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JENIS「LENS HOOD 77mm」
~今までなかった「ネジ込み式花形フード」をPhotokinaで発見!
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レンズフードのカタチは元々、「丸型」か「角型」であった。しかし、よりフードとしての機能を高めるなら、余分な光をカットしながらできるだけフードの深さを深くした方がベターだ。そこで登場したのが「花形フード」。ここ10年くらいになってからのものだと記憶しているが、レンズが直進ヘリコイドでズーム時にも回転しなければ、レンズとフードの位置関係は変わらないため、丸型フードを伸ばして、画面の中に入る部分を切り欠いたデザインの花形とすることで、画面に入るギリギリのところまで余分な光を遮るようになっている。
ところが花形フードの場合、それぞれのレンズ専用に設計しないと、フードと画角の関係だけでなく、取り付け部分の形状に問題が出てくる。一般の「丸型ねじ込み式フード」のような取り付け方法だと、フードの出っ張った部分がレンズの上側と下側に来ずにズレてしまう、というようなことが起こる。ねじ込み式では、レンズによって固定位置がズレるので、花形フードにできないのだ。
そこで、花形フードとレンズの取り付けは、2つ爪または3つ爪のバヨネット式とすることになる。レンズの外径に対するバヨネットとなるため、同じメーカーでも個々のレンズで異なってくることになる。レンズ持ち運び時にはフードを反転してレンズにつけておけばいいのだが、レンズの径が太くなり、持ち運びがかさばってしまうことになる。
いくつかのレンズのフードを共通で使おうとすると、レンズ前面にねじ込んで使う「ネジ込み式フード」または「ネジ込み式のラバーフード」を考えてもいいのだが、フード効果は花形フードより弱くなる。
今回のPhotokinaでブースを出していたJENISが、ユニークな「ネジ込み式花形フード」を即売していたので、早速買い求めてみた。Photokinaでの購入価格は10ユーロ、おおよそ1,500円くらいだ。
JENISは、ユニークな「デジタル一眼レフ用バッテリーグリップ(D50やKiss Digitalなどの普及機がまるでプロ機のように見える!)」などのアクセサリーを製造・販売している香港のメーカーで、フード以外にもリモコンなどのアクセサリーも作っている。
花形フードのラインナップには、各メーカーのバヨネット式花形フードと全く同じ形をしている互換タイプのものや、レンズの外周からネジで押さえて固定するネジ止めタイプのものがある。ネジ止めタイプのものは、レンズのフード固定用バヨネットが出っ張っていればそのまま固定できず、レンズ保護フィルターをつけて、その外周に固定する感じとなり、汎用性は今回チェックしたネジ込み式のものより劣ることになる。
ほぼ同じ大きさのトキナー 12-24mm F4用のフードと並べてみた。フードの深さはほぼ同じ
フィルター取り付けネジ径が77mmのものなら取り付け可能だ
ネジ込み式なので、レンズ先端にフードをネジ込んで取り付けていく
花形フードにある「矢印」の位置が真上になったら、フードの固定ネジを動かしてレンズにしっかり固定する
ネジ部にあるリングを回すと、ネジの深さが変わる構造。これにより、花形フードの位置を確認しながらきちんと固定できる
トキナー 12-24mm F4のフードと見た目が似ていて、フード自体の深さは一緒のようだが、12-24mm F4に付属のフードがバヨネット式でレンズの外側に取り付けられるのに対し、JENISのものはネジ込み部分の関係で、フードとしての有効径が少し小さいようだ。そのため、実写してチェックしてみると、12mmでは大きくケラれ、18mmくらいから実用に堪えるように思われる。
今回求めたのは77mm径用だが、ネジ込み式のフードのためステップアップリング(より大きい径のフィルターを取り付けできるように、サイズを大きくするリング)を併用することで、77mmよりも取付径が小さければさまざまなレンズに使い回しができる。フードを逆さ付けするとレンズの径が大きくなり、バッグの中でかさばるので、ひとつのフードをさまざまなレンズで共用できれば、バッグの中が整理しやすくなるようにも思える。
ネジ込み式、ということはステップアップリングを使えば、あらゆるレンズに使い回しができる
AF-S DX ズームニッコール ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF) VRに取り付けてみた。純正のフードよりやや大振りな感じだ
トキナー 80-200mm F2.8に取り付けてみた。これではややフードが浅いように思える
ネジ込み式ということは、PLフィルター使用時にも便利かも、と思い実験してみた。通常、PLフィルターと花形バヨネットフードを併用するときは、花形フードをレンズから外し、PLフィルターの効果を確認しながら回転、PLの位置を合わせた後でフードを再び取り付けることになるが、ネジ込みフードであれば、フードごとPLフィルターを回すことができる。
ところがPL位置を合わせた後で花形フードの位置を再度合わせ直す必要が出てくるため、決して使いやすいものではなかった。
PLフィルターにネジ込み式花形フードをつけてみた。実際のところ、あまり使い勝手は良くなさそう
トキナー 12-24mm F4用のフード(左)との比較。フード内側の反射防止にもう少し配慮が必要なようだ
アイデア自体は面白いものの、フードとしての機能である「内側の内面反射防止」の工夫は、まだ配慮が必要。一般には植毛や遮光溝などで、反射を防ぐが、JENISのものは黒く塗られてはいるものの、やや反射が強そうだ。発想自体はユニークで他にないものだけに惜しいところだ。
日本ではまだ発売されていないが、もともと花形フードが用意されていないモデルや、古いレンズでフードの販売を終えているモデルなどでも、見栄えのいい花形フードが使えるというのは面白い。是非よりグレードアップした上で、日本でも販売してほしいものだ。
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URL
JENIS
http://www.hkjenis.com/
( 木村 英夫 )
2006/10/26 01:23
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