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オリンパスE-410用革ケース「CS-8H」

~デジタル時代に蘇った“速写ケース"

専用革ケース「CS-8HBK」、ショルダーストラップ「CSS-S101L」、交換レンズ「ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6」を装着したE-410
 最新のデジタル一眼レフカメラでありながら、どこかトラディショナルなMF一眼レフ的なスタイルで話題を呼んだE-410。ボディだけでなく、キットレンズをはじめとする周辺オプション類へのこだわりも見られ、「ただのエントリーモデルではないぞ」との主張が感じられたものだ。

 中でも、同時発表の本革ストラップ「CSS-S10xL」シリーズ(各3,780円)に惹かれた人は多いのではないだろうか。細身でしなやか、そしてOLYMPUSロゴが控えめなこともあり、他社メーカーのユーザーにも一目おかれる存在に。E-410専用というわけではないが、やはりなキュートなE-410にこそ似合うおしゃれなストラップだ。

 そんなE-410に、また話題を呼びそうなオプションが登場した。今度は本革カメラケース、しかも往年のMF一眼レフカメラ用を思わせる「速写ケース」スタイルだ。上記ストラップのCSS-Sシリーズとコーディネイトできるブラック(CS-8HBK)、ダークブラウン(CS-8HDB)、ホワイト(CS-8HWT)を用意。価格は9,800円で、直販サイトでの限定200セットの販売となっている。

 今となっては、「速写ケース」という言葉を定義するのは難しい。パッと思いつく特徴は、「上下分離型」、「標準レンズをつけたまま収納可能」、「革製」というものだろう。最近はケースが上と下に分かれてない革ケースも見られるし、速写という意味なら、ネオプレーン素材などで作られた「ズームパック」類もその範疇に入れても良い気がする。それでも、やはり上ケースと下ケースに分かれたスタイルにこそ、「速写ケース」という言葉が持つ、懐かしい響きに似つかわしいと思うがどうだろうか。

 デジタルカメラ用の速写ケースとしては、筆者が知る限り「R-D1」用の限定オプションがあったのみ。そのほか「Optio 750Z」の「クラシック調両掛けホルダー」を挙げたいところだが、これは下ケースのみで、上ケースがない。いずれにしても非売品だったわけで、限定とはいえ、単体での販売を英断したオリンパスのE-410への意気込みが感じられる。


革ケース(CS-8HBK)+ショルダーストラップ(CSS-S101L)
革ケース(CS-8HDB)+ショルダーストラップ(CSS-S104L)

革ケース(CS-8HWT)+ショルダーストラップ(CSS-S102L)

 基本的に速写ケースは、「グリップ部がないカメラ向け」とのイメージがある。一眼レフカメラにグリップが標準装備となるにつれ、あるいは「標準レンズつけっぱなし」の時代が終わるにつれて、メーカーオプションとして見られなくなった。グリップというよりは、軍艦部以外にボタンが増えた結果でもあるのだろう。また、「カメラ=一家に一台の高級品」という時代でなくなった今、少々大げさなアイテムでもある。

 さて、E-410専用の本革ケース「CS-8H」シリーズは、上下分離型のまさに「速写ケース」と呼ぶにふさわしい造り。グリップ部が極めて小さいE-410に良く似合うオプションであり、E-410のクラシカルなテイストを加速させるものだ。もっともホワイトカラーの設定は、懐古趣味のオヤジではなく、明らかに女性層を狙ったものだろう。この手のケースをそうしたマーケティングに使うことに、オヤジ的にはまぶしいくらいの新しさを感じる。

 上ケースを取り付けたままボディに装着可能なレンズは、キットレンズの「ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6」、または「ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4-5.6」。さらに「ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2 Macro」、「ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro」といったマクロレンズも対応している。ただしフードは逆向きに装着する必要がある。

 往年のMF一眼レフ用速写ケースに比べて、革は薄いがその分しなやか。手触りも良く、見た目も上質だ。ボディへのフィット感もなかなかのもので、それでいてストラップ取り付け部付近のスナップを留めるだけと、ボディからの取り外しも簡単。皮が分厚くて自重があり、三脚穴にネジ留めする往年の革ケースに比ると、ずいぶん使いやすいと思う。


下ケースを装着したところ。前面
背面

底面

クラシカルなイメージを追求して、MF-1(OMアダプター)を介してオールドZUIKOレンズを装着。写真はG.ZUIKO AUTO-S 50mm F1.5 こちらはホワイトの革ケースにG.ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5

参考までにOM-2Nとその速写ケース(前面) 背面 底面

 速写ケースとして違和感を覚えるのは、背面が大きくエグられていることだろう。R-D1用の革ケースと同様で、液晶モニターのあるデジタルカメラ用としては仕方がない。その代わりというわけでもないが、ケースをつけたままほとんどのスイッチ類にアクセスできる。もちろんライブビューも可能だ。

 残念なのは、ケースを装着したまま記録メディアを抜き差しできないこと。R-D1用革ケースでは実現していただけに、少々もったいない。ただし、ケースの側面にメディア室用の蓋があったなら、サイドラインがもっとごちゃごちゃしたはず。このケースのデザイン性を考えると、現状がベストなのだろう。頻繁に取り替えずに済むよう、大容量のメディアを使えば問題ない。また、ケースを装着した状態では、電池交換や三脚穴の利用も不可能。といっても、電池は良く持つので、日常的なスナップにおいて、苦になることはないはずだ。

 上ケースは思ったより素早く取り外せる。レンズキャップをしなくても良いこともあり、首から下げた状態から、本当に速写できる(フードの装着をあきらめれば)。外したあとにまた留めるのは少しおっくうなので、街歩き中は、「ただボディに被せておくだけ」もありだろう。もちろん下ケースだけをつけて出歩くのも良い。底面への傷付きを防止してくれるほか、カッティングの箇所が右手に触れるので、グリップ性が高まる効果もある。上ケースをつけなければ、どんなレンズでも装着できる利点もある。

 現在直販サイトでは、ボディ+ケース+ストラップの「E-410ベーシックセット」(10万2,000円)や、ボディ+レンズ+ケース+ストラップの「E-410スターターセット」(11万2,000円)をキャンペーン価格で販売中。期間は2008年1月10日まで。もちろんケース単体(9,800円)やストラップ単体(3,780円)でも購入できるが、すでにE-410を所有しているユーザー向けに、お得なケース+ストラップのセットがあればうれしいかも知れない。


下ケースはストラップ取り付け部にスナップボタンで装着。革くるみボタンが高級感あり
上ケースの背面を開けたところ。再生だけならこの状態で行なえる

背面には型押しによるEシリーズのトレードマークが見える


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.olympus.co.jp/jp/news/2007b/nr071113ecasej.cfm
  発売キャンペーンページ
  http://olympus-imaging.jp/product/dslr/e410/special/lifestyle/c071113a/

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( 本誌:折本 幸治 )
2007/11/29 13:04
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