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thinkTANKphoto「ローテーション360」
~リュックの一部が回転する、新発想のカメラバッグ
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ローテーション360
カメラバッグには様々なものがあるが、ネイチャー撮影などで歩きながら撮影する場合、便利なのがリュックタイプ。ある程度機材が収納できるうえ、両手が自由に使えるからだ。しかし、機材を取り出す場合、リュックを一度地面に下ろさなくてはならないのが難点といえる。特に、レンズ交換が面倒になってしまう。
そんな時に見つけたのが、米thinkTANKphoto(シンクタンクフォト)のリュック型カメラバッグ「ローテーション360」(4万2,000円)だ。一見普通のリュックだが、下部気室がウエストバッグになっていて、体の前(腹部)にまわせるという斬新な製品。これなら一般的なリュックと違って、機材を取り出すたびにリュックを下ろさなくて済む。レンズ交換も簡単にできそうだと思い、早速試してみることにした。
thinkTANKphotoは、元Loweproのデザイナーが2005年に興したまだ若いカメラバッグメーカーだ。Loweproでは実現できなかった数々のアイデアを実際の製品に反映したのが、thinkTANKphotoというわけだ。
上部気室は比較的奥行きがある
ウエストバッグを回転させたところ。スムーズに回せる
バッグの外寸は28×24×50cm(幅×奥行き×高さ)で、上下2気室タイプ。上気室(以下、リュック)には、ズームレンズを装着した中型デジタル一眼レフカメラ、小型デジタル一眼レフカメラボディ、交換レンズ1本、クリップオンストロボなどが、下部気室(以下、ウエストバッグ)には小型ズームレンズ付きの中型一眼レフカメラと、交換レンズ1本などが収納できる。ノートPCは収納できず、カメラ用リュックとしては小型の部類といえそうだが、ポケット類も豊富に付いており、日帰りの撮影旅行には十分な容量だと思う。
体の正面で機材にアクセスできる
ウエストバッグには、レンズを付けた中型一眼レフカメラと、交換レンズが収納できる
鍵のマークが付いたタブを引くことで、ロック操作が行なえる
ロックを解除した時は、ウエストバック裏のマジックテープ部分が、仕切りで覆われる
ロック状態になると、マジックテープが現れて、リュックと固定できる
リュック側には、固定用のマジックテープがある
さて気になるローテーション機構だが、結論から言えば“かなり使える”印象だ。ウエストバッグを回転させるには、まずロックを解除する必要がある。これは、意図せずに回転してしまうのを防ぐもので、マジックテープによりリュックとウエストバッグを固定する仕組み。その操作方法もユニークで、ウエストバッグのベルト部分にあるタブを引っ張ることで、ロックとリリースができる。実際にバッグを回転させてみると、引っかかりなどは感じられず、スムーズに回することができた。ウエストバッグのフタは、手前側から開くため、レンズなどの取り出しが容易だ。また、ウエストバッグを戻す際も、スムーズに回転してリュックに収まる。見かけの機能だけでなく、実際の動きが滑らかなのが良い。
ウエストバッグには、小型のズームレンズなら2~3本程度収納できるので、レンズ交換しながらの撮影も快適だ。また、フタの裏側にポケットが付いており、ここに記録メディアを収納しておくと、交換が楽にできる。ウエストバッグが収まる部分は、金属板が3面に仕込まれ、かなり頑丈に見えた。ウエストバッグを外した状態で押してみても、変形することはなかった。
ウエストバッグとリュックをつなぐための仕組みも左右に備える
ウエストバッグにはポケットも装備。フィルターなどの収納に便利
ベルトには、オプションのポーチを取り付け可能
フタ部分のポケット。透明で内部が見える
大きめのファスナーを採用。鍵を付けることもできる
ウエストバッグ用のショルダーストラップも同梱
このバッグにはローテンション機構以外にも、撮影のためのさまざまな機能が備わっているので、主なものを見ていきたい。
メッシュポケットを使用する方法。中、小型三脚に向くようだ
三脚カップと呼ばれるポケットを引き出すことで、長めの三脚も装着できる
例えばネイチャー写真を撮る場合、三脚を使うことが多い。ローテンション360は、三脚を立てた状態で保持できる。しかも、三脚の大きさに合わせて、2通りの方法が選べるというこだわりようだ。小型軽量三脚の場合は、リュック前面のメッシュポケットに脚の先端を入れて運べるし、縮長が長くて重めの三脚なら、リュックの下部から引き出して使う専用の三脚カップに脚を収納できる。どちらの方法でも、付属のベルトで三脚の上下を固定できるので、安定して運べそうだ。
オリジナルのカメラストラップが付属
ショルダーストラップに繋がったフックに、カメラストラップを取り付け可能
カメラの重さが首にかからないため、負担が軽くなるし歩きやすい
望遠レンズを首から提げたとき、揺れを押さえるためのテープも利用可能
また、長時間撮影する場合に助かるのが、リュックのショルダーストラップにカメラストラップを取り付けられる仕組みだ。リュックを使う場合、多くの場合は首からカメラを提げるが、ローテーション360には、thinkTANKphotoのオリジナルカメラストラップが付属し、カメラストラップの金具部分をリュックのショルダーストラップから吊すことができる。カメラの重さが肩に掛かるため、首の疲れを大幅に軽減できる仕組みだ。さらに、付属のベルトでレンズが揺れないように固定できるため、安定して歩くことができる。
上部気室の収納例。ボディ2台とレンズ2本などが収まる。奥行きがあるので、ストロボの収納はご覧の通り
フタ部分にはメッシュポケットを装備。フタが外側に膨らんだ形状なので、大きめのアクセサリーも入りそうだ
ニコンのVR 70-200mm F2.8を上部気室に入れたところ。ぎりぎりはいる大きさだった
ウエストバッグには、余裕を持って収まった。長めのレンズは、こちらに収納するのも手だろう
背面下部のポケット
側面のメッシュポケットには、ペットボトルも入る
リュックとウェストバッグの両方にレインカバーが付属
ウエストバッグにレインカバーをしたところ
バッグ上部には、大きめの取っ手が付いており、下ろしたときや背負うときに、取り回しやすく便利だ。また、背中に当たる部分には、3つに分かれた厚めクッションを配している。今回、東京青梅に紅葉の撮影旅行に行ってみたが、かなり歩いても背中が痛くなるようなことはなかった。クッションの配置のせいか、蒸れもほとんど感じなかった。
上部の取っ手は握りやすい形状
IDメモを入れるためのスペースもある
ショルダーストラップは十分な幅がある
こちらは、背中に当たるパッド。かなり厚めだ
リュック上部にもオプションポーチ用のベルトを装備
収納量を考えると、4万円を超える値段はいささか高価に思われるが、便利なローテーション機構という装備を搭載したバッグとしてはリーズナブルだろう。ジッパーも大きめのものを使っているし、縫製もしっかりした印象で、“作りの良いバッグ”と言うことができそうだ。
上部気室用の仕切り。豊富に付いてくるので、バッグ内の区分けがしやすい
下部用の仕切りも5枚同梱
さまざまなアイデアによる装備が満載なのも、thinkTANKphotoの開発メンバーに2人の写真家が含まれるから、と聞けばうなずける。なにぶん全く新しいタイプのバッグなので、使い心地を店頭で試してみてほしい。
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URL
thinkTANKphoto
http://www.thinktankphoto.jp/
製品情報
http://www.thinktankphoto.jp/2007/08/03/rotation/
銀一
http://www.ginichi.com/
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関連記事
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【PIE2007】銀一、「thinkTANKphoto」の新型リュックなど(2007/03/23)
( 本誌:武石 修 )
2007/12/04 00:03
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