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KATA「R-103」

近未来デザインのユニークなカメラ用バックパック

 私が初めて「KATA」のバッグを見かけたのは、プロ用ビデオによる撮影の現場。ビデオ撮影のスタッフがKATAのバッグにパナソニックのビデオカメラを入れて持ってきたときだった。そのときは渦巻きのようなユニークなブランドマークと、機材室に張られた黄色い生地が単なるプロ用バッグではない雰囲気を醸し出していた。

 KATAは、GITZOやManfrottoと同じ「Vitec」グループの一員で、放送用のプロ機材としてかなり浸透しているという。カタログの近未来的なデザインセンスと、機材をいかにも守ってくれそうな外観デザインが特徴。KATAは、軍出身のメンバーにより1983年に創業され、本社はイスラエルのエルサレムにあるという。

 今回手にした「R-103」(36,750円)は、「GDC」(グローバルデジタルコレクション)の1つで、中型のバックパックである。カメラ1台または2台、レンズ数本とともにノートPCを持ち運ぶのに最適なモデルだ。

 外観の特徴である凸凹のある表面は、「TST」(サーモ・シェルド・テクノロジー)で、特許申請中だという。外装部は「スーパーナイロン」素材で、ホコリや水分をはじく素材。内部のセルはPEとEVAで成形されたもので、温度差や湿度に耐え、ショックから守るという。


外寸の高さが53cmとやや大柄だが、日本人男性が背負うには問題ないサイズだろう
渦巻きとポップな書体が印象的なKATAのブランドマーク

上部の取っ手はしっかりとした感触で、中に重量物を入れた状態で手に提げても変形しない
メイン機材室のフタ部分。特長的なTST構造が採用されている

メイン機材室を開けたところ。最大300mm F2.8クラスレンズ+デジタル一眼レフが収納できる
機材室を全開したところ。複数のレンズ、場合によってはサブのボディなども十分入る

 R-103はいわゆる1気室タイプ。バックパックの収納室が分割されずに大きく開く構造のタイプである。フタ部に工夫がされており、メイン機材室だけ小さく開くこともできるよう、フタ部の中央にさらにフタが設けられている。頻繁に使うレンズとカメラをメイン機材室に入れておけば最小限の開口部から素早く取り出せる、よく考えられた構造だ。


背中に当たる側にノートPC収納部がある。ノートPCのアイコンが描かれたタグがついておりわかりやすい。A4サイズの大柄なPCも収納可能だ
R-103の背中にあたる部分。TST構造となっているが、ストラップの内側はメッシュ、肩にあたる部分にはネオプレンのシートで柔らかい感触となるよう工夫されている

 R-103は、三脚を取り付けて持ち運ぶこともできる。サイドにも取り付け可能だが、付属の三脚ホルダーを使えば、バックパックの中央部につけることもできる。三脚をサイドに取り付けると、重量バランスが崩れることが気になる。そこで三脚ホルダーを使って三脚を取り付けてみた。

 三脚ホルダーと三脚の上部を固定するベルトを、メイン機材室の周りにあるベルトループに固定する。いずれもベルトの先につけられたZ字状のバックルで固定できる。三脚のサイズに合わせて固定位置が工夫できるよう、ベルトループが複数つけられている。


三脚ホルダーをR-103の中央下部に取り付け、三脚を入れてみた。三脚ホルダーは固く成形されているもので、三脚の石突部分を入れて使う
メイン機材室の開口部の周りには、三脚ホルダーや三脚を固定するためのベルトがつけられるよう、複数のベルトループがつけられている

機材室を閉じるファスナーは、雨などの侵入を避けるため、カバーされている
機材室のフタ部には、2つのポケットがつけられており、メモリーカードなどを収納するのに便利

機材室内部は、KATAの特徴的な黄色い生地で覆われている。表面は、機材の手入れに使うクロスのようなソフトな感触
バックパックのストラップには、ワンタッチで着脱できるカメラ用ストラップまで付属

R-103には、メッシュポーチに入ったレインカバーが付属している
 レインカバーはリバーシブル式。反対側はレフ板替わりに使えそうな銀色だが、炎天下での熱吸収を防ぐのに使うのだという

 R-103には至れり尽くせりの様々な装備がついている。内部には2つのメッシュポーチがついており、機材の整理に使える。もう1つのメッシュポーチには、リバーシブル式のレインカバーが入っている。バックパックのファスナーが露出して雨などの侵入がないように考慮はされているが、さらに安心して雨天でも使える。

 バックパックのベルト部には、バックルでワンタッチ着脱可能なカメラ用ストラップが付いている。カメラ用バックパックの欠点の1つに「バックパックを背中から下ろさないと撮影体制に入れない」ということがある。だが、バックパックを背負っているときにカメラを表に提げておけば、すぐ撮影できるというアイデアだ。長時間歩くならカメラのストラップで首から提げるよりも、バックパックのストラップに取り付けておいた方が、重量が分散するという考えなのだろう。

 R-103の設計者は使用者の立場になって様々な工夫をしているということが、短時間でわかる非常に魅力的なバックパックだ。



URL
  KATA
  http://www.kata-bags.com/
  ボーゲンイメージング
  http://www.bogenimaging.jp/


( 木村 英夫 )
2007/02/06 01:46
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