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富士フイルム「Pivi MP-300」
懐の広さが魅力の超小型フォトプリンタ
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Pivi MP-300
かつて富士フイルムは「プリンカム」なる愛称がつけられた、プリンタ内蔵デジカメを販売していた。撮影した画像を、カードサイズのインスタントフィルムにプリントできるデジカメで、インスタントカメラのように撮ってすぐにプリントすることもできれば、記録メディア(スマートメディアだった)に保存した画像を呼び出してプリントすることもできた。プリンカムは残念ながら一代限りの製品となってしまったが、筆者はいまでもプリンカムが欲しくなることがある。
たとえば記念撮影して、その場でデジカメのモニターで回覧したり、後からメールで写真を送ってあげたりするのと、みんなにプリントを持って帰ってもらうのでは、後者のほうが写真を共有する感覚が強く、長続きするように思えることがある。筆者は、デジタル画像はディスプレイで鑑賞するのが似合うといつも思っているけど、“モノとしてあるプリントの強さ”が発揮される場面というのも、確かにあるのだ。かといってフィルムやデータをDPE店に持ち込んだり、家でプリントして、後で配布するのもかったるい。そんなときに、撮ってすぐにプリントできるプリンカムは便利で楽しかった。
そのプリンカムのプリンタ部だけ独立させたような製品が「Pivi」だ。使用するフィルムはPivi専用の「インスタックスデジタルフィルム」で、フィルムのサイズは86×54mm、画面のサイズは61×46mmのカードサイズのプリントが得られる。小さなプリントだから、一般的なL判などに比べれば迫力は劣るものの、画質はその出自がインスタントカメラであることを忘れさせるほどによい。
このフィルムは、同社のインスタントカメラ「チェキ」のフィルムと同様に「インスタックス」ブランドを名乗っていて、フレームにディズニーのキャラクターがあしらわれたものがある点も似ているのだけど、チェキのフィルムとは違うものだ。
10枚入りのカートリッジ式だから取り扱いは簡単だ。カートリッジ式だからAPSフィルムのように途中交換もできるものだと思っていたのだけど、できないことがパッケージにちゃんと書いてある。筆者はこれに気づかずに途中交換してしまったのだが、途中で取り出したフィルムには青く色づいた部分ができてしまって、使い物にならなかった。
Pivi専用フィルム。左はノーマルフレーム、右はディズニーキャラクター入り
とある飲み会でプリント。余白が大きいので、プリントに油性ペンでメッセージを入れたり、写真に落書きするのも楽しい
Pivi MP-300とフィルムカートリッジ
カートリッジはPiviの裏側に入れる。出し入れはとても簡単で、コツは入らない
ところで、2004年に発売されたMP-100以来、Piviシリーズはインターフェイスに赤外線ポート(IrDA)しか搭載していなかった。赤外線ポートが標準で搭載されているカメラ付き携帯電話からのプリントを、その主たる目的としていたからだ。赤外線ポートのないコンパクトデジカメからプリントするには、別売りの赤外線アダプタをデジカメに接続する必要があって、ちょっと面倒だった。
今回取り上げるPivi MP-300(オープンプライス、店頭予想価格15,000円前後)になって、ついにUSBポートが搭載された。これでPictBridgeに対応したデジカメならなんでも、ケーブル1本でつなぐことができるようになったわけだ。
さらに赤外線通信も、「IrSimple」という高速な規格に対応した。IrSimpleの通信速度は最大4Mbps、従来のIrDA規格の4~10倍の速度が出る。富士フイルムのFinePix Z3で5M/Fineの画像をプリントしてみたところ、USBでは転送開始からプリント終了まで約1分40秒を要したのに対し、IrSimpleでは約38秒で済んでしまった。
電源はCR2リチウム電池×2
Piviの操作部はこれだけ。転送された画像データは1枚ぶんだけバッファしてあって、「REPRINT」ボタンを押すとバッファ内のデータをプリントすることができる。同じ写真を何枚もプリントするときに便利
Piviの電源を入れて、カメラとPiviの赤外線ポートを向かい合わせ、カメラでプリント操作をするだけ
赤外線ポートがないカメラはUSBでPictBridgeが使えるようになった
MP-300の発売当時は、Z3しかなかったIrSimple対応機器だが、FinePix F31fd、同Z5と徐々にに増えつつあるし、NTTドコモの携帯電話「SH903i」などにも搭載されている。ワイヤレスであるぶんUSBよりもお手軽だし、赤外線通信はBluetoothよりも普及している。IrSimpleはIrDAのプロトコルのみ変更したものなのだそうで、願わくば、多くのカメラや携帯電話に搭載されてほしいものだ。
というわけで接続手段が増えたおかげで、様々なカメラが使えるようになったMP-300。冒頭のプリンカムはカメラ一体型だったけど、いろいろなカメラが使えるPiviのほうが柔軟性が高い。大きさは146×102×29mm(幅×奥行き×高さ)、電池とフィルムを除く重さが225gと、カバンに入れて楽々と持ち運べるから、これからの宴会シーズンに楽しい1台だろう。
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URL
富士フイルム
http://www.fujifilm.co.jp/
製品情報
http://fujifilm.jp/personal/print/mobileprinter/pivi300/
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富士フイルム、IrSimpleとUSB端子を搭載した携帯プリンタ「Pivi MP-300」(2006/05/30)
( 本誌:田中 真一郎 )
2006/11/21 01:09
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