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ケンコー 「アシストホルダー エキスパート60」

高精度自由雲台と同じ部品の傘ホルダー

 雨中の撮影では晴天時よりも明るさが暗くなるため、三脚を使う必要性が高くなる。そこで三脚に傘を固定しながら撮影できるアクセサリーが必要となる。

 傘をさしながら撮影するためのアクセサリーとしては、2005年に取り上げたハクバの「アンブレラカメラホルダー」などがあるが、今回取り上げるケンコーの「アシストホルダー エキスパート60」(19,740円)は、価格がハクバのアンブレラカメラホルダーの8倍以上とかなりの差がある製品だ。

 製品を手にとってみると、磨き上げられた金属加工の部品で構成されており、ツマミ類を緩めたときの動作に精密感を感じる。聞いた話だと、ケンコーで発売している「高精度自由雲台」と同じ工場で作られているという。

 アシストホルダーは、大まかに分けると3つの部分から構成される。三脚の雲台と脚の間に取り付ける「センターベース」と、脇に傘をつけるよう持ってくる「アーム」、そして傘を挟み込んで締め付ける「アンブレラホルダー」である。

 この構造から、取り付けできる三脚は、雲台と三脚が分離できる仕様のものに限られる。雲台と三脚が分離できない三脚というと、ハスキーを除けば傘を取り付けるとブレが止まらないくらいの細くて軽いものになるので、これらが対象外でも大丈夫だろう。

 センターベースは、通常の状態では上下のネジとも小ネジになっており、国産三脚に対応しているが、底部に大ネジアダプターが組み込まれており、コインで大ネジアダプターを外すと大ネジの三脚に取り付けもできる。そのためジッツオやマンフロットのような輸入三脚や国産大型三脚で大ネジを使っているものにも取り付けができる。

 外した大ネジアダプターを、センターベース上部の雲台取り付けネジに取り付ければ、大ネジの雲台にも対応する。三脚の種類によっては、センターポールが回転できずに傘の向きと雲台の位置関係が使いづらくなるのでは? という心配があるが、センターベースにある黒色のツマミを緩めれば水平方向に移動できる。この動きは、精密自由雲台を思わせるスムーズなものだ。

 雲台の上にカメラと一緒に傘を取り付けると、雲台でフレーミングを変えるときに傘が同じように移動することになり縦位置撮影時に困ってしまうが、アシストホルダーでは、傘と雲台上のカメラの動きが別になるため、フレーミングに支障はない。

 また、傘を雨が降り込む方向に倒したり、風が吹いてくる方向に調整したりすることができて便利だ。アシストホルダーを使うなら、普段はセンターベースを三脚につけっぱなしにしておいて、撮影場所でアームとアンブレラホルダーを取り付ければいいので、三脚をケースにしまうときも面倒でなくて済む。


三脚に傘を取り付けた状態 アシストホルダーは3つの部品から構成されている

センターベースの下部のアダプターをコインで外せば、大ネジに対応できる センターベースを三脚の雲台取り付けネジにねじ込む

センターベースの上に雲台を取り付ける アームをセンターベースに取り付ける

アーム部にアンブレラホルダーのL型金具を取り付ける アンブレラホルダーに傘の柄の上の軸をネジで固定して装着

アンブレラホルダーのネジを緩めれば、傘の方向を変えることができる 風が強いときは、センターベースの銀のツマミを緩めれば、傘をはずせる

アンブレラホルダーのL型金具にカメラを固定することが可能

 三脚に傘を取り付けると、風が吹いたとき風の影響を受けやすくなるためブレが生じやすくなるというデメリットが発生する。そのため、シャッターチャンス待ちや構図を決めるときには三脚に傘をつけた状態にしておき、シャッターを切るときには、センターベースから傘を外して手で傘をさした方がいい状況もあると思う。アシストホルダーは、センターベースから傘が素早く取り外せるため、風の影響を考えながら使うのにも便利だ。

 アシストホルダーには、アンブレラホルダーを外してストロボなどを取り付けるシューアダプターも付属している。また、アンブレラホルダーを取り付けるアームの基部はカメラネジとなっているので、軽いカメラなら固定も可能だ。アンブレラホルダーのL字金具部分を使えば、縦位置でカメラを固定することもでき2台載せのカメラプレートの代用にも使える。

 2万円近い価格は決して安くはないが、傘の固定だけでなくさまざまな用途に活用できることに価値を見いだせば使えるアクセサリーである。



URL
  ケンコー
  http://www.kenko-tokina.co.jp/


( 木村 英夫 )
2006/06/20 01:27
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