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ジャングル「PhotoBase Pro」

~高速表示が特徴の画像管理ソフト

PhotoBase Proの基本画面「メディアブラウザ」
 大容量記録メディアの価格がこなれてきたこともあって、4GBオーバーのメディアを所有している人も少なくないだろう。すると、1,000万画素を超えるデジカメで高解像度設定にしても、1枚のメディアで数百枚の写真が撮れることになる。結果として、写真のデキに関係なく大量の写真データがPCを埋め尽くしていくことになる。画像管理はシッカリと行っていきたい。

 そんなわけで今回オススメするのは、ジャングルが発売するArcSoft製の画像管理ソフト「PhotoBase Pro」。対応OSはWindows 2000/XP/Vista、Mac OS 10.3~10.5。標準価格は、9,240円(乗り換えユーザー向けの特別優待版は7,140円)。補正やRAW現像よりも、高速表示や管理機能に主眼をおいたソフトという。

 基本的な画像管理は、フォルダごとに行なう。エクスプローラ風のツリー表示で、フォルダ名を元にした管理方法だ。オーソドックスな手法なので、戸惑わずにアクセスできるハズだ。絞り込みも可能で、日付やレーティング、ファイルサイズなどの条件で該当する画像を探すことができる。たとえば、レーティングで、「星3つと星4つの画像のみを表示」のような使い方もできる。もちろん、「特定の撮影日で星3つ」のような検索も可能だ。

 PhotoBase Proのウリは、画像データの「表示」、「検索」、「管理」の高速性だ。特にこだわっているのが、表示の高速性。膨大な写真データのサムネイル画像をすばやく表示できる。たとえば、2,000枚の写真データ(JPEG形式)を表示させてもサクサクと表示された。スクロールも滑らかだ(試用マシンはCPU:Q9300 2.5GHz、メモリ:3GB OS:XP Home)。同じ条件でWindows XP標準のサムネイル表示(表示→縮小版)だと多少もたつくので、高速表示の性能に偽りなしといったところだろう。


5段階のレーティングも可能。設定しておけば、絞り込みが容易に行なえる

メディアブラウザ内で写真を1枚表示の状態にしたところ。画面下部のアイコンから主な各種機能を呼び出せる

関連付けをしたファイルをOS上でクリックすると、「PhotoBase Pro Photo Viewer」が起動する。左下のアイコンでメディアブラウザに移動できる

PhotoBase Pro Photo Viewerでは、Exifデータの表示も可能だ


「1:1アイコン」をクリックすると等倍表示が可能となる

 ちなみにサムネイル表示の速さに定評のある画像閲覧ソフト「フォトのつばさ」を同じ条件で比べてみたところ、体感速度でそんなに差はなく感じた。表示条件を変えて、オリンパスのRAWデータ(ORF)を500枚用意して表示させてみると、フォトのつばさは約3秒程度で表示。PhotoBase Proではほぼ待ち時間がない。

 といっても、これは表示方法の違いが大きい。フォトのつばさは1~500枚を一度順序良く表示させ、読み込みが終わると次回以降の読み込みロスがなくなる。一方のPhotoBase Proは、表示フレームサイズに合わせた表示可能枚数をいっぺん表示させ、バックグラウンドで一度に表示できなかった画像の読み込み処理を行なうようだ。結果として、体感できるロスはなくストレスに感じない。つまり、PhotoBase Proは画像管理ソフトでありながら、画像閲覧専用ソフトと比べて遜色のない性能を発揮しているというわけだ。

 ちなみに、表示可能な形式は、BMP、JPEG、PNG、TIFFといった基本的なものから、FPX、GIF、PCD/PCX、PSD、PSF、TGA、各社RAWデータに対応する。

 複数枚の写真を同時に表示する機能はない。が、原寸表示や原寸表示してからの拡大/縮小表示が可能なので、1枚1枚をジックリと検証するという作業には十分対応できると思う。実際、ピントが合っているかのチェックには十分利用できた。原寸表示のスピードも速いのでストレスは感じなかった。

 また、簡単な画像補正にも対応する。傾きを修整したり、赤目を補正するなどの機能を利用できる。トリミングや色味の調整も可能だ。ちなみに傾き修整の際にはサイの目が表示され水平が取りやすい。初心者にもわかりやすいように細かい部分にも気を使っている印象を受けた。

 ちなみに本ソフトには、同じArcSoft製のRAW現像ソフト「Digital Darkroom」と連携機能がある。連携といっても大げさなものではなく、オプションボタンのひとつ「プログラムから開く」に「DigitalDarkroom」を追加できるというもの。とはいえ、PhotoBase Proで選択した画像を直接Digital Darkroomで開きなおせるのは便利だ。

 同社では、Digital DarkroomとPhotoBase Proのセット「Digital Darkroom 画像管理パック」も1万7,640円で用意している。RAW現像ソフトをまだ持っていないのであれば、ぜひオススメしたいパッケージだ。Digital Darkroomを単体で買うと1万8,690円なのでだいぶお得でもある。


シンプルな写真補正ツール。自動補正も行なえる

カラーエフェクトでは、プリセットされた9色から色調が変えられる


トリミングはプリント時のアスペクト比が基準。カスタム設定も可能だ

傾き修整をしているところ。サイの目が表示されるので、水平を簡単に測ることができる


外部ソフトを呼び出す設定では、同社のRAW現像ソフト「Digital Darkroom」も割当可能だ

 このほかにも、PhotoBase Proにはユニークな機能がある。そのひとつが動画/音楽ファイルの管理だ。基本的な管理方法は、写真データと同じようにレーティングやタブを使う。もちろん管理だけでなく、PhotoBase Proをプレイヤーとして動画/音楽ファイルの再生も行なえる。

 Google Earthを導入していれば、GeoTag(撮影時の位置情報など。GPSユニットなどを利用する)が埋め込まれている画像ファイルをGoogle Earthの地表上に貼り付けることが可能。また、写真データにGeoTagを添付することもできる。撮影した場所をファイル名ではなく、視覚的に場所を記録できるというわけだ。

 複数の写真を使ったフォトムービーの作成も行なえる。クレジットを入れられるほか、ズームやフェードイン/アウトなどの特殊効果もつけられる。保存形式は、MPEG-1、MPEG-2、MPEG4-AVI、WMV、QuickTimeの5つから選択できる。解像度やFPS、アスペクト比などを細かく調整することも可能。iPodやPSPなどで再生可能なフォトムービーを作成できるほか、DVDメディアなどに保存することもできる。

 意外と便利だったのが一括処理機能。選択した画像の保存形式を変更する「一括変換」、画像サイズを変更する「サイズの一括変換」、画像データ名を変更する「名前の一括変換」という3つの処理項目が用意されている。地味な機能ではあるが、実用性の高い機能だ。


動画や音楽ファイルの管理も可能だ。メディアブラウザ上で再生できる 位置情報付きの画像なら、Google Earth上で表示する機能もある

写真を複数枚用意すれば簡単にフォトムービーができあがる

画像形式やサイズなどの設定も可能


YouTubeへのアップロードにも対応する。YouTubeアカウントを持っていれば、ファイルの自動アップロードも行なえる


 こうしてみると、単なる画像データの「表示」、「検索」、「管理」ソフトではなく、マルチメディア管理ソフトといった印象を受けた。必ずしも「いろいろなことができる=便利なソフト」という理屈にはならないが、痒いところに手が届く配慮や、実用性の高い機能が取り込まれている。一番のポイントである高速性も申し分ない。大量に画像を有しており、画像管理に四苦八苦しているのであれば、選択肢のひとつとしてオススメしたいソフトだ。



URL
  ジャングル
  http://www.junglejapan.com/
  製品情報
  http://arcsoft-jungle.jp/products/pbp/

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ジャングル、高速表示の画像管理ソフト「PhotoBase Pro」(2008/01/23)


( 飯塚直 )
2008/05/22 15:00
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