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Custom Brackets「Digital PRO-SV kit」

~構図を変えずに縦位置に! アメリカ生まれのブラケット

 三脚を使った撮影で、特に近接撮影のとき、横位置から縦位置に変更すると大幅に構図がズレてしまう。レンズの光軸と、雲台が動作する軸が離れているためだ。これは3ウェイ雲台でも、自由雲台でも、回避することはできない。横位置から縦位置に変更した後、雲台と三脚のエレベーターを使って、似たような構図に調整し直さなければならないのだ。

 一般的なデジタル一眼で、縦位置・横位置の変更で、なるべく構図の移動を起こさないようにするには、それ専用の撮影用品が必要となる。過去に輸入品や国産の用品メーカーの製品があったように思えるが、今年版の用品年鑑をチェックしたら載っていない。知人に聞いて回ったところ、「最近、アメリカで売っていた」という製品を入手したので、早速チェックしてみることにした。

 それはCustom Bracketsの「Digital PRO-SV kit」という製品だった。ホームページにはさまざまなタイプの製品が掲載されており、その中の三脚取り付け専用のものであることがわかった。どちらかといえばスタジオ撮影用で、人物撮影で多く必要とされている縦位置撮影にスムーズに移行するためのブラケット、というスタンスのようだ。


Digital PRO-SVを背面側からみたところ。三日月型のレール上にカメラ台が付けられている構造がわかる 三脚取り付け部分を下からみた様子。U1/4(小ネジ)を採用している

カメラネジの位置をきちんと合わせれば、カメラ台前部の「回転止め」がカメラボディの前倒れを防いでくれる
 手にすると、ボリューム感のある見た目よりも軽く感じる。アルミ合金を切削加工したらしい形跡があちこちに見られ、手間をかけて作られているのがわかる。

 カメラを縦位置にセットすると、レンズの重量がかかる関係からカメラネジが緩み、カメラの“前倒れ”が起こることがある。特に、Digital PRO-SVでは、カメラのグリップが上になるようにセットする。縦位置用のシャッターボタンがあるカメラなら、ちょうどいい位置にシャッターボタンがくるメリットはあるが、レンズが重い場合、カメラネジが緩む方向に力がかかるので、カメラネジが緩み、前に倒れることになる。そこで、カメラ台の前側に、ゴムでカメラボディを押さえる「回転留め」が2カ所あり、カメラ台とカメラがズレない工夫がされている。

 カメラネジとカメラ前部の距離はカメラごとに異なるが、カメラネジの位置をあらかじめ合わせられるよう、プラスドライバーで前後の調整ができるようになっている。一度自分のカメラに合わせれば、そう調整することがないという発想から、工具を使ってのセットとしているのだろう。

 三脚とブラケットのセットはクイックシュー形式。クイックシューは普通、雲台とカメラの固定に使うもので、三脚とブラケットの固定に使うケースは今まで見たことがない。ベース部横のレバーを押した状態で前方からブラケットを滑り込ませ、レバーから手を離せばロックするという方式で、締め付けネジなどがあるわけではないのに、しっかりガタつきもなく取り付けられる。Digital PRO-SV自体にボリュームがあるため、雲台や三脚に固定するのが大変そう、というところを解決するための工夫だ。


カメラ台後部のネジをプラスのドライバーで回せば、カメラネジの位置を前後に調整できる カメラネジはカメラ台下部のツマミで締め込む方法。指先がなんとか入る寸法で小さく感じる

ブラケットと三脚の取り付け部分はクイックシュー構造になっている
Digital PRO-SVを三脚に取り付ける。ベース部分をあらかじめ三脚の雲台に取り付けておき、ベース部のレバーを押し込んだ状態でブラケットをスライドさせる

Digital PRO-SVに取り付けたカメラの縦位置、横位置の変換は、カメラを持って動かすだけ。ロックなどの操作は不要だ 横位置にセットした状態

縦位置は、グリップを上にしてセットする
 実際に三脚に取り付けて使ってみる。Ditigal Brackets PRO-SV自体には、カメラ台を固定するツマミやレバーはない。カメラそのものを持って動かすと、縦位置のところと横位置のところの2カ所にクリックストップがあり、レールの終端の位置で手を離すだけで固定される。動きは大変スムーズで、工作精度の高さを感じる。

 クリックのみのロックでは、機材の重さでガタつかないか心配になるが、デジタル一眼+マクロレンズで操作感を確認したが、全く問題なく固定し、ガタつきもない。

 レンズの位置がズレずに縦位置と横位置が変換できる、というのはマクロ撮影でも重宝しそうだ。問題は292ドルという値段と、日本ではまだ正規輸入されていない点。ユニークな製品なだけに、日本で簡単に入手できるようになればいいと思うのだが。



URL
  Custom Brackets(英文)
  http://www.custombrackets.com/


( 木村 英夫 )
2007/10/04 17:11
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