサテンだが、裏地はゴム引きの滑りにくい素材になっている。




 さすがに収納力は抜群。メインコンパートメントとポケットを駆使すると、キヤノンの中級ボディ2台、EF 16-35m F2.8 L USM、EF 24-70mm F2.8 L USM、EF 70-200mm F2.8 L IS USM、EF 100mm F2.8 Macro USMが楽々入る。さらに、おまけで持っていったニコンD40と35mm単焦点レンズ、リコーGX200、メモリーカードケース、500mmペットボトル、ニンテンドーDS Liteなどを収納できた。大型ショルダーバッグの収納力の高さには、改めて驚かされる。リアキャップをつけたEF 70-200mm F2.8 L IS USMが縦方向にぴったり入るなど、個人的な使い勝手としては上々な結果になった。

 これだけ入れても普通に持ち上げられる上、上記のような人通りの多い環境でも辛さを感じることなく行動できたのは、横長フォルムによるバランスの良さと、ショルダーベルトの造りの良さが効いているのかもしれない。ちないみに横方向の寸法の長さは、超望遠レンズを含む様々な機材の収納にも繋がりそうだ。


EF 24-70mm F2.8 L USMをつけたEOS 40Dがこんな方向で入る

サイドポケットの内部。落としそうなものはメッシュポケットを利用


巨大な前面ポケットも特徴。かなりの小物類が収納できる フラップの内側にもメッシュポケットが。この手のポケットとしては面積が広い


各ジッパーにはタブを装備。手探りでも開閉しやすい

幅広のショルダーベルトもサテン地。パッドの厚みも十分ある さすが裏は滑りにくい素材。ずれにくくて疲れも少ない

付属する仕切りの一例。窪みにボディに装着したままのレンズを置く 上下2層を意識した仕切りが多いのも特徴だ

 これだけ大きいと標準ズームレンズ類は縦方向に2段で収納できるわけで、そのためか2段での収納を意識した中仕切りが付属しているのもポイント。また最近のトレンドに習い、レンズ装着状態での収納を考慮した中仕切りも装備している。中仕切りにもう少しコシが欲しいところだが、仕切り間の大きさを少し超える機材を無理に突っ込んだとしても、ある程度変形して対応してくれるのは、慌ただしい撮影のときに助かる。

 前面フラップは3方向をジッパーで留めるタイプ。個人的には開閉が素早い「ワンフラップで留め具1つ」が好みだが、本製品は横方向に長いことから、バッグの安定度そのものは高い。私の使い方だが、よほど激しく動かない限り、忙しいときはジッパーを開けっ放しでも問題なさそうだ。


底面の防水カバーを引き出してかぶせたところ
 ポケットは両側面と前面に装備。すべてジッパー付きだ。両側面のポケットは、移動中でも開け閉めしやすい。しかも最外縁部にはペットボトルホルダーも装備。伸縮性が高く、色んなものを突っ込んでおけそうだ。

 前面ポケットはこのバックの全長を生かした巨大なもので、ここだけである程度の小物類は整理できると思う。また、ポケットを含めたすべてのジッパーにはタブがついており、使いやすさをアシストしている。

 個人的には久しぶりに、ノートパソコン非対応の横長タイプを試用したわけだが、全体的な収納力や、肩にかけた状態での安定性は良好。機材の出し入れもしやすく、改めて横長フォルムの良さを実感した。実勢価格から考えると造りも良く、ケンコーがバッグビジネス強化の筆頭として挙げるのも理解できる。この手のバッグを必要としているなら、ぜひ候補に入れてほしい。



URL
  ケンコー
  http://www.kenko-tokina.co.jp/
  製品情報
  http://www.kenko-tokina.co.jp/ecatalog/bag/4961607874387.html

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ケンコー、中上級者向けカメラバッグ「アオスタ」の新製品(2008/08/11)


( 本誌:折本幸治 )
2008/11/17 12:44
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