「Location Plus A1」は、ソニーの「GPS-CS1KSP」、「GPS-CS1K」と同じように、デジカメで撮影した画像に、撮影時の位置情報を書き込める製品だ。実勢価格1万2,800円前後と、カメラとGPSの連携をとる製品としては安価で、小型軽量かつ手軽なうえ、Exif 2.1対応のデジカメ(対応していないデジカメを探すほうが大変だろう)ならなんでも使える。パーソナルユースにもってこいのGPSグッズといえる。
使い方はGPS-CS1シリーズとほぼ同様。まず、撮影行に、Location Plus A1を携帯する。Location Plus A1は、電源を入れてあって、GPSの信号を受け取れるなら、GPSからの情報をもとに、“いつ”“どこ”にいたかを本体内のフラッシュメモリに記録し続ける。電源は単3乾電池1本で、アルカリ乾電池なら約8時間動作する。
撮影行から帰ったら、PCに画像を転送し、さらにLocation Plus A1をUSBでPCに接続する。Location Plus A1に付属するソフトウェアを起動すると、画像のExifから撮影日時の情報を読み、Location Plus A1が記録した軌跡情報をもとに、撮影日時に対応する位置情報をExifに書き加えてくれる。ちなみに付属ソフトの対応OSはWindows XP/Vista(32bit)。Mac OSには対応していないのもGPS-CS1シリーズと同様だ。
外観は卵をひきのばしたような形状で、操作部材は電源スイッチだけ。電源のON/OFF、GPSの受信状態やメモリの残量はLEDの点灯、点滅で表示される。あとはPCに接続するためのUSBポートと、ストラップホールがあるだけだ。GPS-CS1シリーズは三角柱形状でデジタルグッズらしい演出が施された外観を与えられているが、やはり電源スイッチとLED、USBポートしかついていない。ハードウェア構成も、GPS-CS1シリーズとLocation Plus A1はよく似ている。
だがLocation Plus A1には、GPS-CS1シリーズにない特徴が2つある。1つは、電源スイッチを押しながらPCに接続すると、バスパワーのGPSレシーバーとして機能するということ。PCにNMEA-0183(version3.01)フォーマットに対応した地図ソフトがインストールされていれば、地図上に現在位置や軌跡をリアルタイムで表示できる。撮影行の途中で道に迷っても、地図ソフト入りのノートPCを持っていれば、現在地を確認できるわけだ。
車にPCとLocation Plus A1を乗せて簡易ナビゲーションツールにしてみた
Location Plus A1はこのようにダッシュボードに放置。これで十分な感度があった
対応地図ソフト(Super Mapple)に表示したところ。水色の矢印が現在位置、その上の線が軌跡
もう1つは、本体内のフラッシュメモリに、付属ソフトが格納されていること。Location Plus A1もGPS-CS1シリーズも、軌跡情報を溜め込むためのフラッシュメモリを本体に搭載しているのだが、Location Plus A1のものは容量60MBと、GPS-CS1シリーズの2倍近くという余裕がある。ここにソフトウェアのインストールファイルが入っており、Location Plus A1を接続するだけでPCに付属ソフトをインストールできる。GPS-CS1シリーズの付属ソフトをインストールするには、別途CD-ROMドライブが必要になるが、Location Plus A1は単体ですぐに使えるようになるわけで、最近流行のミニノートPCなどでは便利な仕様だ。
Location Plus A1の付属品一式。ソフトウェアはLocation Plus A1の中に入っているので、ソフトウェアCD-ROMがない
Location Plus A1のメモリの中をWindowsから見たところ。付属ソフトのインストーラーが入っている
付属ソフトで位置情報の取得間隔(ログデータ間隔)を変更できる
このほかにも、GPS-CS1では位置情報の取得間隔が15秒間隔に固定されているのに対し、Location Plus A1は1~30秒の間で、5秒刻みで設定できるという違いもある。
こうしてみると、ユーザーの設定範囲や応用範囲はLocation Plus A1のほうが広そうだ。GPS-CS1は「デジカメ画像にGPSを埋め込むための機器」として作られているのに対し、Location Plus A1は「デジカメと一緒に使うこともできるGPSロガー」という作りになっているともいえる。位置情報をデジカメ画像以外にも広く応用したい、というユーザーにはLocation Plus A1のほうが使い勝手がよさそうだ。