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デルキンデバイセズ「Image Router」
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~最大8連装のCFリーダー
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- 掲載した結果はテストした個体によるもので、市場におけるすべての製品の性能を保証するものではありません。
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Image Router
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記録メディアの大容量化と転送速度の高速化、ならびに低価格化によって、RAWでの撮影も一般的になってきたと思う。しかし、大量のRAW画像をPCに転送するのは面倒だし、時間もかかる。特に容量いっぱいに撮影したCFを複数枚処理しなければならないときなど、時間がかかるうえにカードリーダーへの抜き差しもあり、作業はより煩雑になる。
今回紹介するのは、ファイルの移動や管理にかかる負担を軽減してくれるかもしれない一品、米デルキンデバイセズの「Image Router」だ。
Image Routerは、4枚同時にPCへ転送できるCFリーダー。UDMAに対応しており、読み込み速度は29MB/秒、書き込み速度は27MB/秒を実現するとしている。また、もう1台のImage Routerと連結可能で、合計8スロットまで増設できる。その場合は、読み込み速度が27MB/秒、書き込み速度が25MB/秒に落ちるとのこと。CF変換アダプターを使用すれば、SDHC/SDメモリーカードの使用も可能。
外観は、両端にそれぞれオスとメスのUSBコネクタを配し、どちらからでも連結できるようになっている。付属するUSB延長コードはオス-メス型なので、購入したまま使用する場合はオス型のコネクタにコードを接続する形になる。PCのUSBコネクタに直接接続することもできるが、安定しないのでお勧めしない。
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オス型USBコネクタ。通常はこちら側からケーブルを介してPCに接続する
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逆側にはメス型コネクタを配置。Image Router同士の連結が考慮された設計になっている
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使用には、電源ケーブル接続とPCへのUSB接続の両方が必要
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CFを挿入すると青いLEDが点灯する
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Image Router単体での販売(1万7,800円)のほか、バックアップソフト「Backupandburn」を同梱するセット(2万7,800円)も販売されている。今回は、バッファローのカードリーダー「BSCRA38U2」との速度比較とあわせて、Backupburnを使用したデータ転送についても触れたいと思う。
転送速度のテストに使用したCFは、UDMA対応のDelkin Device製「CompactFlash Pro UDMA 305X」(8GB)。
テスト環境は、Windows XP Professionai SP3、Core 2 Quad Q9450@2.66GHz、メモリ4GB、SATA500GBのデスクトップPC。
●HDBENCH Ver3.30を用いたベンチマーク結果の比較
以下では「HDBENCH Ver3.30」のDISK計測でリーダーごとに5回計測し、ReadとWriteの各転送量(KB/秒)の平均を記載した。
比較対象として、以前に当コーナーで扱ったバッファローの「BSCRA38U2」を使用し、Image RouterにはCFを1枚だけ挿して計測を行なった。
| Image Router | BSCRA38U2 (Turbo USB OFF) | BSCRA38U2 (TurboUSB ON) |
Read | 24763.8 | 23484.0 | 29593.0 |
Write | 22035.4 | 19139.8 | 23093.4 |
結果を見ると、Image Routerの転送速度は読み込みで約24MB/秒、書き込みで約22MB/秒と、Turbo USB ONのBSCRA38U2には及ばないものの、Turbo USB OFFに対しては若干上回る結果となった。
■ Backupandburnを使ってみる
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Backupandburn Image Router Edition
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Backupandburnは、簡単にいえばファイルコピーとリネームを同時にやってくれるソフトだ。基本設定やコピー処理設定はウィザード形式なので、特に迷うことなく設定を進められると思う。英語版なのでとっつきにくいと思うかもしれないが、国内総代理店のHSGiによる日本語の解説がついた説明書が同梱されている。
インストール後初めて起動すると、「マスターイメージフォルダ」としてファイルのコピー先を指定する画面が表示される。基本的にはここで設定したフォルダに、毎回ファイルがコピーされる。デフォルト設定はCドライブの直下なので、できれば別のドライブに指定しておきたいところだ。
次に、メイン画面の上部にある「Setting」ボタンを押して、設定を行なう。
「General」タブでは、コピーするRAWファイルの拡張子を指定するほか、コピー元のドライブと一時ファイルの保存場所を設定できる。データをCD/DVDにもバックアップしたいときもここで主な設定を行なう。
本ソフトでは、データのコピーを「イベント」と呼び、イベントごとにフォルダを作成して管理する。「Master Copy」タブでは、主にイベントの基本設定を行なう。具体的には、コピー先におけるフォルダやファイルの命名規則や、RAWファイルの拡張子ごとの振り分け先を指定できる。
「Archive Copies」タブは、マスターイメージフォルダ以外の場所にもコピーを作成する場合に設定する。
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初期設定画面。マスターイメージフォルダとは別に、2つまで予備のコピー先を設定できる
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コピー元ドライブは複数指定可能。一時ファイルの場所は任意で指定する
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イベントは日付で自動分類されるが、自分でイベント名を定義することも可能だ
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イベントの命名規則を細かく設定する
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RAWの拡張子別にフォルダを分類できる
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CDやDVDに焼く場合は、レーベルを設定することも可能
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設定が終わったら、「Import」ボタンを押して、コピーするファイルを指定する。ここでは、コピー元のドライブを改めて指定できるほか、イベントフォルダの作成やコピー先でのファイル名などを設定できる。設定が完了したら、「Begin」を押してコピー開始。Image Routerに挿さっている全てのCFを一括してコピーするので、途中で転送が途切れることはない。
また、エクスプローラで転送にかかった時間を計測したみたところ7分21秒だったが、Backupandburnでの転送時間は、エクスプローラで転送した場合と比べて15秒程度速かった。
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コピーする画像をプレビューして選べるほか、並べ替えも行なえる
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イベント名はファイル名も兼ねる
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ファイル名とナンバリングを変更できる
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確認画面が表示された後、コピーが始まる。ゲージが右端まで来たらコピー完了
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ここまでがコピーまでの基本的な流れだ。使用感として、設定からコピーまで、思っていたよりはずっとスムーズにいったという印象がある。設定は見た目よりもシンプルだし、コピー時に画像をプレビューできるというのも、画像を扱うソフトとして当たり前ではあるが助かる。ツボを押さえたつくりになっていると思う。使い慣れればかなり便利なツールとして活用できそうだ。
ただ、1回のコピー単位で処理を行なっているので、コピー後にきめ細かく分類したいという人には、二度手間になってしまう可能性があるし、既に自分なりのやり方が確立している人には不要かもしれない。必要に応じて使い分けるべきだろう。
ちなみにこのBackupandburn、「Image Router Edition」とあるが、別にImage Router専用というわけではなく、ほかのカードリーダーでも使用できる。試しにBSCRA38U2でも使用してみたのだが、Image Routerの時と同じく、エクスプローラを使用した場合に比べてコピー速度が平均15秒程度高速化した。
■ まとめ
速度比較の結果だけを見ればBSCRA38U2を下回っているものの、CFを抜き差ししやすいデザインや、Image Router同士を連結して最大で8個のCFを挿しておけるという機能面を見ると、開発者が新しいことに挑戦している意欲が見えて、大変面白い製品だと思う。
Image Routerの真価が発揮されるのは、やはりBackupburnとセットで使用したときだろう。4枚(最大8枚)のCFを一括してコピーできるのはBackupandburnの機能だし、コピー終了のたびにドライブにアクセスする手間がない上、リネームまでしてくれるというのは確かに便利だ。しかし、Buckupandburnが付属するのとしないのとでは価格に1万円の差が出る。Image Routerを購入する際には、ソフトの機能と自分の作業スタイルを照らし合わせて、よく考えて決めたいところだ。
■ URL
HSGi
http://hsgear.ocnk.net/
製品情報
http://hsgear.ocnk.net/page/82
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( 本誌:関根慎一 )
2008/09/17 00:14
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