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スリック「カーボンマスター 914 PRO」

安定感の高い大型三脚を軽く持ち運べる!

 1,000万画素を超える高解像度のデジタル一眼レフカメラが普及し始めた今、一般的な三脚よりもさらに高安定の三脚が必要となってきている。かつては、三脚は重さで選ぶとされていた。

 10年くらい前までは、三脚の材料はアルミが主体であった(スチールという人がいるが鉄の三脚はまずない。ムービー用の三脚に対し、スチールカメラ用といっているのを鉄と間違って広まったというウワサを聞いたことがある)。平均的な一眼レフ用が3kg程度で、プロ用は4kg以上という重量区分があった。

 しかし軽量素材のカーボンが一般的となっている今、4kgの三脚を持ち歩くのが難しければ、カーボンの大型三脚を検討してみるのも一つの方法だろう。そんなカーボンの大型三脚の一つが、今回取り上げた「スリック カーボンマスター 914 PRO」(97,650円)だ。 

 一般的な中型三脚では、パイプの太さ(一番上の段の太い部分)が28mm径だが、これより太いタイプで30mmを超える太さの大型三脚は、ずっと安定感が向上する。ただ、アルミの30mm径を超える太さの三脚は、雲台込みで4kgオーバーと気軽に持ち運ぶにはあまりに重すぎる。

 スリック カーボンマスター 914 PROはパイプ径が30.4mmと太く安定感が高いが、雲台を含まない脚のみの重量が2.2kgと大変軽い。

 また、三脚のパイプを全て伸ばしてカメラをセットできる高さ(全高)が、1,530mm(雲台含まず)になり、雲台をつけてカメラを載せれば、目の高さよりも場合によっては高くなってしまうという大型サイズだ。


大型三脚ながら4段式のため、畳むとコンパクトに プロはメンテナンスの簡便さからナット式を選ぶことが多い

 カーボンマスター 914 PROのカーボンパイプは表面がすべすべしたタイプだが、アルミ三脚のようにパイプ自体に重みがないため、ナットを緩めてもパイプ自体が落ちてこず、パイプを持って引き延ばすようにして伸ばしていく。

 カーボン三脚には、脚の固定がレバーロック式とナットロック式のものがある。914 PROはナットロック式のため、ナットをどちらに回すと緩むか、ということが瞬時にわからず迷う人もいるようだが、ナットのすぐ上のところに「ゆるむ・しまる」というシールが貼ってあり、方向がわかるようになっている。

 ナット式の三脚ではこのナットを半回転程度で緩め、あまり緩めすぎないのがコツだ。ナットを緩めすぎると、伸ばすのに時間がかかる。また、半回転で緩めるクセをつけると「どちらに回すと締まるか迷ってしまう」ことがなくなる。


高さ調節はクランクハンドルで行なえる 雲台は大ネジ、子ネジどちらにも対応 開脚角度は3段階に調節できる

 カーボン三脚の多くは、軽量化のため手で引き上げるタイプのセンターポールになっているが、914 PROはギア式のため高さの微調整がすばやくできる。雲台は大ネジ(U3/8インチ、大型三脚や海外ブランドに多い)で対応するが、このネジを反転させることで小ネジ(U1/4インチ、国産の標準)の雲台も取り付け可能だ。

 石突きは2ウェイ式。ゴムを回せばスパイクが現れ、野外でしっかり固定したいときに便利だ。また、センターコラムは短いものが標準装備となっているが、より高いポジションを得るために、別売の長いエレベーターと交換することもできる。

 


室内ではスパイクを忘れずに収納するよう心がけたい センターコラム下部のプレートを外すと簡単に抜き取ることができる

 今回取り上げたカーボンマスター 914 PROは、最近「カーボンマスター 914 PRO2」にモデルチェンジしたそうだ。新型の3ウェイ雲台が標準装備され、重量が3kgオーバーとなっているが、軽く持ち運びたいなら脚部分のみを求めて自由雲台をつけるとよい。914 PRO2を雲台なしで求めると、以前は別売りだった「長い交換エレベーター」が標準で付いてくるのでお買い得感もある。

 2.2kgの脚に、精密自由雲台の300g程度のものを組み合わせれば、2.5kg程度で大型三脚を持ち運ぶことができる。サイズから来る安定感は、格下の三脚からみれば、全く別物だ。高画素のデジタル一眼を使うなら、是非三脚にも気を使いたいものだ。



URL
  スリック
  http://www.slik.co.jp/
  製品情報
  http://www.slik.com/carbon/4906752105276.html


( 木村 英夫 )
2006/05/30 00:00
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