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今回検証したカードリーダー。左から時計回りにサンディスク「Extreme FireWireリーダー」、アイ・オー・データ機器「USB2-W12RW」、サンディスク「Extreme 2.0 USBリーダー」
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デジカメで撮影した画像データが入った記録メディアをPCに移動する際、カードリーダーを利用している人は多いだろう。筆者もその例外ではなく、常にカードリーダーでPCと接続し、データをPC内のHDDへと転送している。
カードリーダーと言っても実はその性能はまちまちで、筆者が必要に迫られて試した結果、常用するに至ったモノを紹介する。
必要に迫られてというのは記録メディアからHDDへの転送時間をできるだけ短くしたいからだ。1GB分のデータを転送するのに1分でも2分でも大差無いのでは? と思う方もいるかもしれない。確かに数GB程度なら、多少遅くても苦にはならないだろう。でもポートレート撮影を仕事とする筆者は、1日で50GBくらい撮影してしまうのが常だ。そのため、HDDへの転送時間が1GBあたり1分異なれば、50GBだと50分も差が出てしまう。
1日の撮影を終え翌朝も早くから仕事の場合、睡眠時間を確保するには50分は貴重だ。
もっとも現在はロケなどにノートPCや外付けHDDなどのストレージ機器を持っていくのが荷物になるので、4~5日分程度なら余裕で足りるくらいの記録メディア(約400GB分)を所有している。だから、夜な夜な疲れた体に鞭打ってデータ転送を強いられることはなくなり、撮影のない日にまとめてゆっくり落ち着いて転送できるようになった。しかし数百GB分となるとさらに効率を高めないと、何時間もの差が出てしまうことになる。
■ カードリーダー3機種を10メディアでベンチマーク
筆者が業務で使用しているキヤノン「EOS-1D Mark III」は、先代の「EOS-1D Mark II」からSDHC/SDメモリーカードとCFのダブルスロットになったので、その両方のメディアを使っている。
今回は筆者が所有するサンディスク「Extreme FireWireリーダー」、同「Extreme 2.0 USBリーダー」、アイー・オー・データ機器「USB2-W12RW」の実力を見るために、主に業務で使用している記録メディアでベンチマークを測り、それぞれの相性を確かめてみた。
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テストしたCF。上段左からサンディスク「Extreme Ducati Edition CF」、同「Extreme III」、レキサー「Professional CompactFlash 133X」。下段左からATP「ProMax II CF 300X」、トランセンド「TS8GCF266」、A-DATA「Turbo CF 266X」
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テストしたSDHCメモリーカード。左からサンディスク「Extreme III SDHC 4GB」、パナソニック「RP-SDV16GK1K」、トランセンド「TS4GSDHC6」
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●テスト方法と結果
- 使用PC:CPU=AMD Athlon64×2 5200+、メモリ=3.43GB、OS=Windows XP、インターフェイス=IEEE 1394a、またはUSB 2.0
- ベンチマークソフト:CrystalDiskMark 1.0
- 1,000MBの転送速度を上記ソフトで計測、9回計った平均値を掲載
- 各記録メディアはテスト前に物理フォーマットしている
- PCはメディア交換毎に再起動
- IEEE 1394a、IEEE 1394bの両方に対応するExtreme FireWireリーダーは、IEEE 1394aで計測している
計測結果 (全リーダーでのRead平均値順)
記録メディア名 |
ベンダー名 |
タイプ |
容量 (GB) |
計測結果(MB/sec) |
Extreme FireWireリーダー |
Extreme 2.0 USBリーダー |
USB2-W12RW |
Read |
Write |
Read |
Write |
Read |
Write |
Turbo CF 266X |
A-DATA |
CF |
8 |
43.4 |
28.4 |
16.4 |
14.8 |
16.3 |
14.5 |
TS8GCF266 |
トランセンド |
CF |
8 |
43.4 |
28.4 |
16.2 |
14.4 |
16.4 |
14.4 |
ProMax II CF 300X |
ATP |
CF |
8 |
43.3 |
28.4 |
15.9 |
14.4 |
15.9 |
14.1 |
Extreme Ducati Edition CF |
サンディスク |
CF |
8 |
42.2 |
29.3 |
16.4 |
15.0 |
16.4 |
15.5 |
TS4GSDHC6 |
トランセンド |
SDHC |
4 |
― |
― |
17.1 |
6.4 |
17.5 |
6.2 |
Extreme III SDHC 4GB |
サンディスク |
SDHC |
4 |
― |
― |
16.8 |
14.2 |
16.3 |
14.3 |
RP-SDV16GK1K |
パナソニック |
SDHC |
4 |
― |
― |
16.1 |
10.1 |
16.6 |
10.1 |
Professional CompactFlash 133X |
レキサー |
CF |
8 |
14.8 |
4.8 |
16.2 |
4.5 |
16.3 |
4.5 |
Extreme III |
サンディスク |
CF |
8 |
14.7 |
12.8 |
16.1 |
14.6 |
16.0 |
15.3 |
レキサーのWriteが目立って遅いが、EOS-1D Mark III実機では実測9MB/secほどあり、Extreme IIIとの比較でもそれほど遜色はない。偽物の可能性も確かめてみたが、デバイスマネージャの表示、ロットナンバーの書体、ラベル、ラベルが貼ってある金属面など、ほかの物と差異は見受けられなかった。なぜカードリーダでのベンチマーク結果が目立って遅くなったのかは不明。
以上の結果を踏まえて、各カードリーダーの特色を紹介したい。
■ Extreme FireWireリーダー
・実勢価格:約8,900円前後
・対応主要メディア:CF
カードリーダーとしてはかなり高価、しかもCF(Type1・2)専用なのでさらに割高に感じるかもしれない。しかし、266倍速クラス以上のCFでは、40MB/secを余裕で超える転送速度を持つ。実際にHDDへ転送させてもその差は歴然だ。ただし、133倍速クラス以下では逆にほかの2つのUSBタイプよりも遅い結果となった。
266倍速クラス以上のメディアには非常に有効だが、それ以下のクラスとなると、限界を引き出せかどうかは期待できない。また相性もあるらしく、筆者の持つトランセンド120倍速8GBは、5枚すべて認識できなかった(ほかのリーダーやデジカメではもちろん問題ない)。
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PCに接続してマイコンピュータを開いたところ。スロットが1つなので、(当たり前だが)現れるリムーバブルディスクはひとつだけ
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■ Extreme 2.0 USBリーダー
・実勢価格:約3,500円
・対応主要メディア:CF、SDHC、MMC、メモリースティックデュオ
パッケージの「Extreme」に惹かれて勢いで買ってしまった(笑)。USB 2.0接続で使用できるメディアはCF(Type1・2)とSD系(SDHC、MMC)、メモリースティックデュオ系。20MB/secの転送性能があるとのことだが、今回のテスト方法では16MB/sec程度だった。しかし、133倍速クラスのCFだとExtreme Firewireリーダーよりも若干速い。それらのCFをメインとしているなら、限界を引き出せるかもしれない。
それから、Widnows XPのマイコンピュータやエクスプローラを開いた際、リームバブルディスクの表示は2つだけなのですっきりしている。性能は突出してはいないが、Sandiskブランドがお好きな方にはお勧めだ。
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マイコンピューターに現れるドライブはスロット数に応じて2つ。CFとSD系だけを使うなら、わずらわしくなくていい
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■ USB2-W12RW
・実勢価格:2,900円前後
・対応主要メディア:CF、SDHC、MMC、メモリースティック、xDピクチャーカード、スマートメディア
USBタイプで転送速度20MB/secクラスの製品としてはいち早く販売された。毛筆書体の「速」のパッケージが店頭で目立つ。筆者は既に2年も愛用している。
いわゆるマルチタイプで29種類以上のメディアに対応しているとのこと。おそらくデジカメで使用するほとんどのメディアに対応していると思われる。性能もUSBタイプとしては今でも最速クラスなので、どうしてもUDMA仕様のCFの限界を引き出したいと思わなければ必要十分だろう。
ただしマルチタイプゆえ、マイコンピュータやエクスプローラーにはームバブルディスクが4つ表示されてしまい、少々わずらわしく感じてしまう。
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マイコンピューターには4つのドライブが表示される。自分が使わないメディアスロットが少々わずらわしい
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■ まとめ
筆者は、今回紹介した3種類のカードリーダーを各メディアとで、最速になるよう組み合わせて使い分けている。実際の転送時間は転送先のHDDの性能や状態にもよるが、効率よく転送を済ませれば、現像やセレクトなど次の作業に取りかかれる。たかが転送とはいえ、こだわっている部分でもある。
現在筆者が知る範囲では、USBタイプはまだ20MB/secクラスのリーダーしか出ていない。せめてFirewireリーダーと同等の40MB/secクラスが出てくれば、すでに普及している266倍速のCFも広く一般的にその性能を存分に引き出せると思うのだが。もしいずれ出たら即購入して、機会があれば紹介したいと思う。
【2008年1月22日】不適当な表現「USB 2.0の理論転送速度の20分の1以下だ。」の記述を削除しました。
■ URL
サンディスク
http://www.sandisk.co.jp/
製品情報(Extreme 2.0 USBリーダー/ライター)
http://www.sandisk.co.jp/Products/Item(2012)-SDDRX3-3in1-SanDisk_Extreme20_USB_リダライタ.aspx
アイ・オー・データ機器
http://www.iodata.jp/
製品情報(USB2-W12RW)
http://www.iodata.jp/prod/pccard/readerwriter/2005/usb2-w12rw/
■ 関連記事
・ アイ・オー・データ USB2-W12RW(2005/11/08)
( 野下義光 )
2008/01/22 00:08
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