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バッファロー「8段式コンパクト三脚」

意外なブランドのコンパクト8段三脚

 バッファロー、といえばメモリやHDDなどどちらかといえばPC周りの製品のブランド。「インターネット、もっと使いやすく」がキャッチフレーズなのだから、およそ三脚とは結びつかない。ところがそのバッファローが三脚を出している、という情報を友人から聞き、早速チェックしてみた。

 バッファローの「8段式コンパクト三脚 BDG-SK01/L8」(3,320円)はいわゆる「ダボ式」の伸縮方法を持つ、どちらかといえば記念撮影用の軽量三脚だ。ダボ式とは、脚パイプを引き出すと、パイプ内に仕込まれたピンが飛び出し、脚の関節を固定するという三脚の形式である。

 一見、ラジオのアンテナや伸縮式の差し棒に似ているが、ダボで固定するしくみが異なる。同じ三脚でもレバー式やナット式の三脚が、脚関節部を摩擦力で固定しているのに対し、ピンによる固定のため、中間地点で固定できないのがデメリットだ。また、本格的な撮影用の三脚の構造には向かない。ただ、かなり昔からこの形式の三脚は作られていたらしく、父が持っていた昭和30年代に作られたものを見たことがある。

 一般の三脚がアルミパイプもしくはカーボンパイプで作られているのに対し、ダボ式のものは真鍮の薄肉パイプで作られている。真鍮にすることで強度をアップし、パイプの厚さを薄くすることで、8段という段の多さを成立させているのだ。

 8段ダボ式の三脚は、写真用品メーカーからも多数売られている。業界で有名なところではキングの「レインボー8段」。さまざまなカラーバリエーションが売られているロングセラー商品だ。他にもハクバ「コンパクトエイト」やケンコー「ST-3」などがある。三脚メーカーのベルボンでも「T-100」、「Trip-Mate II」を販売している。

 ダボ式の三脚も進化を遂げており、最近では、より短くたためる10段三脚やギア式のエレベーターが組込まれたもの、ローアングル対応のものなど、多種多彩である。

 しかし、バッファローの三脚はもっともベーシックなもので、8段のエレベーターなし。1ハンドルの雲台がついている。パッケージから出してしまえばバッファローの文字はない。脚の伸縮操作も、「パイプを全部引き出して、2段目のパイプを約90度回す」ということで、この手の三脚としては最も一般的なものだ。パイプを引き出したあと、固定のため回転するのは、90度という角度よりも「カチン」という音を目印にすればよい。


赤いパッケージが目を引く。「バッファロー」のメーカー名は、フックにかけるところに小さく入っている
パッケージの裏面。取扱説明書を兼ねている。各部の説明の中で、雲台の水平ロックについての記述が現品と異なっている
縮長約27cmと大変小さくなるのがメリットのひとつ。旅行用三脚では「持ち歩きに便利」というポイントが重要だ

ダボ式三脚ならではの、「脚パイプを引き出すだけ」という簡単操作
だが、伸ばしきったあとで「2段目のパイプを、カチンという音がするまで回す」という操作を忘れると縮んでしまう。要注意!!
折りたたむときは、三脚の石突を手のひらに当てて一気に縮める。脚3本のロックを外すと、3本一度にたたむことも可能だ

カメラの固定はネジ式。カメラ底のメスネジに三脚のオスネジを合わせて回す 雲台はパンハンドルが1本付いているが、自由雲台のような独自の操作法だ。ハンドルを緩めると上下に動かせる

カメラの「縦位置」は自由雲台のような操作感。ハンドルを緩め、カメラを持って縦位置にする
キンチャク式のケースが付属する

ケースに入れて、カメラバッグの背面ポケットに入れることも可能だ
伸ばしたときの高さは110cmと十分な高さとなる

この三脚は「家族で記念写真」という使い方がもっともポピュラー 耐荷重2kg、とあるがやはり一眼レフでの使用は不安定。たたんだ状態での接写なら何とか使える、というところか

 パッケージには「耐荷重2kg」とある。三脚の耐荷重表記は、その重量のものを載せて「ブレない」というものではない。「安全のために、記載の重量以上のものを載せたとき、メーカーとして責任がとれない」という製造物責任的な発想の表記だろう。日本の三脚メーカーではもともと耐荷重という表記をしておらず、海外メーカーからこの考え方が入ってきた、という。

 この三脚の実力からは、重量が1kgなくても、一眼レフ+標準ズームでスローシャッターを切るのは苦しい。昼間の記念撮影用に割り切るのがいいだろう。

 軽く、伸ばすのが簡単、という機能は家族の記念撮影にはベストだ。特にコンパクトデジカメユーザーなら、これからの夜景のシーンでも使えると思う。ただ、「全部伸ばす」か「全部たたむ」かの2種類の長さでしか使えないのが注意点。背景にイルミネーションを入れての記念撮影なら、たたんだままカメラを上に向けてセットするのも一つの活用方法だろう。



URL
  バッファロー
  http://buffalo.jp/
  製品情報
  http://buffalo.jp/products/catalog/item/b/bdg-sk01_l8/


( 木村 英夫 )
2006/11/28 02:07
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