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ケンコー「PRO1D SH-L ショルダーバッグ」

細部までこだわりを感じるPC対応カメラバッグ

SH-Lショルダーバッグ
 ケンコーのカメラバッグといえば、タムラックやベネトンのような輸入品やブランド品のものを思い浮かべる。しかし、最近になってデジタルカメラ用フィルターと同じブランド名「PRO1D」を冠した新シリーズをオリジナルで立ち上げていることに気づいた。

 同じアクセサリーメーカーでも、ハクバやエツミは「自社ブランドのカメラバッグ」の印象が強く、ケンコーオリジナルのプロ用カメラバッグは新規参入という感じである。

 2007年度モデルの中で、最も大きなショルダータイプのカメラバッグ「SH-Lショルダーバッグ」(1万3,650円)をチェックしてみた。

 外観はかなり大きく、2台のカメラと数本のレンズが収納できそうな雰囲気。ショルダーベルトの手前、背負ったときに体に近い位置に三脚固定用ベルトがある。あまり大きな三脚には向かないようだが、これを使えば三脚まで一度に運べるので、外への取材はバッグ1つで対応できそうだ。

 シリーズ共通の特長は「樹脂成形の底板」。もちろんこのバッグにも採用されている。たたくとコンコンと固い音がするハードタイプで、アウトドアでも機材を守ってくれそうだ。

 バッグの上蓋はショルダーバッグで一般的なフラップ式を採用している。雨の降り込みなどに強いとされているが、さらにファスナーで蓋を固定できるので、砂埃の多いところなどにも対応できる。蓋を閉じるバックルは合計4箇所設けられている。素早く撮影体制に入るには、フロント側2つの固定のみで十分そうだ。


底板には樹脂成形の部品を使っている。いかにもショックに強そう 上蓋を固定するバックル。一般的な構造のものだが、幅広でしっかりした部品を使っている

ファスナーで固定する中蓋と中蓋のカバー。ファスナーが二重になっているのは少し煩わしい 中蓋の上面には、フィルター3枚とブロアなどが固定できるゴムバンドがついている

上蓋を素早く開けて機材を取り出せるよう、中蓋をベルトで固定して一体化できる

 フラップ式の蓋部分だけでも、さまざまな収納の工夫がされていて感心するが、内蓋が白く、汚れが目立ちそうなところが気になる。しかし、これには「フィルター収納部で、フィルターの色味を目で確認しやすくするために白くした」という事情があるそうだ。いかにもフィルターメーカーらしいこだわりだ。

 次に実際に機材を入れて収納力を確かめてみた。機材収納室を確認すると、内装色は黒。汚れは目立ちにくいものの、暗い場所での視認性を考慮した色調ではない。仕切り板の一部にブルーの色調のものがある。表面の手触りが黒い部分と異なるが「静電気防止クロス」だという。カメラ・レンズにホコリがつきにくいように考えられている。従来にない工夫である。
 
 底が深いため、大口径中望遠ズームが縦に収納できる。カメラも2台収納できる余裕があるため、サブボディを持ち歩きたい取材にも使えそうだ。PC収納室は、12型液晶搭載ノートPCまでが対応する。ワイド液晶搭載PCを考慮したのか、横幅にはまだ余裕があるが、高さの都合で12型までに制約されているようだ。

 機材室の上側にあたる「内蓋の裏」にはメモリーカードのポケットが14個並んでいる。ポケットの色が白と黒に分けられている。フィルム収納袋で同様のアイデアを見たことがあるが、黒が「未露光」、白が「露光済み」のものを収納するという区別だ。数が多いのはいいが、大容量記録メディアの価格が下がった現状では少々過剰にも感じる数である。


カメラ2台と6本のレンズ(カメラに装着の分も含む)、ノートPCを入れてみた サブボディは縦に、メインのカメラはレンズを下向きに入れる。目一杯だが十分収納可能

ノートPCは12型モニター搭載機までのサイズが対応可能。手持ちのiBookは横方向に余裕があるものの、高さ方向ではピッタリ 内蓋の裏側には合計14個ものメモリーカードポケットがある。数があるに越したことはないが、少々過剰の感もある

背面ポケットの外側に、カートハンドルを通して固定できるよう作られている 簡易レインカバーがバッグの背面ポケットに収納されている。そのため、背面のポケットはほかのものの収納に向かない

簡易レインカバーをかぶせた様子。ショルダーベルトを通せるようになっており、背面以外はほとんどカバーできる カメラ2台と交換レンズ、三脚、PCまでを収納するとかなり重い。使うには体力も必要

 フルに機材を詰め込むと、ものすごく重いバッグである。片方の肩に掛けるのは限界に感じる重さだ。そのためか、旅行に出かけるときなどカートのハンドルに取り付けできるように工夫されている。

 雨対策として簡易レインカバーを備えるなど、きめ細かい装備はやはり日本ブランドのバッグである。この内容にしては、1万円台の価格は安いのではないだろうか。プロ用バッグの新シリーズとして今後も期待が持てる。



URL
  ケンコー
  http://www.kenko-tokina.co.jp/
  製品情報
  http://www.kenko-tokina.co.jp/ecatalog/bag/2007pro1d.html


( 木村 英夫 )
2007/05/08 00:48
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