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ユーエヌ「バウンスシュー(UN-7401)」

クリップオンストロボで縦位置バウンスに挑戦

 ユーエヌは、ユニークなカメラ用アクセサリーを多数販売しているメーカーだ。製品写真を眺めているだけでも、派手な柄が印象的な「チロリアンストラップ」など長期間カタログに載っている製品が多い。

 また、ストロボ周りの小物は驚くほどのラインナップである。ホットシューにシンクロコードを取り付けるためのアダプターなどは、シンクロ接点がないフィルムカメラにグリップストロボを取り付けるときなどに重宝した覚えがある。ただ今では、多くのカメラとストロボがTTL調光となっているので、単なるシンクロ接点だけというストロボはあまり使わなくなった。

 今回、ユーエヌのストロボ用アクセサリーをチェックすることになったのは、友人の「クリップオンストロボで左右バウンスができない機種で、縦位置でバウンスができるようになるアクセサリーってない?」という疑問からスタートしたもの。

 「映像用品年鑑の大体の製品は把握している」自称写真アクセサリー通の私としては、おそらくこのあたりが使えると思って確認したのがユーエヌのページである。そのページには、カメラのアクセサリーシュー上に載せてクリップオンストロボの向きを自在に調整できる「バウンスシュー」や「バウンサー」が全部で7アイテム掲載されている。

 「カメラを縦位置にセットして、ストロボの発光面を上に向ける」ということは、発光面をカメラの左右方向に対して回転ができなければならない。そのため、左右360度自在に角度が変えられる製品を探し、今回の「バウンスシュー」(2,100円)に行き当たったわけだ。

 製品の内容としては、バウンスシューの下側がカメラのホットシューまたは三脚のカメラネジに取り付けができ、上側がストロボの取り付け用になっているというもの。ホットシューとストロボの電気的な接点は残念ながらない。ニコンD40と同時出てきたストロボ「SB-400」がちょうど上下方向しかバウンスができない仕様なので、このバウンスシューに取り付けて首が振れれば、最初の課題「縦位置でバウンスをする方法」に答えが出ることになる。


バウンスシューにニコンのTTL調光コード「SC-28」が接続できるかチェック。残念ながら付けられない
 ニコンのストロボにカメラからの信号を伝えるにはTTL調光コード「SC-28」が必要になる。そこで、カメラにSC-28を接続し、バウンスシューを介して、SB-400を取り付けようと考えたのだが、SC-28のカメラ取り付け側の上部にはシューがない。さらにスピードライト取り付け側の下は三脚ネジのみの対応。残念ながら、当初のアイデアは“アイデア倒れ”に終わってしまった。

 SB-400は入手前だったのでこのアイデアは見送り、手元にある小型ストロボパナソニック「PE-20S」で、縦位置バウンスについて考えていくことにした。


D80にパナソニックのPE-20Sをつけたところ。バウンスシューを使うことで、縦位置でも天井バウンスの向きにセットできる。が、バウンスシューには電気接点がないので光らない
PE-20Sをバウンス方向に取り付け、本体の内蔵ストロボと2灯で発光……。しかし、これもやはり光らない

 D80にバウンスシューを介してPE-20Sを装着。カタチとしてはこれで正解。だが、実はこれでは光らない。D80にはシンクロターミナルがないため、PE-20Sにシンクロコードをつけてもダメなのだ。

 そこで次に気がついたのがPE-20Sのスレーブ発光機能。内蔵ストロボの発光をPE-20Sが感知し、それによって光るという機能だ。しかし、D80は、ホットシューに何かを取り付けると、内蔵ストロボが光らない仕様となっているようだ。実験の結果、やっぱりNGだった。


D80にL型ブラケット装着し、バウンスシューとPE-20Sをつけた様子。内蔵ストロボを受けて発光。バウンスも可能だ
 そこで機材庫を探して出てきたのがL型の「フラッシュブラケット」。今のクリップオンストロボは背が高いので、カメラのサイドにストロボを取り付けるときはストレートのブラケットを使うことが多いが、それ以前にはL型ブラケットが主流だった。

 ストレートのブラケットは、フィルムカメラのニコン「F4」くらいの時代に報道用として使われていた(確か当時のストロボはSB-24だったと思う)のを多くの人が真似て、今ではモデル撮影会などでよく見かけるものだが、以前のL型のものは、小型ストロボをグリップストロボ風に使えるようにするためのものだったと思う。

 どうにかバウンスシューをつけてバウンスさせたストロボを、D80で発光させることができた。しかしながら、本題である「縦位置でストロボをバウンスさせる」という課題からだいぶ外れてきた感がある。

 そこで本題に戻り、バウンスシューを使って縦位置でバウンスをさせることにした。D80では残念ながら発光は無理なので、シンクロターミナルを装備した富士フイルムの「FinePix S2 Pro」を使うこととした。


これで本題の“縦位置でバウンス”ができた。ただ、TTL調光には対応できない
 PE-20Sには、別売のシンクロコードがある。シンクロコードでつなげれば、ホットシューとバウンスシューの間に電気的な接点がなくても問題がない。S2 Proは内蔵ストロボがあるものの、リチウム電池「CR123A」を2本入れなければ光らない。そのためS2 Proの内蔵ストロボをあまり使っていないのだ(カメラそのものは、単3電池4本だけでも動作する)。

 早速、「縦位置バウンス」の効果を確認してみた。カメラはFinePix S2 Pro、レンズは「AF-S Nikkor 18-50mm F3.5-4.5 DX」を使用した。


※撮影データは、記録解像度/シャッター速度/絞り値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


外光オートのつもりがマニュアル発光で撮影。バウンスしていないと、背景左側に強い影ができる。クリップオンストロボの弱点だ
3,024×2,016ピクセル / 1/10秒 / F8 / ISO100 / WB:オート / 29mm域
自然光をベースに撮影するためにスローシャッターとしたが、天井にバウンスした光が上方から入っているのがわかる
3,024×2,016ピクセル / 1/8秒 / F8 / ISO100 / WB:オート / 29mm域

 バウンスシュー自体は、大変ユニークなアイデア商品。あとは、何とかTTL調光の対応ができればいいのだが……。でも、シンクロコードによる補助光源としての使用なら、工夫次第でいろいろ活用できそうだと感じた。



URL
  ユーエヌ
  http://www.un-ltd.co.jp/
  製品情報
  http://www.un-ltd.co.jp/products/camera/lighting/index02.html


( 木村 英夫 )
2007/01/11 00:23
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