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東洋リビング「モバイルドライMD-1」

~防湿庫を自作できる?

MD-1
 梅雨のシーズンがくると、いつも気になるのがカメラの防湿対策だ。もちろん、梅雨でなくても日本では湿度が高い状況が多いのだが、過去に何度もカメラのペンタプリズムやレンズにカビを生やして高い修理代を投資した経験から、機材の保管に悩むことが多い。

 かつて、日本カメラショーで販売されていた「カメラ総合カタログ」(日本写真機工業会発行)には、各社の製品紹介の合間に“カメラをベストコンディションで使う豆知識”という特集ページがあり、カビを防ぐために「風通しのよい部屋でビニール袋をかぶせるか、布袋に入れて吊す」と紹介していた。

 確かに風通しがよければ湿気がこもらず、カビの生えるリスクは低くなるが、吊すというのがどうもなじめない。何かの拍子でカメラが落下したら……と心配になってしまう。この文章は、当時のカメラメーカー各社のサービスセンター関係者が作ったものと聞いているので、カメラの作り手からは正解なのだろう。

 私自身は今まで、使わないオーディオラックにカメラを入れていた。結局ホコリや湿気が貯まってしまいカビを生やす原因となったことで、一念発起。カビが生えた機材は修理するか処分するかにし、防湿庫を導入したのだ。

 以来、普段は防湿庫カメラを入れると安心するようになった。防湿庫の扉に湿度計があり、うっかり扉が少し開いていた、ということでもなければ常に湿度50%を指していて、カビの心配をしなくてよくなった。

 ところが防湿庫は重く大きく、自宅に置いておくだけになってしまう。長期間カメラを持ち出すときは、良くないこととは知りながらカメラバッグに入れっぱなしだ。そこで、量販店で見かけた移動式の防湿グッズ「モバイルドライ MD-1」(2,480円)を使ってみることにしたのである。

 一般的な防カビ用品として売られているのは、シリカゲルや生石灰などを使用した乾燥剤や、化学物質による防カビ剤である。これらは、一度使うと再利用できないか、ちょっと時間をかけて天日干しにすることで数回利用できる、といったもの。

 それに対し、モバイルドライは防湿庫のパイオニアである東洋リビングが、密閉容器などに入れて使えるように考えた移動式の防湿機である。

 モバイルドライは箱形、というかタバコの箱を2回りくらい大きくしたようなスタイルである。グレーのプラスチックでできた筐体には、たくさんのスリット(部分によっては穴)が開けられ、ここから湿気を吸引するのだと思われる。

 振るとシャカシャカと音がする。中の防湿剤なのだろうか。表側には一見シリカゲルのように見えるビーズ状のものが、透明のプラスチックの奥に見える。このビーズ状のものがインジケーターになっており、色が青であれば吸湿OK、ピンクになればコンセントにつないで吸収した水分を蒸発させるのだという。蒸発にはおよそ2時間かかり、インジケーターが青になるのを確認する。


モバイルドライは収納式のプラグがある。防湿効果がなくなれば、コンセントにつなぐことで再び使えるようになる モバイルドライの裏側。インジケーターの様子を表すシールが貼られている。AC100V-240V対応と書かれており、変換プラグがあれば海外でも使えることがわかる。

水分を蒸発させているところ。赤いランプが点灯する。このとき、本体が熱くなる。ヒーターで水蒸気を放出するためだ
 モバイルドライを使うには、布製のカメラバッグではダメだ。密閉できないし、バッグの布地そのものに吸湿性がある。そのため、普段移動する時に使うカメラバッグには使えないが、クルマで移動するときなどに使うトランク型のケースには、使えそうだ。

 東洋リビングでは、専用の「ドライバッグ」というハードケースを売っているが、もちろん市販のハードケースにも使える。モバイルドライのサイズもカメラ1台分よりも小さいため、それほど邪魔にならず、ケースの中に入れられそうだ。

 使ってみると、湿度計はないものの、防湿ができる安心感がいい。最近、カメラやレンズが増えてきたため、防湿庫に入りきらなくなってきた。いずれもう1台防湿庫を、と思うのだが、数万円の出費は急にできない。

 そこで、プラスチック製の密閉できるケースをホームセンターで購入。もう1台モバイルドライを入手して、保管にも使ってみることにした。当面のつなぎには良さそうだ。


密閉式のハードケースにカメラ・レンズとともに収納する。ストレージ1台分のスペース、といった感じか ホームセンターで買ったプラスチック製のケースに、防湿庫に入りきらない機材を入れ、モバイルドライで防湿。当面は大丈夫そうだ

 今まで防湿庫となると、家に置いておくものであったが、カメラを持ち運ぶときもやはり湿度が高い環境下になることが気になる。ソフトな素材で密閉性が高いバッグができるなら、普段でもモバイルドライを入れて持ち運びたいくらいだ。機材保管庫としての防湿庫を応用した技術に今後も期待したい。



URL
  東洋リビング
  http://www.toyoliving.co.jp/


( 木村 英夫 )
2007/07/19 01:10
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